【菊花賞】神戸新聞杯組は15年で12回連対 割引データなしのメイショウタバルが中心
門田光生
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好走率の高い神戸新聞杯組
2024年10月20日に京都競馬場で行われる第85回菊花賞。天皇賞(春)もそうだが、2周目の下り坂から直線にかけての攻防は、ある意味直線の追い比べより迫力がある。
菊花賞にはどのような傾向があるのか。今回もGⅠということで、過去15年の成績を基にして検証していきたい。なお、2021~22年は阪神開催だった。
☆所属
美浦所属馬は4勝、栗東所属馬は11勝で、勝率はほぼ同じ。連対率と複勝率では栗東所属馬がリード。ただし近5年では、連対馬は東西で5頭ずつ、勝率、連対率、複勝率は美浦所属馬がすべて上回っている。
☆キャリア
勝ち馬が出ているのは、最少でキャリア3戦、最多は10戦。キャリア3~10戦の間で、勝ち馬が出ていないのはキャリア4戦だけだ。
最も勝ち馬が出ているのはキャリア6戦の4頭。キャリア6戦は勝率、連対率、複勝率の3部門でも上位となっている。
☆前走クラスと主な前走
連対馬30頭中、24頭がトライアルの神戸新聞杯か、セントライト記念組。近年は「GⅠからGⅠへ」というローテーションが主流となっているが、菊花賞ではその法則が当てはまらない。ダービーからの直行組は3頭しかおらず、2023年のタスティエーラが2着、ほか2頭は着外だった。
トライアルである神戸新聞杯とセントライト記念を比較すると、すべての面で神戸新聞杯組が上回っている。しかも神戸新聞杯組からはこの15回のうち12回で連対馬が出ていた。確率的に同組は外せない。
条件戦組では、2勝クラスから勝ち馬1頭、2着馬も1頭出ている。勝率1%台、連対率3%台と物足りないが、3着馬は6頭出ており、3連系馬券の的中を狙うなら、一考の余地ありだ。
☆前走着順
前走1着の馬が8勝。同2、3着もそれぞれ9、8連対と結果を出している。これが同4着以下になると、勝率は1%を切り、連対率も1%台と低迷している。
☆前走人気
前走で1番人気に支持されていた馬が9勝と結果を出している。一方、前走が2番人気以下かつ美浦所属馬だと、【0-2-0-54】となり、好走確率がガクッと下がってしまう。
☆前走着差
前走を0.6秒以上の差で負けた馬は104頭いたが、勝率1%台、連対率3%台と、あまり結果が出ていない。
☆前走馬体重
美浦所属で、前走馬体重が480kg以上だった馬は38頭。そのなかから連対馬は出ていない。
前走着順を重視してメイショウタバルを本命に
菊花賞のデータをまとめる。
【好走率アップ】
A「キャリア6戦」
B「前走が神戸新聞杯」
C「前走1番人気」
【好走率ダウン】
D「前走が2勝クラス」
E「前走4着以下」
F「前走が0.6秒以上の負け」
【勝ち馬なし】
G「キャリア4戦」
H「美浦所属馬で、前走2番人気以下」
【連対馬なし】
I「美浦所属馬で、前走馬体重が480kg以上」
今回、プラスデータを3つ持っている馬はいない。2つ持っているのはアドマイヤテラ(AC)、シュバルツクーゲル(AC)、ヘデントール(AC)、メリオーレム(BC)の4頭だが、それぞれマイナスデータを抱えている。
特に、I「美浦所属馬で、前走馬体重が480kg以上」は連対馬が出ていないデータなので、該当するシュバルツクーゲルとヘデントールの2頭は消しだ。残ったアドマイヤテラとメリオーレムも、それぞれ連対率の低いデータを抱えており、本命にしづらいため一旦保留にする。
そこで、プラスデータ1つ、マイナスデータなしの馬を探してみる。該当するのが、神戸新聞杯3着のショウナンラプンタと、同1着のメイショウタバル。神戸新聞杯の1着馬は過去15年で5勝、2着1回。同レース3着馬は3勝、2着2回と、わずかながら1着馬の方が結果を出している。よって、◎メイショウタバル、◯ショウナンラプンタの順とする。
保留にしたアドマイヤテラとメリオーレムは、プラスデータが2つあるため押さえておく。マイナスデータが少ないアドマイヤテラ(D)が3番手、メリオーレム(EF)が4番手だ。
ほか、気になるのはダービー馬ダノンデサイル。プラスデータはないが、マイナスデータもない。ダービーから直行して連対したのは昨年のタスティエーラだけだが、そもそもサンプルが3頭しかおらず、直行が主流の現代競馬だけに、これからトレンドとなるかもしれない。(データ的に)先物買いの意味も込めて押さえる。
最後にハヤテノフクノスケ。プラスデータC「前走1番人気」、マイナスデータD「前走が2勝クラス」に該当している。この「D」は、連対率こそ低いが複勝率は悪くなく、3連系の馬券で考えればマイナスとはならない。3連系のヒモ穴として押さえておきたい。
◎メイショウタバル
◯ショウナンラプンタ
▲アドマイヤテラ
△メリオーレム
×ダノンデサイル
×ハヤテノフクノスケ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
競馬以外で秋の淀の楽しみといえば、各地から名店が集まる「関西ラーメンダービー」。しかし、今年はすでに中止が決定しているのだとか。ショック。
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