【皐月賞】一冠目は疑いなし!本命はクロワデュノール 対抗は「近10年5勝」の共同通信杯組マスカレードボール
東大ホースメンクラブ

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3歳牡馬クラシック開幕
今週日曜、中山競馬場でGⅠ皐月賞が行われる。3戦3勝、無敗の2歳王者クロワデュノールに、一度敗れたもののその後重賞勝利を収めたマスカレードボール、サトノシャイニング、ピコチャンブラックらが再度挑む。その他、未対戦のエリキングやニシノエージェントなども参戦し、フルゲート18頭が揃った。
下馬評では“クロワデュノール一強で焦点は相手探し”の様相となっているが、果たしてその通りの決着となるのか。過去10年のデータから検討する。
共同通信杯組は今年も評価

<皐月賞 前走レース別成績>
ホープフルS【2-0-0-3】勝率40.0%/連対率40.0%/複勝率40.0%
共同通信杯【5-0-4-12】勝率23.8%/連対率23.8%/複勝率42.9%
スプリングS【1-1-2-32】勝率2.8%/連対率5.6%/複勝率11.1%
弥生賞【0-5-2-32】勝率0.0%/連対率12.8%/複勝率17.9%
若葉S【0-1-0-18】勝率0.0%/連対率5.3%/複勝率5.3%
※ホープフルSはGⅠ昇格以降
今年の出走馬で特徴的なのが、ホープフルSを経験した馬が多様なステップレースを経由して再び対戦することだ。路線ごとにどう取捨選択するべきかを考えたい。
まずはホープフルS(※GⅠ昇格後)からの直行が【2-0-0-3】。その勝ち馬、かつ皐月賞を1番人気で迎えた馬に限ると【2-0-0-1】。コントレイルとサートゥルナーリアが勝利し、レガレイラが6着に敗れた。
両者の違いは前走時の脚質。前者はどちらもホープフルSで先行して4角通過順位は2、4番手だった。一方のレガレイラは4角10番手からの差し切り。クロワデュノールのホープフルSは道中7番手だったが4角では3番手。前者に分類される。ケチをつけられない内容だ。
共同通信杯組は【5-0-4-12】と2年に1回は勝利している計算となる。東京の重賞でありながら中山芝2000mの皐月賞でも結果が出ており、出世レースの名に恥じない成績だ。ホープフルS大敗後ここを勝利したマスカレードボールは「中山が合わない」と言われているが、それが理由で嫌われるならあえて狙ってみるのもいいかもしれない。
この2組が好成績なのに対し、トライアル組は苦戦している。スプリングS組は【1-1-2-32】。馬券圏内に入ったのは20年のガロアクリーク(8番人気3着)が最後で、現在4年連続で凡走している。23年にはベラジオオペラが3番人気と票を集め10着に大敗した例もある。飛びつくのは避けたい。
弥生賞組は【0-5-2-32】。こちらは勝ち馬がいないが、21年から4年連続好走例がある。同コースということもあり、好走7頭全てが前走4着以内だった。人気が当てにならないのも特徴で、5番人気以内【0-2-1-9】に対し、7番人気以下も【0-3-1-20】と4頭が激走している。ファウストラーゼン、ヴィンセンシオ、アロヒアリイ、ミュージアムマイルのうち、あえて人気薄の馬を狙うのも面白そうだ。
若葉S組は【0-1-0-18】と低調。ただ、そもそも有力馬が集まりにくいのが原因であり、5番人気以内なら【0-1-0-1】。19年ヴェロックス4番人気2着と21年アドマイヤハダル3番人気4着(それも2着とはクビ+クビ差)で、人気馬は頑張っていると言える。ホープフルS2着の実績があるジョバンニをローテ面で減点する必要はないだろう。
まずは一冠、死角なし
◎クロワデュノール
3戦3勝の2歳王者。皐月賞トライアルの勝ち馬3頭を一度負かしている。脚質も先行タイプで安定しており不発が考えにくい。4か月ぶりのレースにはなるが、この直行ローテも近年は増えてきている上、この馬は東スポ杯でそれ以上の間隔を経験し、プラス24キロをものともしなかった。弱点が見つからず、まず一冠目は疑いないものと考える。
◯マスカレードボール
新潟の新馬戦は4角10番手からの差し切り勝ち。東京芝1800mで行われたアイビーS、共同通信杯はどちらも好内容で勝利と左回りでの能力は高く、ダービーならば◎との差はないように感じる。
今回は皐月賞。同コースのホープフルSで大敗しており、中山芝2000mが懸念材料なのは間違いない。ただ、後方から速い脚を使えず届かなかった不完全燃焼な負け方であり、先行して後退するよりは救いがある内容と言える。共同通信杯では9頭立ての3番手を追走できていた。同様の位置を取れれば、少ないながら逆転の目もあるのではないか。
▲エリキング
クロワデュノールと同じく3戦3勝。少頭数ではあったものの、ホープフルS2着のジョバンニに2勝しており、レベルは担保されている。骨折で休養明け、初の多頭数、関東輸送と懸念点を挙げればキリがないが、クロワデュノールと未対戦の馬の中で最も可能性があるのはこの馬だ。
以下ジョバンニ、ヴィンセンシオ、ミュージアムマイルまで印を回す。買い目は◎-5頭の馬連と、◎1着固定、相手5頭の馬単で勝負する。
▽皐月賞予想▽
◎クロワデュノール
◯マスカレードボール
▲エリキング
△ジョバンニ
×ヴィンセンシオ
×ミュージアムマイル
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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