【CBC賞】収得賞金から陣営の本気度をチェック 京大競馬研の本命は負けられないアグリ

京都大学競馬研究会

スプリンターズS出走が見込まれる収得賞金1億円未満の主なGⅠ未勝利

ⒸSPAIA

今回は電卓との勝負 現状は実績馬もGⅠに出走できず

8月18日(日)に中京競馬場でCBC賞(GⅢ)が行われる。昨年の阪急杯勝ち馬アグリが実績上位だが、他にも芝で連勝中のキタノエクスプレスやレッドヒルシューズ、京王杯SC3着のスズハロームなど18頭が集まった。

夏のハンデ戦らしく実績馬が少なくアグリが人気を集めそうだ。重賞では通用の気配がない馬も多く、力の抜けているアグリ本命で問題ないと考えている。今回は収得賞金の観点から同馬がここで好走しないといけない理由を述べたい。

古馬GⅠの出走馬決定賞金は「過去の収得賞金」「直近1年の収得賞金」「直近2年のGⅠでの収得賞金」この3つの和で決まる。1年間頑張った馬やGⅠ実績のある馬を優先的に出走させる狙いだ。

アグリと収得賞金が近い主な現役の短距離馬,ⒸSPAIA


収得賞金の計算を行うと、アグリが今年のスプリンターズS(以下SS)に出走する場合の出走馬決定賞金は、収得賞金6550万円にシルクロードS2着の800万円を加算して7350万円である。

例年であれば問題ない金額だが、今年は事情が違う。香港馬が2頭出走表明しており、枠が少ないのだ。外国調教馬は優先的に出走できるため、2頭とも来日した場合、賞金順での出走枠はフルゲート16頭から外国馬2頭、キーンランドC、セントウルS1着馬に与えられる優先権を除くと12しか残らない。

このことを踏まえた上で、短距離を中心に使っている現役馬についてSSの出走馬決定賞金を考えると、収得賞金1億円を超える馬が8頭(ウインカーネリアン、ウイングレイテスト、ウインマーベル、オオバンブルマイ、トウシンマカオ、ナムラクレア、マッドクール、ママコチャ)、9000万円台が4頭(ダノンスコーピオン、モズメイメイ、ピューロマジック、サトノレーヴ)いた。全馬がSSに出走表明すると枠が埋まってしまう。当レースに特別登録したピューロマジックが回避した理由も、ハンデの重さ以上に「出なくても賞金的に問題ない」と判断したことが大きいと考えられる。

この下にアサカラキング8500万と続いており、アグリは今回で賞金を加算しないと高い確率で除外となってしまう。優先権付きだが相手が強いキーンランドC、セントウルSではなく、ハンデは重いが相手関係に恵まれたここで何とかしたい。という陣営の思いをくみ取って今回は本命を打つ。以下の印もここを勝利することでSSへの出走が近づく実績馬を中心に打った。

勝ちきってGⅠ出走を確定させたい

◎アグリ
昨年の阪急杯勝ち馬。GⅠでは展開が向かず結果が出ていないが、国内のGⅡ以下ではきっちり好走しており実績上位だ。古馬の重賞、OP勝ち馬が他に4頭しかおらず相手は手薄だ。先述したように現状の賞金ではスプリンターズS出走が怪しい。これだけの実績馬が他馬次第になるわけにはいかない。今回は休み明けなど不安材料はあるが、多少展開が向かずとも貫禄を見せて欲しいところだ。

◯ジャスティンスカイ
今年の鞍馬SでOP・2勝目を挙げた。その鞍馬Sの2、3着馬は次走以降にOPを制しており、レベルの高かった一戦といえる。重い印を打った函館SSは謎の大敗を喫したが、OPで力不足の馬が多い今回であれば、力を出し切れば当然上位に入ってくるだろう。現在の当馬のGⅠ出走馬決定賞金は、収得賞金5000万円に直近1年の1200万を追加して6200万円。勝てば4100万円を加算して1億を突破。GⅠ出走ラインをクリアするため、本気の仕上げで臨むと考えた。

▲キタノエクスプレス
6歳馬だが芝に変わって5戦全連対と非常に好調。速い時計にも対応しており良馬場であればOPでも通用しそうだ。この馬の出走馬決定賞金は収得賞金2400万に直近1年の1500万を追加して3900万円。勝てば4100万円を加算してアグリを抜き、GⅠ出走が視野に入る。勢いと陣営の仕上げを信じて上位評価とした。

△カリボール
前走でOP初勝利。8歳で上積みは見込めないが、近2走で違う馬場に対応した点を評価したい。毎回真面目に走るため、相手に恵まれたここでなら上位進出があってもいい。

×バースクライ
前走は休み明けで仕上がりきっていなかった。オーシャンS3着と重賞でも差のない競馬が出来ているため、叩いて前進に期待したい。

馬券はアグリとジャスティンスカイの単勝、アグリから馬連流し4点で勝負する。自分が過去に重い印を打った馬がGⅠに出走するとそれだけで嬉しくなる。多くの馬がGⅠの舞台に立つ夢を叶えてほしいものだ。(文:福山)

▽CBC賞予想印▽
◎アグリ
◯ジャスティンスカイ
▲キタノエクスプレス
△カリボール
×バースクライ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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