【ダイヤモンドS】重いハンデでもヘデントールが中心 穴は「8枠」と「小型馬」に警戒せよ

SPAIA編集部

ダイヤモンドステークスのピックアップデータ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

2月東京名物のマラソン重賞

22日(土)に東京競馬場で行われるのはダイヤモンドステークス(GⅢ・芝3400m)。年に一度、このレースでのみ使用される芝3400mが舞台のマラソン重賞だ。

長らく「天皇賞(春)には繋がらない重賞」という評価に甘んじてきたが、昨年はテーオーロイヤルがこのレースから阪神大賞典、天皇賞(春)と3連勝を果たした。ダイヤモンドS勝ち馬が同年の天皇賞(春)を勝つのは1986年以降で初の出来事であった。

そのテーオーロイヤルの快進撃を受けてか、あるいは本番に近いステップレースを敬遠する風潮によるものか、今年は菊花賞2着馬ヘデントール、メルボルンC2着馬ワープスピードなど例年以上の好メンバーが出走を予定している。過去10年のデータを基に展望しよう。

1、2番人気信頼、重いハンデはむしろ「買い」

人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別成績から。ダイヤモンドSといえば2012年ケイアイドウソジン(15番人気)の逃げ切りや2020年ミライヘノツバサ(16番人気)の勝利など波乱のイメージを持つ方もいるだろうが、実際はそこまで頻繁に荒れているわけではない。1番人気【4-2-1-3】複勝率70.0%、2番人気【3-2-3-2】同80.0%と上位2頭が堅実だ。

6番人気以下は10年のうち9年で馬券に絡んでいるが、2頭以上同時に好走した年はない。言い換えると、ほとんどの年が人気馬2頭+伏兵1頭という決着パターンになっている。

枠順別成績,ⒸSPAIA


枠順別成績は特徴的。1~4枠が計1勝止まりで、5~8枠が9勝となっている。とりわけ8枠は【5-3-0-12】の複勝率40.0%、大外馬番【4-2-0-4】同60.0%と、外であればあるほどよい。シンガリ人気で勝ったミライヘノツバサも大外16番だった。ピンク帽は戦績不問で買い目に組み込んでおきたい。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別ではやはり4歳【3-2-2-15】複勝率31.8%がトップ。5歳【2-3-2-23】同23.3%、6歳【3-2-5-28】同26.3%、7歳以上【2-3-1-47】同11.3%で、高齢馬も一概に消しとは言えない。

なお6番人気以下では4、5歳馬が【0-1-0-21】と振るわず、6歳以上【2-3-3-63】複勝率11.3%、複回収率123%という成績になる。穴はほとんどベテランから出ている。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


次に前走クラス別。まず前走が条件戦だった馬は【1-1-3-21】複勝率19.2%で可もなく不可もなく。勝ったのは4歳時のテーオーロイヤルで、当時条件戦を3連勝中だった。格上挑戦馬が馬券に絡むこともあるが、積極的に狙うほどの好走率ではない。

OP・L組は【4-3-1-34】複勝率19.0%。大半が万葉S組【3-2-1-23】同20.7%であり、そこで0.6秒以上離されて負けた馬は【0-0-0-9】。4着ジャンカズマ以下いずれも減点対象となる。

GⅢ組は【1-1-0-10】同16.7%でサンプルも好走数も少なく、これといった傾向も見いだせない。

GⅡ組【3-2-6-33】複勝率25.0%は、想像通り(?)ステイヤーズSとのつながりが強い。前走ステイヤーズSで4着以内なら【2-2-3-4】複勝率63.6%のハイアベレージだ。どちらも関東圏の超長距離戦で、好走馬はある程度重なる。今年は2着シルブロン、3着ダンディズムがいる。

ヘデントールが該当する前走(JRAの)GⅠ組は【1-2-0-11】複勝率21.4%で、海外GⅠ組と合算しても【1-3-0-12】複勝率25.0%、複回収率38%と不安になる数字だ。ただ、そもそも「GⅠで3着以内→ダイヤモンドS」のローテをとった馬はこの10年で1頭もいなかった。GⅠで結果を出してきたヘデントール、ワープスピードは過去の例と同列に扱えない。

その他データ,ⒸSPAIA


最後にそのほか気になったデータを2点紹介する。

まず斤量について。58kg以上のハンデを課された馬が【4-1-0-1】とほぼ崩れていない。実績、能力面で最上位クラスの馬は素直に買うのが賢明だ。

また、長距離戦らしく「馬体重460kg未満」の小型馬が【4-4-0-16】複勝率33.3%と比較的好成績で、さらに5歳以下なら【3-4-0-3】同70.0%にアップする。今年はマイネルケレリウス(5歳、前走428kg)が面白い。

GⅠ連対馬にステイヤーズS組を絡めて

「1、2番人気が堅実」「外枠有利」「ステイヤーズS4着以内馬が好成績」「斤量58kg以上は買い」「小型馬に要警戒」などのデータを踏まえた上で、登録馬について具体的に見ていく。

まずはヘデントール。昨夏に3勝クラスの日本海Sを後半1000m57.5秒、ラスト3Fを11.7-11.3-11.1の加速ラップで圧勝した。続く菊花賞でも2着に入った。当時の4着ショウナンラプンタ、6着ダノンデサイル、14着コスモキュランダがその後古馬GⅡで好走したことを思えば、この馬も能力上位だ。おそらくハンデが見込まれ斤量58kg以上になるだろうが、データで示した通り、斤量で嫌う必要は全くない。

好データの「ステイヤーズS上位馬」からはシルブロンに注目した。前走は1000m通過64.3秒、次の1000m64.7秒に対し、上がりの1000mが58.9秒というスローペース。外を回ってハナ差2着まで追い込んだ内容は濃く、5連続5着以下からの完全復調を感じるものだった。

同3着ダンディズムもデータ的にはいいが、こちらは上がりがかかってほしいタイプ。3400m戦とはいえ、東京へのコース替わりは歓迎と言えない。

GⅡ・2勝で「斤量58kg以上」がほぼ確実なシュトルーヴェは、近3走(宝塚記念→ジャパンC→有馬記念)に比べると劇的な相手緩和となる。距離さえこなせばあっさり勝っても不思議ない。あとは馬体重のデータで挙げたマイネルケレリウス。そして、枠順が確定したら8枠を引いた馬もマークしておこう。

ダイヤモンドSデータ,ⒸSPAIA


《関連記事》
【競馬】「長距離戦」騎手リーディング 1位はルメール騎手、6位は馬券貢献度で他を圧倒
現4歳世代は「イクイノックス世代」に匹敵! ダービー組は芝の上級条件で単複回収率100%超
【競馬】芝ではキタサンブラック産駒、ルメール騎手が圧倒 東大HCが東京巧者を徹底検証