【天皇賞(春)】「阪神大賞典1着」が最多4勝 データはサンライズアースを後押し
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
参考レース振り返り
5月4日(日)、京都競馬場では芝3200mで争われる伝統の長距離GⅠ・天皇賞(春)が行われる。出走を予定している馬たちの主な参考レースを、過去10年のデータとともに振り返る。
なお、データランクは好走率や勝利数をもとに、レースレベルはレーティングや出走馬の成績などを考慮してランク付けしている。
阪神大賞典【データ:A レースレベル:B】
過去10年の成績【4-6-5-50】勝率6.2%、連対率15.4%、複勝率23.1%
・レース別最多4勝
・4勝はすべて阪神大賞典1着からの臨戦
・2023年ジャスティンパレス、2024年テーオーロイヤルと2連勝中
・昨年は1〜3着を独占
【2025年レース回顧】
スタート直後の1周目3角でレースの主導権を奪ったのはサンライズアース。最初の1000mは13.2-11.9-12.6-12.7-12.7(1:03.1)というラップを刻んだ。
そのまま淡々と流れていったが、2周目向正面1800mを通過したところで12.6から11.7へとペースアップ。3番手のインにいたマコトヴェリーキーがスルスルとポジションをあげ、先頭に入れ替わる。
しかし、自分のペースを崩さなかったサンライズアースは2周目4角で再び先頭に並びかけると、最後の直線は後続を引き離して独走。3:03.3という勝ちタイムで重賞初制覇を飾った。
ラスト1000m11.2-11.5-11.5-11.5-12.1(57.8)という持久力勝負で後続を6馬身離したという点も高く評価でき、ステイヤーとしての素質は高い。先行力もあり、舞台替わりもプラスに働くだろう。
59kgを背負っての出走となったブローザホーンは中団追走から伸びるも、2着マコトヴェリーキーには半馬身届かず3着。近走は物足りない成績が続いていたなか、長距離戦で復調の兆しは見せた。
1番人気ショウナンラプンタは最後方から運び、勝負所から徐々にポジションを押し上げて伸びるも4着まで。序盤からペースが遅かったこともあり、展開も向かなかったが、前哨戦としては及第点のレースはできた。
7着ワープスピードは好位からレースを進めたが、ペースが上がったところで対応できず。8着ウインエアフォルクはこのメンバーではやや荷が重かった。
大阪杯【データ:A レースレベル:A】
過去10年の成績【2-1-0-5】勝率25.0%、連対率37.5%、複勝率37.5%
・産経大阪杯(GⅡ)時代も含めて2勝
・2017年キタサンブラック以降勝利なし
・直近では2018年シュヴァルグランが2着好走
【2025年レース回顧】
スタートで出遅れながら2角でハナを奪ったデシエルトが後続を5馬身以上引き離し、1000mを57.5で通過。馬群は縦長の隊列で流れた。
4番手のインで流れに乗ったベラジオオペラが直線力強く伸びて連覇達成。勝ちタイムは1:56.2のレコード決着となった。
7番手を追走していたジャスティンパレスは外から伸びるも、勝ち馬とは0.4秒差の6着。それでも3着ヨーホーレイクとは0.1秒差と着順以上に差はなかった。2023年の天皇賞(春)優勝馬でもあり、距離延長はプラス。さらなる前進が期待できそうだ。
日経賞【データ:B レースレベル:B】
過去10年の成績【2-1-2-37】勝率4.8%、連対率7.1%、複勝率11.9%
・勝利はいずれも阪神開催
・ワールドプレミア(2021年)、タイトルホルダー(2022年)が勝利
【2025年レース回顧】
稍重で行われたレースは、好スタートを切ったバビットが逃げる展開。馬群は一団となって淡々としたペースで流れていった。
3番手の外を追走していたマイネルエンペラーは、残り600m標識の手前で早くも鞍上の手が動き始めていたが、直線は後続勢の追い上げを凌ぎきって重賞初制覇。ラスト12.3-12.2-12.7(37.2)という消耗戦で、勝ちタイム2:36.1だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
アラタは最内枠から中団を追走、終始ロスなく立ち回ったが9着。シュヴァリエローズは後方2番手追走から直線は大外へと持ち出したものの、道悪が影響してか力を発揮できず12着という結果に終わった。
レッドシーターフハンデキャップ【データ:B レースレベル:B】
過去10年の成績【0-0-1-0】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率100.0%
・2023年シルヴァーソニックが3着
・複回収率400%
【2025年レース回顧】
各馬が牽制し合うなかで外からグレゴリーが逃げる展開となり、最初の1000mは1:02.46。そこからさらにペースは落ち、馬群が一団となって流れて2000m地点は2:08.33で通過した。
ハンデ60kgを背負っての出走となったビザンチンドリームは最後方を追走。勝負所を迎えて徐々にポジションを押し上げると、前を射程圏に入れた4番手の外まで進出する。残り300mで先頭に立つと後続に1馬身1/4差をつけての快勝。勝ちタイムは3:06.63だった。
昨年の菊花賞は4角5番手以内の馬が上位を占めたなか、4角10番手から伸びてきたように長丁場のレースへの適性は高かった。展開に左右されやすい脚質ではあるが、京都芝3200mという舞台は合っており、上位争いに割って入る力はある。
ダイヤモンドS【データ:C レースレベル:C】
過去10年の成績【0-1-1-16】勝率0.0%、連対率5.6%、複勝率11.1%
・直近では2022年テーオーロイヤルが3着
【2025年レース回顧】
好スタートからセイウンプラチナが逃げて最初の1000m通過が1:03.6、2000m通過2:07.2というスローペースながら縦長の隊列で淡々と流れた。
1番人気に応えて勝利したヘデントールは5番手追走から2周目3角で進出を開始し、先頭で直線に向くと、そのまま後続を寄せつけることなく4馬身差で快勝。ここでは力が違ったという印象だ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
道中2番手を追走していたジャンカズマはハンデ54kgでの出走。勝負所でヘデントールとワープスピードが上がっていきポジションを下げたが、最後の直線はロスなく立ち回って2着へと好走した。ただしヘデントールとの着差やハンデ等も考慮すると、能力面で一枚落ちる印象は否めない。
■阪神競馬場リニューアルオープン記念【データ:なし レースレベル:D】
※過去10年で出走なし
【2025年レース回顧】
スタートしてタクシンイメルが後続を引き離して逃げるも、1周目スタンド前でペースが落ちると一気に隊列は入れ替わり、シリアルノヴェルが主導権を握った。
後方3、4頭目を追走していた1番人気ハヤテノフクノスケは2周目4角で進出開始。直線は外から突き抜けて後続に5馬身差をつける快勝だった。勝ちタイムは3:02.9、鶴舞特別から2連勝と勢いに乗って伝統の一戦に挑む。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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