【天皇賞(春)】前走非重賞でも見逃せない 強力データ3つ持つハヤテノフクノスケとリミットバスターに熱視線
門田光生

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中心は「前走1着」「前走1番人気」など
5月4日に京都競馬場で行われる第171回天皇賞(春)。ここまでのGⅠシリーズは「J.モレイラ騎手騎乗」という項目が、何よりも強いプラスデータになってしまった。
そのモレイラ騎手は短期免許の期間を終えたため、このレースの騎乗はなし。本来のデータ予想が生きれば、と切に願う。
今週行われるのは、ステイヤーの頂上決戦・天皇賞(春)。このレースにはどんな傾向があるのか。今回も過去10回を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦所属馬3勝(5連対)、栗東所属7勝(15連対)。勝利数や連対数は栗東所属馬が大きく上回っているが、勝率や連対率の比較では大きな差はついていない。

☆性別
牝馬は14頭が出走。2021年カレンブーケドールの3着が最高着順で、これが唯一の馬券内となっている。

☆年齢
勝率トップの4歳と、連対率トップの5歳がプラスデータ。年齢を重ねるごとに勝率が悪くなる傾向にあり、7歳以上からは勝ち馬が出ていない。

☆前走クラス
馬券に絡んだ馬は、すべて前走で重賞(海外含む)を走っていた。といっても、非重賞組はサンプルが少ないので、「OP以下を走っていた馬から馬券が出ていない」というデータは参考記録としたい。

☆主な前走
最も連対馬を出しているのは阪神大賞典(10頭)、続いて日経賞(3頭)となっている。ただし、この2レースは出走頭数が多いこともあり、勝率以下の数字は目立ったものではない。また、出走頭数がそれなりにいるダイヤモンドSからは勝ち馬が出ていない。

☆前走着順
連対率が30%近くあり、複勝率も40%を超える前走1着馬が文句なしのプラスデータだ。前走5着以下からは勝ち馬が出ていない。

☆前走人気
勝率1位タイ、連対率と複勝率は単独トップの前走1番人気がプラスデータ。前走4番人気と、10番人気以下からは勝ち馬が出ていない。

☆前走脚質
前走で逃げた馬は、ほかの脚質に比べて好走率が高くなっている。逆に前走で追い込んだ馬の成績がすこぶる悪い。
目安となるのは、出走頭数にかかわらず4コーナーで7番手以下。このゾーンから勝ち馬は出ていない。

☆前走馬体重
前走馬体重が440kg~459kgの範囲内だった馬は、ほかの馬に比べて好走率が高くなっている。
なお、前走馬体重が439kg以下だった馬で勝利した馬はいない。馬券内は昨年2着のブローザホーンが唯一だ。

☆その他
栗毛は延べ32頭が出走しているが、勝ち馬は1頭も出ていない。また、前走で1.6秒以上負けていた馬や、中2週以内のローテーションで挑んだ馬はすべて馬券外に沈んでいる。

今年は条件組台頭の予感
ここまでに挙げた天皇賞(春)のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下の通り。
【好走率アップ】
A「4歳か5歳」
B「前走1着」
C「前走1番人気」
D「前走逃げ」
【勝ち馬なし】
E「7歳以上」
F「前走ダイヤモンドS」
G「前走5着以下」
H「前走4番人気 or 10番人気以下」
I「前走4角7番手以下」
J「前走馬体重439kg以下」
K「栗毛」
【連対馬なし】
L「前走1.6秒差以上の負け」
プラスデータを勝率順に並べると、以下の通りになる。

登録馬のプラスデータ最多は3つで、これに当てはまるのがハヤテノフクノスケ(ABC)とリミットバスター(ABC)の2頭。ともに勝率1位のB「前走1着」を満たしているのは心強い。
どちらを本命にするかだが、同じAでも4歳の方が5歳より勝率が上。なので◎ハヤテノフクノスケ、○リミットバスターの順にする。ただし、2頭とも3着以内が出ていない前走条件戦からのローテーション。サンプルが少ないとはいえ、そこまで強く推せないというのが本音だ。
続いて、プラスデータを連対順に並べると、以下の順番となる。

ここからは、勝ち馬が出ていない「E~K」のデータは無視して進める。
まず、プラスデータを3つ持つのがサンライズアース(ABD)。連対率が30%近くあるB「前走1着」を持っていることも踏まえ、3番手でいいだろう。
続いて、プラスデータを2つ持つのがショウナンラプンタ(AC)、ビザンチンドリーム(AB)、マイネルエンペラー(AB)の3頭となっている。
この比較では、連対率トップのB「前走1着」を持つビザンチンドリームとマイネルエンペラーを上に取り、同じAでも連対率が上の「5歳」マイネルエンペラーを4番手、「4歳」ビザンチンドリームを5番手とする。今回は混戦なので、6番手ショウナンラプンタまで印を入れたい。
◎ハヤテノフクノスケ
○リミットバスター
▲サンライズアース
△マイネルエンペラー
×ビザンチンドリーム
×ショウナンラプンタ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
この仕事をずっとしているので、ゴールデンウィークの並びがどうだとか、気にすることは全くありません。ただ、電車に乗るときだけ、「あれ、今日は休日ダイヤなのか!」と慌てることがあるので、月~金に祭日ダイヤが紛れ込んでいないかは、チェックするようにしています。今まで、何度痛い目にあったか……。
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