【マイラーズC】前走GⅠ組不振で非重賞組に重い印 割引データなしのニホンピロキーフに託す

門田光生

マイラーズCの前走着順別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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前走GⅠ組に懸念

2024年4月21日に京都競馬場で行われる第55回マイラーズC。京都の開幕週に行われることもあり、1分31秒台の高速決着になることが多い。安田記念の前哨戦(1着馬に優先出走権)という側面もあり、注目度の高い一戦だ。そんなマイラーズCにはどんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を参考にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬2勝(2連対)、栗東所属馬8勝(18連対)。2着はすべて栗東所属馬で、3着も10頭中9頭が該当。馬券に絡む頭数だけでいえば栗東勢が圧倒しているが、勝率だけで見ると美浦所属馬が上回っている。

マイラーズC出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆年齢
年齢別で比較すると、4歳馬の9連対と5歳馬の5勝が目立つ。6歳馬は1勝(2連対)で勝率、連対率ともに物足りない。また、7歳以上から勝ち馬は出ていない。

マイラーズC出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
条件戦、OPクラス、そして重賞まで、様々な条件から勝ち馬が出ている。特筆すべきは、前走GⅡ組。【6-2-0-8】で、連対率が5割。間違っているのではないかと、何度も見直したぐらいの好成績である。逆に、結果が出ていないのは前走GⅠ組。サンプルが7頭(海外を含むと10頭)しかいないとはいえ、1頭も連対馬が出ていないのは気になるところだ。

マイラーズC出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
中山記念組が4戦3勝、阪神C組が3戦2勝。阪神C組は登録がないが、中山記念から出走してきた馬は、多少のマイナスデータには目をつむって印を打ちたいぐらいだ。また、前哨戦っぽい条件のダービー卿CTから20頭、リステッド昇格後の六甲Sからは13頭が出走しているが1頭も連対馬が出ていない。なお、六甲Sはリステッド昇格前なら連対馬が出ていた。

マイラーズC出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走6着以内と7着以下で成績が大きく変わる。勝ち馬はすべて6着以内から出ており、7着以下だと2着馬が3頭いるだけ。連対率も5%を切っている。

マイラーズC出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走5番人気以内と6番人気以下で明暗が分かれる。連対した20頭中、19頭が前走5番人気以内だった。

マイラーズC出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
その他で気になったデータは2つ。まずは前走着差。コンマ5秒差以上で負けた馬から勝ち馬は出ていない。2つ目はローテーション。中2週以内で挑んできた馬からは連対馬が出ていない。

マイラーズCにおけるその他データ,ⒸSPAIA


中山記念組を信頼したいが……

マイラーズCのデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「中山記念組」

【好走率ダウン】
B「6歳馬」

【勝ち馬なし】
C「7歳以上」
D「前走7着以下」
E「前走6番人気以下」
F「前走でコンマ5秒差以上の負け」

【連対馬なし】
G「前走がGⅠ(海外含む)、ダービー卿CT、六甲S(L)」
H「「中2週以内」

今回のプラスデータは、A「中山記念組」だけ。4頭中3頭が勝っているかなり強いデータで、多少のマイナスデータには目をつむりたいと書いた。今回の登録馬ではソーヴァリアントだけが該当するのだが、これがB「6歳馬」D「前走7着以下」F「前走でコンマ5秒差以上の負け」という、3つのマイナスデータに該当する。この3つは少ないながらも連対馬は出ている。

ただ、中山記念組で過去に勝った3頭を今回のデータに当てはめてみると、ひとつもマイナスデータがなかった。さすがに本命にするのは抵抗がある。とはいえ、唯一のプラスデータ持ちをノーマークにするのもどうかと思うので、印は入れておきたい。

次にいいのはマイナスデータを1つも持っていない馬だ。それがトランキリテとニホンピロキーフの2頭。トランキリテはリステッド、ニホンピロキーフは3勝クラスを経由しての出走。リステッド組はこれまで24頭が出走して2着が最高着順。対して3勝クラス組は、6頭が出走して勝ち馬が1頭いる(22年ソウルラッシュ)。ここは1着馬が出ている方を重視して、◎ニホンピロキーフ、◯トランキリテとしたい。

続いて連対馬が出ていないデータのG「前走がGⅠ(海外含む)、ダービー卿CT、六甲S(L)」、H「「中2週以内」に該当する馬を除外。残った馬でマイナスデータが1つだけしかない馬に絞ると、エアロロノア(Cのみ)、コレペティトール(Eのみ)、スパイダーゴールド(Fのみ)の3頭となる。

このうち、マイナスデータでまだマシなのは、連対率が8.1%あるC「7歳以上」。逆に、E「前走6番人気以下」は、連対率が1.5%しかない。よって、▲エアロロノア、△スパイダーゴールドの順番とし、コレペティトールはノーマークにしたい。

◎ニホンピロキーフ
◯トランキリテ
▲エアロロノア
△スパイダーゴールド
×ソーヴァリアント

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
4月に入って、さらに仕事が忙しくなったように感じます。これは、仕事量が増えたのか、それとも、若いころに比べて処理速度が落ちたのか。答えは両方なのですが、後者の比重が高い気がしてなりません。

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