毎日王冠は東京芝1600&1800mの勝利実績か「未経験」がミソ 本命はエルトンバローズ

逆瀬川龍之介

毎日王冠3着以内馬の東京芝1600~1800m成績(近5年),ⒸSPAIA

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東京芝での実績がポイントに

毎日王冠は東京芝1800m、それも秋開催の開幕週が舞台となる一戦だ。加えて近年は頭数が落ち着くことが多く、ゆったりとした流れからの高速上がり勝負になりやすい。実際、近10年の前後半3Fを比べると、前傾ラップだったのは20年の1回のみだ。

中山、あるいは夏の小回りでの持久力勝負の実績はアテにならない。求められるものは至ってシンプル、東京芝での実績だ。

毎日王冠1~3着馬の東京芝1600~1800m成績,ⒸSPAIA


<毎日王冠1~3着馬の東京芝1600~1800m成績>
以下、着順、馬名、東京芝1600~1800m成績、東京芝1600~1800m重賞成績、の順
2019年
1着 ダノンキングリー 【2-0-0-0】、【1-0-0-1】
2着 アエロリット 【2-3-0-2】、【2-3-0-2】
3着 インディチャンプ 【2-0-0-0】、【1-0-0-0】
2020年
1着 サリオス 【2-0-0-0】、【1-0-0-0】
2着 ダイワキャグニー 【6-0-1-4】、【1-0-1-3】
3着 サンレイポケット 未経験、未経験
2021年
1着 シュネルマイスター 【1-0-1-0】、【1-0-1-0】
2着 ダノンキングリー 【4-0-0-1】、【3-0-0-1】
3着 ポタジェ 未経験、未経験
2022年
1着 サリオス 【3-0-1-1】、【2-0-1-1】
2着 ジャスティンカフェ 【1-0-1-1】、【0-0-0-1】
3着 ダノンザキッド 【1-0-0-2】、【1-0-0-2】
2023年
1着 エルトンバローズ 未経験、未経験
2着 ソングライン 【5-1-0-1】、【4-1-0-1】
3着 シュネルマイスター 【2-1-2-0】、【2-1-2-0】

近5年の毎日王冠で3着以内だった15頭について、東京芝1600~1800mの成績と重賞勝ちを一覧にすると、驚くべきことに出走経験があった12頭全てに勝利実績あり。さらに11頭に重賞勝ちの実績があったのだ。逆にいえば、出走経験がありながら未勝利の馬は大幅な割引が必要。それなら東京初参戦の馬を狙う方がまだいい。

では今年のメンバーを見てみよう。

毎日王冠登録馬の東京芝1600~1800mの成績,ⒸSPAIA


<毎日王冠登録馬の東京芝1600~1800mの成績>
以下、馬名、東京芝1600~1800m成績、東京芝1600~1800m重賞成績、の順
エアファンディタ 【0-0-0-3】、【0-0-0-1】
エルトンバローズ 【1-0-0-1】、【1-0-0-1】
オフトレイル 未経験、未経験
カラテ 【2-0-1-6】、【1-0-1-2】
シックスペンス 未経験、未経験
シルトホルン 【2-1-2-2】、【0-0-1-1】
ダノンエアズロック 【2-0-0-0】、未経験
トップナイフ 未経験、未経験
ニシノスーベニア 【0-2-1-1】、【0-1-0-0】
ノースザワールド 【0-1-0-5】、【0-0-0-2】
ホウオウビスケッツ 【0-0-1-0】、【0-0-1-0】
マテンロウスカイ 【0-1-1-1】、【0-0-1-1】
ヤマニンサルバム 【0-0-0-1】、【0-0-0-1】
ヨーホーレイク 未経験、未経験
ローシャムパーク 【2-0-0-0】、未経験

登録15頭のうち、東京芝1600~1800mに出走経験があったのは11頭。そのうち勝利実績があったのはエルトンバローズ、カラテ、シルトホルン、ダノンエアズロック、ローシャムパークの5頭だ。

5頭のうち最も高評価できるのは、昨年の覇者エルトンバローズ。次点で、ともに2戦2勝のダノンエアズロックとローシャムパーク。近走内容が物足りないカラテ、重賞でワンパンチ不足のシルトホルンは押さえまでの評価としたい。

一方の〝未経験組〟は速い上がりを使えるかどうかが重要。昨年のエルトンバローズもクリアしていた「上がり3F33秒台をマークしての勝利経験」でふるいにかけて、オフトレイルとシックスペンスをピックアップする。

最後に買い目を挙げる。まずは88~89年のオグリキャップ以来となる連覇を期待して、エルトンバローズの単勝を買う。馬連はエルトンバローズからダノンエアズロック、ローシャムパークを厚めに、オフトレイルとシックスペンスまでの4点。3連複はフォーメーションで1列目にエルトンバローズ、2列目にダノンエアズロックとローシャムパーク、3列目に上記2頭とオフトレイル、シックスペンス、カラテ、シルトホルンを加えた9点で勝負だ。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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