【注目2歳馬】雨の新馬戦をキズナ産駒サトノシャイニングがV 馬場も苦にせず上がり33.7の瞬発力を見せる

三木俊幸

キズナ産駒サトノシャイニング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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雨が降るなか上がり最速の33.7を記録

土日ともに中京競馬場で撮影した先週末は、計4レースの新馬戦が組まれていた。その中から今回は、9月22日(日)の中京5R芝2000m戦を制したキズナ産駒サトノシャイニングにスポットを当てたい。

朝8時の発表では降水量0.0mmながら、宿泊先のホテルを出発すると地面には雨が降った形跡が残っていた。しかし競馬場に近付くにつれ晴れ間も見えていたため「このまま降らないでいてくれ」と思っていたが、願いも虚しく予報どおり4Rに降り始め、昼休みには一時的に強い雨に見舞われた。その後は一旦、雨は止んだがレース発走5分前から強風とともに再び雨粒が落ち始めると、黒い雨雲は4角方向にも広がり、暗い空の下でゲート入りが始まった。

レースはスタンド前スタートから2角の600m地点を通過するまで13.3-12.1-14.0(39.4)とかなりのスローペースで流れた。そのためスタート直後はやや頭を上げる場面もあったが、すんなり3番手の外目をキープ。向正面に差しかかるタイミングで遅いペースを嫌ったタイセイリコルドが動き、単独先頭に立つと同時に雨脚も一気に強まり、大きく流れが動いた。

サトノシャイニングの手綱を執った松山弘平騎手は、そのまま3番手外から終始揉まれないポジションをキープした。直線は傷みの目立つ内を避けた進路を選択。しぶとく粘るタイセイリコルドを残り50mで捉えると、後続に1馬身半差をつけ勝ちタイム2:04.3でゴールした。

勝ちタイムは超スローペースだったこともあり遅い決着だったが、ラストは11.8-11.1-11.3(34.2)。雨の影響で重くなり始めた馬場で上がり最速の33.7を記録した。ピッチ走法気味のフォームも馬場とマッチしていたが、この瞬発力は評価できる。コーナー4つの2000mも合っていたのだろう。

また1番人気で2着に敗れたミラージュナイトは、ゆったりしたスタートから5番手を追走。4角から直線に向いたところで反応の鈍さもあったものの、最後はよく伸びタイセイリコルドを交わした。

ミラージュナイトの母は現役時代にエリザベス女王杯を制したラキシスで、成長曲線が緩やかな晩成タイプの血統。フットワークの大きい走りをしていたことからも、水分を含んだ馬場で初戦からこの走りができていれば今後に期待が持てそうだ。

キズナ産駒サトノシャイニング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ラスト11.9-11.9の流れを好位から楽勝

同日4Rはダート1400m新馬戦(牝馬限定)が組まれており、関東から狙いを定めて出走してきたナダル産駒のプロミストジーンが勝利した。

ダート1400m新馬戦(牝馬限定)を勝ったナダル産駒プロミストジーン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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スタートは出遅れたが12.5-11.8-13.0-13.2とペースがかなり落ち着いたことで、勝負所では4番手の外まで楽にポジションを押し上げた。抜群の手応えのまま直線に向くと、川田将雅騎手が軽く仕掛けただけで楽に先頭へ。最後まで余裕十分で後続に1馬身半差をつけた。それでいながらラストは11.9-11.9でまとめ、ここでは力が違ったというレースぶりで高い能力を秘めていそうだ。

エリキングが着差以上の勝ち方で2勝目

21日(土)中京8Rの野路菊Sは、6月の新馬戦を勝ったときに注目2歳馬として取り上げたエリキングが勝利。前走から馬体重を14kg増やし498kgで出走。今回もスタートが遅く、序盤は若さを見せる場面もありながら、最後はジョバンニの追い上げを凌ぎ切った。同馬は小倉芝1800mの新馬戦を先行し、早め先頭からラスト11.6-11.2と加速ラップで勝利した素質馬だ。

今回は5頭立てで1000m通過1:04.1とスローペース。勝ちタイム2:02.8は遅いものの、半馬身差という着差以上に余裕があった。勝ったエリキングはさらに上でも戦える素質を改めて見せた内容だったと言える。

野路菊Sを制したエリキング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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