【セントライト記念】ヤマニンアドホックとエコロレイズは消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のセントライト記念『キャリア7戦以上』かつ『前走2200m以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週のセントウルSは、本命の1頭に推したアネゴハダが17番人気ながら4着に好走。もし内ラチ沿いをロスなく走れていれば、3着があってもおかしくない惜しい内容だった。2着ママコチャとのワイドも買っていただけに悔やんでも悔やみきれない一戦となった。

今週予想するのは、16日に中山で開催されるセントライト記念。近年はここをステップに菊花賞で好走する馬も多い。今年も好メンバーが集結した。

2014年は新潟芝2200mで行われたが、その一戦も含めた過去10年のデータを対象とする。いつも通り、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『関東馬』×『母父SS系(ディープインパクト系除く)』★0.0%★

まず取り上げるのは、過去10年で【6-7-6-74】(複勝率20.4%)の関東馬。複勝率は21.2%の関西馬とそん色ないが、母父サンデーサイレンス系(ディープインパクト系除く)の馬だと【0-0-0-21】(同0.0%)。1頭も馬券に絡んでいない。

今年このデータに当てはまったのは、ヤマニンアドホックとルカランフィーストの2頭。2頭とも重賞で3着に好走した実績を持つが、今回はメンバーレベルも高く、3着内は厳しいとみる。

【今年の該当馬】
・ヤマニンアドホック
・ルカランフィースト

『キャリア7戦以上』×『前走2200m以下』★2.0%★

続いてはキャリアに注目。本レースまでに7戦以上走っていた馬は過去10年で【3-4-1-71】(複勝率10.1%)とイマイチだ。

8頭が馬券に絡んでいるが、そのうち7頭は前走2400m以上という共通点があった。反対に前走2200m以下だった馬は【0-1-0-48】(同2.0%)と大苦戦している。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。このうちエコロレイズは中山で6戦して全て4着以内と安定しているが、今回は消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・エコロレイズ
・タガノデュード
・タンゴバイラリン
・パンジャ

『今回乗り替わり』×『前走で人気を上回る着順』★4.5%★

3つ目は今回乗り替わりの馬をピックアップする。過去10年の成績は【4-4-2-53】(複勝率15.9%)。複勝率は継続騎乗だった馬の23.8%に劣る。

特に前走で人気を上回る着順に好走した馬は【0-0-1-21】(同4.5%)と連対すらなかった。ちなみに唯一馬券に絡んだのは、2015年に10番人気で3着に入ったジュンツバサだった。

月曜時点の想定騎手を見ると、今年は以下の3頭が当てはまる(タガノデュードも騎手次第で該当する可能性はあるが、前項で消去しているためこの項では省略とする)。3頭中2頭はすでに消去済み。新たにサルヴェージワークを消去する。

【今年の該当馬】
・サルヴェージワーク
・(タンゴバイラリン)
・(ルカランフィースト)

『今回斤量増』×『前走初角8番手以下』★4.8%★

続いて前走からの斤量増減に注目する。前走から斤量が増えていた馬は過去10年で【3-3-2-80】(複勝率9.1%)でこれだけで消去対象になる。しかし、ハイブリッド式消去法では、もう一つのデータを掛け合わせる。

今回は前走時の初角通過順が8番手以下だった馬。このデータに当てはまった馬の成績は【1-0-0-20】(同4.8%)。唯一の好走例は、17年に2番人気で優勝したミッキースワローだった。

今年はログラールだけがこの条件に当てはまった。母が重賞3勝のディアデラマドレという良血馬だが、その血が開花するのはまだ先とみる。

【今年の該当馬】
・ログラール

『前走ローカル』×『今回馬体重459kg以下』★0.0%★

4つの条件を終えて、登録馬14頭のうち8頭を消去した。5つ目のデータでさらに絞り込みを図りたい。

最後は前走がローカルだった馬を取り上げる。過去10年の成績は【5-3-1-73】(複勝率11.0%)といまひとつ。特に本レース当日の馬体重が459kg以下だった馬は17頭すべてが馬券圏外に敗れている。

残っている6頭のうち、前走ローカルだった馬はスティンガーグラスだけ。もし当日の馬体重が459kg以下なら消しとする。

【今年の該当候補】
・スティンガーグラス

全ての条件を終えて確実に残るのは、アーバンシック、アスクカムオンモア、アスクハッピーモア、エコロヴァルツ、コスモキュランダの5頭だ。

この中から1頭だけ軸を選ぶとすれば、中山実績があるコスモキュランダだろう。ただし、アーバンシックとアスクカムオンモアの2頭とは大きな力差はないとみる。

買い目はコスモキュランダを1列目に置いた三連複フォーメーションで、2列目にアーバンシックとアスクカムオンモア、3列目に消去を免れた全頭を置く。比較的上位人気が予想される馬が残ったため、今週は三連複のみで勝負したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

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