【きさらぎ賞】好条件すべてに該当ランスオブカオス マイナスデータ一切なしで視界良好

門田光生

きさらぎ賞の前走着順別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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キャリアの浅い馬が狙い目

9日(日)、京都競馬場で行われる第65回きさらぎ賞。2015年ルージュバック(毎日王冠、オールカマー)、2016年サトノダイヤモンド(菊花賞、有馬記念)など、勝ち馬には豪華な面々が顔を並べるが、近5年はのちに重賞を勝った馬が出ておらず、うち2頭はきさらぎ賞以降、勝ち星すらない。

時期的にも、トライアルと比べてクラシックにつながりづらいレースではあるが、本賞金を加えて、余裕を持って本番を迎えたいというのは、どの陣営も同じはずだ。

そんなきさらぎ賞にはどんな傾向があるのか、過去10年の成績を基にして調べていきたい(※中京2000mで行われた2021~23年のデータも含む)。

☆所属
連対馬20頭中、18頭が栗東所属馬。美浦所属は勝ち馬1頭(2015年ルージュバック)、2着馬1頭(2018年グローリーヴェイズ)だけ。勝率や連対率も栗東所属馬が上となっている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牝馬の出走は5頭だけ。2015年にルージュバックが勝っているが、そのほかはすべて着外だった。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
馬券に絡んでいるのは、キャリア5戦まで。勝率は10%前後で似たり寄ったりだが、連対率では2戦(連対率27.3%)、3戦(同29.2%)が目立っている。中でも、3戦の馬は複勝率が45%超えと、馬券に絡む確率が高い。一方、キャリア6戦以上では連対馬が出ていない。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラス
前走がOP/L、GⅡを走っていた馬からは勝ち馬が出ておらず、未勝利戦組からは連対馬が出ていない。ただし、前走GⅡ組はサンプルが3頭と少ないので、参考記録とする。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆出走馬の主な前走
きさらぎ賞は近10年の平均出走頭数が10頭に満たないので、サンプルが少なく、母数が10頭以上の特別レースはない。そのため参考記録となってしまうが、その中ではシンザン記念【1-1-0-1】連対率66.7%が秀逸だ。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走1着馬が6勝、2着4回。連対馬の半分を占めている。勝率は15.4%と文句なしでトップだ。ただ、連対率では前走3着馬が41.7%と高い数字を記録している。また、前走10着以下(前走競走中止を含む)から連対馬は出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
注目は、前走で2番人気に支持されていた馬。20頭とサンプルが多いにも関わらず、【4-4-4-8】連対率40%、複勝率60%と驚異的な成績を記録している。ほか、前走9番人気に支持されていた馬も、【3-0-0-4】勝率、連対率は42.9%もある。

前走3~8番人気、そして10番人気以下からは勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走距離
ここでは京都開催時の7回のデータをみる(中京開催時は距離が異なるため)。前走が2000m戦だった馬が4勝。勝率も19.0%でトップ。連対率では前走1600m組が28.6%と高く、2000m組の同23.8%を上回っている。一方、きさらぎ賞と同じ距離である1800m組からは勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆その他
改めて過去10年データで気になったデータをピックアップする。前走1秒以上の差で負けた馬からは勝ち馬が出ていない。また、中2週以内で挑んだ馬からは連対馬がいない。

その他のデータ,ⒸSPAIA


データでは完璧

きさらぎ賞のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「栗東所属馬」
B「キャリア2、3戦」
C「前走1、3着馬」
D「前走2、9番人気」
E「前走距離1600、2000m」

【勝ち馬なし】
F「前走GⅡ、OP/L」
G「前走3~8番人気、10番人気以下」
H「前走1800m」
I「前走1秒以上の負け」

【連対馬なし】
J「キャリア6戦以上」
K「前走未勝利戦」
L「前走10着以下」
M「中2週以内」

5つあるプラスデータをすべて満たしているのは、ミニトランザット、ランスオブカオス、リンクスティップの3頭。このうち、ミニトランザットは連対データのないM「中2週以内」に、リンクスティップはK「前走が未勝利戦」に該当するので除外する。

よって、残ったランスオブカオスに◎をつけたい。今回のメンバー中、マイナスデータがないのはこの馬だけ。プラスデータをすべて満たして、マイナスデータなし。久しぶりに完璧なデータ合致馬が出現した。

相手候補を探す前に、プラスデータを連対率順に整理する。

上から、D(前走9番人気)>C(前走3着)>D(前走2番人気)>B(キャリア3戦)>E(前走1600m)>B(キャリア2戦)>C(前走1着馬)>E(前走2000m)>A(栗東所属馬)の順番になる。

上記◎以外は何かしらのマイナスデータを持っている。うち、「連対なし」データに該当するのは、サウンドバッハ、ショウヘイ、ヒルノハンブルク、ミニトランザット、リンクスティップの5頭。それ以外は「勝ち馬なし」データに該当している。今回は◎が頭で堅そうなデータとなっているので、「勝ち馬なし」データは気にせず進める。

まず、◎に続くプラスデータを4つ持つスリーキングス(ABDE)が相手筆頭でいいだろう。続いて、プラスデータを3つ持つのは、ウォーターガーベラ(ACE)、ムーンライトラガー(ACE)の2頭となる。

3番手は、連対率が2番目にいいC(前走3着)を持つウォーターガーベラにする。3頭中2頭が連対している前走シンザン記念組というのも魅力だ。一方のムーンライトラガーが該当するプラスデータは、連対率が下位の3つとやや弱く、4番手とする。

◎ランスオブカオス
◯スリーキングス
▲ウォーターガーベラ
△ムーンライトラガー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
今週の姫路は、最低気温が氷点下になるそうです。といっても、現時点ですでにフル装備なので、これ以上の厚着は無理かも。とにかく、風邪を引かないことを目標に行ってきます。

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