【レパードS】体系整備の今年は東京ダービー組に注目 好データ3つに合致のハビレを推奨

門田光生

レパードSのキャリア別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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キャリア別成績で明暗

2024年8月4日に新潟競馬場で行われる第16回レパードS。JRAで行われる3歳馬限定のダートグレード競走2レースのうちの1つだ(もう一つはユニコーンS)。今年はこれまで7月に行われていたジャパンダートダービー(JDD)が、今年からはジャパンダートクラシック(JDC)と名称を変更し、時期も10月にスライド。レパードSの勝ち馬には、このJDCへの優先出走権が与えられることになった。地方、中央含めて大きな改革があった3歳ダート路線。その中で重要な役割を担うレパードSにはどのような傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆脚質
まずは脚質にどのような傾向があるのか調べてみた。目立つのは逃げ馬がよく馬券に絡んでおり、連対率50.0%、複勝率70.0%。データ予想なので実戦でどの馬が逃げるか分からない以上、「逃げ馬だから」といって◎は打てないが、覚えておいて損はないだろう。そして先行(連対率28.6%)、差し(連対率8.6%)と続き、追込からは1頭も連対馬が出ていなかった。

出走馬の脚質,ⒸSPAIA


☆所属
JRAで行われる3歳ダート重賞が少ないこともあり、東西問わず有力馬が集まってくる。出走頭数はやや栗東が多いが、勝ち馬は美浦が6勝で上。勝率、連対率、複勝率のいずれも美浦所属馬が上回っている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
性別は、牡・セン馬が18連対で牝馬が連対したのは、2017、23年の2回だけ。ただし勝率、連対率ではほとんど差はなかった(今年は牝馬の登録がなし)。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆キャリア
勝ち馬が出ているのは、キャリア6~8戦。ほかに連対馬が出ているのは、キャリア2、5戦が2頭ずつであとは11戦が1頭。キャリア2戦の馬は2頭で2着2回。今年は登録馬なしだが、覚えておいて損はないだろう。

出走馬のキャリア,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
今年から3歳ダート路線はJRAも地方も体系が大きく変わってしまった。連対馬5頭を出していたJDDがなくなったのは、データ予想をするうえで痛い。

最も勝ち馬を出しているのはユニコーンSで、ここから4頭の勝ち馬が出ている。2位がJDDの2頭。他は【1-0-0-0】の青竜Sや条件戦組。3勝クラス組は3頭が出走して2頭が馬券に絡んでいるが、今年は登録馬なしだった。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走距離
好走率が高いのは前走距離1600m【5-1-2-26】勝率14.7%、複勝率23.5%や、2000m【3-3-3-13】勝率13.6%、複勝率40.9%。レパードSと同じ1800mは36頭が出走して勝ち馬は1頭だけ(2着は6頭)。また、1400m以下からは馬券に絡んでいない。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータは、まず前走馬体重。過去10年で半数の勝ち馬が前走馬体重460~470kg【5-0-2-18】複勝率28.0%だった。続いて毛色。芦毛・白毛が【3-1-0-7】複勝率36.4%と好走傾向。マイナスデータは、中1週の馬が【0-0-0-7】と馬券に絡んでいない。

その他データ,ⒸSPAIA


東京ダービー組に注目

レパードSのデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「美浦所属」
B「キャリア6~8戦」
C「前走ユニコーンS」
D「前走1600mか2000m」
E「前走馬体重460~470Kg」
F「芦毛・白毛」

【連対馬なし】
G「キャリア3、4、9、10、12戦以上」
H「中1週以内」

連対馬が出ていないG「キャリア3、4、9、10、12戦以上」に、アラレタバシル、ソニックスター、ブシン、ブルーサン、ミッキークレスト、ミッキーファイトの6頭が該当。それなりに人気を集めそうな馬たちである。2014年3番人気5着アスカノロマン(9戦)、2016年3番人気7着ネクストムーブ(3戦)、昨年1番人気14着ミスティックロア(3戦)など、人気して飛ぶケースも多く、上記6頭は自信をもって切るとしよう。加えてH「中1週以内」に該当するメイショウフウドウも除外し、残った10頭で検討していく。

プラスデータを多く持っているのは、ウィンドフォール(AEF)、ハビレ(ABD)、ピュアキアン(ABC)の3頭。中でも強いのは、複勝率40.9%のD「前走が2000m(1600mは少し数字が落ちる)」と、同36.7%のF「芦毛・白毛」。これに該当するウィンドフォールとハビレが本命候補となる。

今回、いろんな意味で注目したいのはハビレの方。上述したように名称と時期が変更されてしまった好相性ローテのJDD。開催時期や施行条件から、これの代わりとなりそうなのが先月行われた東京ダービー(JpnⅠ・大井2000m)だ。唯一の東京ダービー組となるハビレがどんな結果を残すのか。過去のJDD組同様、好走を期待して本命としたい。

一方のウィンドフォールはデータがないキャリア1戦で、加えて賞金的に除外対象。残念ながら出走できれば期待。という位置に置く。よって、対抗は同じくプラスデータを3つ持っているピュアキアンでいいだろう。

以降は、プラスデータを2つ持つノットイナフ(BE)とロジアデレード(AB)。ノットイナフの該当する前走鳳雛Sは、サンプル数が少ないとはいえ【0-0-0-7】と馬券に絡んでいないのが気になるので、▲ロジアデレード、△ノットイナフの順とする。

◎ハビレ
◯ピュアキアン
▲ロジアデレード
△ノットイナフ
注ウィンドフォール

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
登録馬の一番上にいる「アラレタバシル」。由来は「霰たばしる」(和歌)とのことだが、初見で「当たれば走る」と自信をもって読んだ。最近、馬名の読み、書き間違いがひどすぎる。だめだ、こりゃ。

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