【アイビスSD】本命は"カペラS2着"の快速馬チェイスザドリーム 芝2戦目でも血統の裏付けから不安なし
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は7月28日(日)新潟競馬場で行われるアイビスSDについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった21頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
重要データ:中心は韋駄天S組とCBC賞組
アイビスSDはGⅢながらJRA唯一の直線コースで行われる重賞ということもあり非常に競馬ファンの関心が高いレースだ。そんなアイビスSDを紐解くカギは前走レース別成績にある。
中心となっているのは同じ新潟千直で施行の韋駄天Sと、1F長いワンターンのCBC賞だ。ただし、CBC賞は変則開催の影響で8月開催となるため、今年は該当馬がいない。そこで韋駄天Sのデータを見ていく。成績は【4-7-1-32】勝率9.1%、複勝率27.3%、単勝回収率149%、複勝回収率64%。もう少し深掘りすると「前走4着以内」だった馬が好成績で【4-6-1-12】勝率17.4%、複勝率47.8%、単勝回収率285%、複勝回収率113%となっている。狙い目となるのはここだ。
ほかの有力レースは函館SS。成績は【1-0-2-10】複勝率23.1%だ。今年はウイングレイテストが該当していて、上位人気になることが予想される。このところ徐々に距離を短縮してきているが、元々はマイル前後を中心に戦ってきた馬。果たして新潟千直という特殊な条件をこなせるかがポイントになるだろう。
【前走が韋駄天Sで1~4着だった出走予定馬】
・チェイスザドリーム(前走1着)
・ファイアダンサー(前走3着)
・マウンテンムスメ(前走2着)
前走の内容:函館SS
函館SS当日の函館競馬場は内側の馬場が非常にきれいな状態で、経済コースを通った馬が有利な状況だった。レースラップは前半3F33.4秒、後半3F35.0秒で前傾1.6秒。逃げたカイザーメランジェが単騎だったことも踏まえれば、前々で競馬をした馬が有利だっただろう。
勝ったサトノレーヴは最内を先行する形だった。ウイングレイテストも馬群の真ん中あたりを先行する形となり、有利な内側の前の方で競馬ができていた。一方で3着のビッグシーザーは差しの競馬で展開が向かなかった。もう少し前半のペースが速ければビッグシーザーはウイングレイテストを差し切っていただろう。1200mにはなんとか対応したウイングレイテストだが、スプリント重賞としては決して速いペースではなかった。1000mのペースに対応できるかといわれると疑問が残る。
血統解説:ウイングレイテスト、チェイスザドリーム
・ウイングレイテスト
日本での牝祖は祖母ルーシームーン。母グレートキャティが優秀な繁殖で、東京HJ勝ちのイコールパートナー(父カリズマティック)、京都新聞杯勝ちのベストメンバー(父マンハッタンカフェ)を輩出していることから、持続力を持ち味としているファミリーだ。本馬は父がスクリーンヒーローだから、持続力がさらに強化された。前走は斤量59kgながら初の1200m戦に対応できたが、1000mとなると持ち前のしぶとさを生かす場面がなさそうだ。
・チェイスザドリーム
日本での牝祖は祖母セクレゴールド。伯父にJRA5勝のスズカセクレターボ、半姉に準OP馬でJRA2勝のレコードチェイサーがいる。スピードが武器のファミリーで、本馬はロードカナロアがつけられた。
元々ダートのスプリントを主戦場としていてカペラS2着などの実績があったが、前走の韋駄天Sから芝を試してきた。そのスピードは芝でもしっかり生かされて、初芝でも快勝。走り方も柔らかさがあるタイプの牝馬なので、前走の好走は決してフロックではないだろう。新潟芝1000mはコース形態や馬場の傷み具合から圧倒的に外枠が有利。好枠を引いて上手く先行できれば重賞初制覇も見えてくる。
Cアナライズではチェイスザドリームを推奨
今回はチェイスザドリームを推奨する。ダートを主戦場としてきた馬だが前走は初芝でもしっかり対応したため不安はない。好走データに合致している点も追い風だ。柔らかさがあるタイプで、スピード勝負は得意中の得意。不利な内枠でも引かなければ初重賞制覇のチャンスだ。
対して人気の中心となりそうなウイングレイテストには疑問符がつく。前々でしぶとさを生かしてこその馬なだけに1000mでは後手を踏みそうだ。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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