【注目2歳馬】Constitution産駒シンビリーブが5馬身差V ハイペースでもラストは加速しながら余裕十分の走り

三木俊幸

8月3日の新潟3R・新馬戦を勝利したシンビリーブ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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新潟ダート1800m新馬戦は多くの活躍馬を輩出

夏の新潟競馬2週目も開幕週に引き続き、森秀行厩舎の外国産馬が新馬戦2勝の大活躍をみせた。今回は8月3日の新潟3Rに組まれた1800m戦を勝利したConstitution産駒シンビリーブを取り上げる。

父は現役時代フロリダダービーなどGⅠ・2勝をマークし、産駒は2020年ベルモントS優勝馬のTiz the Lawなど毎年堅実に重賞馬を輩出。母Sand Puceはアルゼンチンで重賞を勝利した実績がある血統で、OBSマーチセールでは80万ドルと全体で7番目となる高額で落札されていた。デビュー前の追い切りでも栗東CWコースで6F79.4と、仕上がりの良さを披露しての出走となった。

レースはマカニが逃げる展開で1000m通過1:02.0と、この時期の新馬戦としては速いペースを刻んだ。シンビリーブは2番手の内でじっと脚を溜め、直線の残り250mあたりで先頭に立った。その後は後続を寄せ付けることなく、5馬身差をつける完勝だった。

過去10年では、新潟ダート1800mの新馬戦を勝利した馬からはチャンピオンズCなどGⅠ級4勝を果たしたルヴァンスレーヴをはじめ、エピカリス、ミトノオーが重賞を勝利。シンビリーブの勝ちタイム1:54.7は現在オープン馬のコンシリエーレがマークした1:53.5(稍重)、エピカリスの1:54.4には及ばないものの、ルヴァンスレーヴの1:54.8(稍重)、ミトノオーの1:54.9を上回る。

前半速かっただけにラストは13秒台のラップが続いたが、13.7-13.1-13.0と最後まで加速しながらゴール50m手前からは流して余裕のある内容で能力の高さは示した。

アメリカやドバイ、サウジアラビアなど海外遠征にも積極的な森厩舎、そして馬主の藤田晋氏ということからも国内のダート路線だけでなく幅広いレース選択も考えられる。今後の動向にも注目していきたい。

8月3日の新潟3R・新馬戦を勝利したシンビリーブのデータ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


2歳コースレコードタイの好タイムで7馬身差V

同じく3日の新潟2R、芝1600mの2歳未勝利戦では、ブリックスアンドモルタル産駒で半姉にオークス馬チェルヴィニアがいる良血馬アルレッキーノが2歳コースレコードタイの1:33.3というタイムで勝利した。

8月3日の新潟2R、芝1600mの2歳未勝利戦を勝利したアルレッキーノ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


新馬戦は直線でマッチレースとなりクロワデュノールに敗れたが、2歳の新馬戦レコードを更新する好タイムでの決着かつ、後半1000m57.3が記録されるなどかなりのハイレベルなレースを経験。そういった背景もあって、今回は単勝1.1倍という支持を集めて出走した。スタートしてじわっとハナを奪うと楽な手応えのまま直線へ。軽く仕掛けられただけで最後は馬なりのまま7馬身差とここでは力が違いすぎた。

兄姉は2000m以上で活躍しているが、アルレッキーノ自身はスピード能力も高くマイル路線でも大きな舞台を目指していけそうな印象だ。


後方2番手から伸びてハナ差制する

最後に4日の新潟3R、芝1800mの新馬戦を勝利したジェゼロについても触れておきたい。

8月4日の新潟3R、芝1800mの新馬戦を勝利したジェゼロ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


父サートゥルナーリア、母ラルケットという良血。2022年セレクトセールにて3億3,000万円で落札、それも数々のビッグレースを勝利しているオーナーの金子真人ホールディングスのなかでも最高落札額だった。デビュー前の追い切りでもフットワークの良さが目立っており注目度は高かったと言える。

五分のスタートを切り、1000m通過1:04.6と超スローペースで流れるなか、後方2番手を追走。直線で外からジワジワと追い上げを図るが、3番手から運んでいたスカイタワーもしぶとく粘り、ゴール前は接戦となった。結果ハナ差の辛勝だった。

勝ちタイム1:50.9、ラスト11.0-11.3と数字面ではインパクトのある勝ち方ではなかったが、後方から追い込んで接戦をモノにできたことは今後に向けても大きい。まだまだ未完成という印象も受けただけに、次走はどのような進化をみせてくれるのか楽しみにしたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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