【訂正・東京新聞杯】勢いが実績を凌駕する GⅠ、GⅡ勝ちの実績馬が崩れる条件は
逆瀬川龍之介

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前走3勝クラス勝ち馬が好走
東京の芝1600mという”王道コース”が舞台であるにもかかわらず、東京新聞杯は「実績」よりも「勢い」がモノをいうレースだ。
05年以降の近20回を振り返ってみよう。まずは「勢い」のある組として、前走で3勝クラスを勝っていた馬をチェックしたい。該当19頭で【5-1-1-12】の勝率26.3%、複勝率36.8%となっており、近5回に限っても3頭が好走している。
<前走3勝クラス勝ち馬の東京新聞杯好走馬>※近5年
2020年 シャドウディーヴァ(6番人気2着、19年常総S1着)
2021年 カラテ(5番人気1着、21年若潮S1着)
2022年 イルーシヴパンサー(4番人気1着、21年ノベンバーS1着)
そして2勝クラスと3勝クラスを連勝中の馬は、特に注目が必要。該当7頭のうち、15年のヴァンセンヌ、19年のインディチャンプ、21年のカラテ、22年のイルーシヴパンサーと4頭が勝利しているのだ。
一方で「実績」のある組はどうか。分かりやすくJRAのGⅠ or GⅡ勝ち馬という括りで見ると、同じく近20回の該当53頭で【4-3-4-42】の勝率7.5%、複勝率20.8%と3勝クラス勝ち馬と比べて低い。中でも単勝5倍未満だった8頭に限ると【0-1-1-6】の勝率0.0%、複勝率25.0%と人気馬はとりわけ低調だ。
昨年、単勝1.9倍の圧倒的1番人気に推されたマスクトディーヴァが6着に沈んだのは記憶に新しい。
もちろん、この苦戦は決して偶然ではない。先に目標がある実績馬にとって、東京新聞杯は”叩き台”であるケースが多く、足元をすくわれやすいのだ。付け加えるなら、上記8頭のうち、馬券圏外に沈んだ6頭の次走成績は【3-1-1-1】。概ね巻き返しに成功しているのは面白い事実といえる。
「勢い」のある2頭に注目、“絶対に買い”の本命馬も
今年のメンバーを見てみよう。登録があった17頭のうち、JRAのGⅠ or GⅡを制しているのはコラソンビート、ジオグリフ、シャンパンカラー、ジュンブロッサム、ブレイディヴェーグ、マテンロウスカイの6頭。中でもジュンブロッサムとブレイディヴェーグは有力視されているが、データ的には危険な人気馬と言っていい。
一方、前走で3勝クラスを勝っての参戦となるのはオールナット、ゴートゥファーストの2頭。特に2勝クラスと3勝クラスを連勝中のオールナットは“絶対に買い”だ。
馬券はオールナットの単勝が本線。馬連はオールナットからウォーターリヒト、オフトレイル、ゴートゥファースト、サクラトゥジュール、セオ、ボンドガール、ロジリオンの8点。人気馬が崩れての波乱を期待したい。
【訂正】
マスクトディーヴァを東京新聞杯で引退。と記載していました。
正しくは、府中牝馬Sで引退。です。該当箇所を削除しました。
(訂正時間2月6日8:32)
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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