【注目2歳馬】好フットワークで4馬身差の快勝 デクラレーションオブウォー産駒セナマリン

三木俊幸

8月10日の新潟6R・新馬戦を勝利したセナマリン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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大型馬もフットワークの良さが目立つ

8月2週目の開催となった先週末は、中京芝2000mの新馬戦でブラックタイド産駒の牝馬カムニャックがラスト10.9-10.9を叩き出す高いパフォーマンスで、3馬身半差で快勝した。そのインパクトには及ばないが、新潟でも今後が楽しみになる牝馬が勝ち上がった。

まず取り上げるのは、10日(土)新潟6Rの芝1400m新馬戦(牝馬限定)に出走したデクラレーションオブウォー産駒のセナマリン。母ユアスイスイは現在名義変更されているが、セナマリンと同じ勝負服で現役時代にJRAの芝短距離で3勝をあげている。その2番仔の本馬は馬体重502kgと牝馬ながら雄大な馬体の持ち主。単勝1.7倍の1番人気に支持され、ゲートが開くと好スタートを切った。

鞍上の戸崎圭太騎手は外枠の馬たちの動きを気にしつつも、道中は4番手のインをキープ。前半600mは34.7というペースで流れた。4角で内から2番手までポジションを押し上げて直線に向くと、馬なりのまま逃げていたラトルシェに並びかけ、残り200m標識の手前で先頭へ。そこから戸崎騎手の手は軽く動いたものの、一度もステッキが入ることなく、最後まで余裕十分の走りで4馬身差の快勝だった。

8月10日の新潟6R・新馬戦を勝利したセナマリンの口取り式,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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勝ちタイム1:22.3は目立つものではなかったが、ここでは力が違った印象。まだまだ馬体の緩さも感じるが、フットワークとレースセンスの良さも光った。距離は1600mでも問題なさそうだが、ファンタジーS、京王杯2歳S、ファルコンS、フィリーズレビューと1400mの世代重賞も多いだけに、そういった舞台を狙える馬へと順調に育ってくれることを期待する。

8月10日の新潟6R・新馬戦を勝利したセナマリン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

2番手追走から5馬身差の快勝

同日の新潟1Rには芝1800mの2歳未勝利戦が組まれており、単勝1.1倍の支持を集めたサートゥルナーリア産駒クライスレリアーナが勝利。今回は過去に本コラムで取り上げたミリオンローズが制した6月の新馬戦で3着となって以来の実戦。同レースで2着だったエンブロイダリーも夏の新潟開催初週にレコード勝ちするなど、この新馬戦がかなりのハイレベルだったことをまたも裏付ける結果となった。

今回は新馬戦から馬体重プラス4kgの440kgで出走。レースはテイオームサシが単騎で逃げ、1000mを59.3で通過する流れを直後の2番手インから運んだ。直線では内回りコースとの合流地点を迎えたところで楽々と先頭に並びかけて交わすと、後続との差は広がる一方。最終的には5馬身差で快勝した。勝ちタイム1:46.4はエンブロイダリーが記録した1:45.5には及ばなかったが、十分な好タイムだ。ミリオンローズとエンブロイダリーとの再戦はいつ訪れるのか。その日を楽しみに待ちたい。

8月10日の新潟1R・未勝利戦を勝利したクライスレリアーナ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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