【マイラーズC】ソーヴァリアント、エエヤンは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

マイラーズカップの消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先日の皐月賞は消去を免れた4頭のボックスで勝負するもあえなく撃沈。ジャンタルマンタルが先頭に躍り出た場面で一瞬、穴指名したシリウスコルトも内から2番手に浮上しており、楽しめるシーンはあったのだが……。さすがに1000m通過57.5秒のハイペースが響き、それ以上の踏ん張りはきかなかった。

さて、今週は連続GⅠの幕間。4月21日に京都競馬場で行われるマイラーズカップを予想する。阪神代替の2戦を含む過去10年のデータから複勝率10%未満の凡走データを5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。特別登録のあった17頭を対象に進めていく。


『前走が重賞以外』×『前走6番人気以下』 ★0.0%★

まずは無難に、格で見劣る馬からメスを入れていこう。前走が重賞でなかった馬は【3-4-1-49】(複勝率14.0%)とやや低調。その重賞以外のレースで6番人気以下だと【0-0-0-24】と全滅を喫していた。条件戦やOP特別でも伏兵扱いだった馬が、強敵多数の別定GⅡで好走するのは困難だ。

このデータでは3頭が消去となる。六甲Sを勝ったボルザコフスキーは上がりのかかるタフな競馬が得意で、京都の開幕週替わりは歓迎と言いがたい。

【今年の該当馬】
・アリストテレス
・ビーアストニッシド
・ボルザコフスキー


『関東馬』×『中6週以下』 ★0.0%★

続いて所属に注目。ここ10年で関東馬【2-0-1-18】(複勝率14.3%)、関西馬【8-10-9-90】(同23.1%)のデータが出ており、地元関西勢が質、量ともに上回っている。劣勢の関東馬のうち、中6週以下での出走は【0-0-0-12】で馬券絡みすらなかった。特にダービー卿CTや直近のOP特別から転戦してくる馬は振るっていない。

消去の対象となったのは2頭。エエヤンはダービー卿CTで久々の好走を見せたが、要するに3歳時に3連勝もした中山マイルが合うということ。関西圏の京都コースに替わるのはアカンヤンだ。

【今年の該当馬】
・エエヤン
・ノースザワールド


『前走が道悪かダート』×『前走6着以下』 ★0.0%★

3つ目は前走時の馬場状態から考える。前走が芝の道悪、もしくはダートだった馬は【3-1-4-41】(複勝率16.3%)となっている。その道悪やダートで6着以下に敗れていた場合【0-0-0-20】。つまり「前走は合わない馬場に泣いたけど、良馬場なら」という発想が通用しないのだ。

今年は前走ダートの馬がいないので、前走が道悪だった馬のみが対象。ここでは新たに3頭が消去となる。ソーヴァリアントは重賞2勝、札幌記念3着もある実力派だが、馬場が渋った中山記念で12着と大敗した。今回は良馬場替わりと前走時+22キロを叩いての上積みに期待がかかりそうだが、スッパリ消させていただく。

【今年の該当馬】
・セッション
・ソーヴァリアント
・トゥードジボン
・(ノースザワールド)
・(ビーアストニッシド)


『前走4角9番手以下』×『前走同距離』 ★3.2%★

次は脚質面を考える。マイラーズCは通常の開催日程だと京都の開幕週に行われる。そのため、おおむね内目、前目で立ち回る馬が有利になりやすい。例外もないではないが、先行決着に割り込むには32~33秒台前半の脚が必須になってしまう。

「前走4角9番手以下」の差し追い込み型は【2-4-0-49】(複勝率10.9%)と低調で、特に前走も1600mだった馬は【0-1-0-30】(同3.2%)と不振だ。唯一の好走は14年2着フィエロ。のちに重賞未勝利のまま3億円超の賞金を稼ぎだす“名脇役”を除き、全て圏外へ沈んでいた。

洛陽S2着のトランキリテなど新たに3頭が消えるのだが、ここでちょっと困った事態が発生する。セリフォスとソウルラッシュの前走香港マイルは海外レースのためデータ対象外なのだが、映像から目視する限り2頭とも4角12~13番手付近を走っていたのだ。実績断然の2頭も全幅の信頼は危険かもしれない。

【今年の該当馬】
・トランキリテ
・(ノースザワールド)
・フリームファクシ
・(ボルザコフスキー)
・リューベック


『社台ノーザン系生産馬』×『単勝オッズ10倍以上』 ★3.2%★

4つの凡走データを終えた時点で残っているのは6頭。そのうちセリフォスとソウルラッシュが黄色信号という状況だ。最後は生産者に関するデータを使ってみる。

「社台ノーザンファーム系」の生産馬は【6-5-6-47】(複勝率26.6%)とやや優勢だが、好走例はほとんどが人気馬。「単勝オッズ10倍以上」に限ると【0-0-1-30】(同3.2%)と一気に数字が落ち込んでしまう。穴を開けるとしたら非社台、という構図の重賞なのだ。

残った6頭のうち社台ノーザン系の生産馬は4頭。さすがにセリフォスが単勝10倍以上つくはずはなく、京都金杯勝ち馬コレペティトールが微妙なラインだ。ここは直前までオッズを見てから判断しよう。

【今年の該当候補】
・エアロロノア
・コレペティトール
・スパイダーゴールド
・セリフォス

全ての条件を終えて確実に消去を免れるのは、ソウルラッシュとニホンピロキーフの2頭。事実上セリフォスが残るのも決定的で、おそらく3頭で勝負することになる。ただし前記の通り、セリフォスとソウルラッシュは香港マイルで4角後方だったのがグレーゾーン。したがって中心はニホンピロキーフで決まりだ。

ニホンピロキーフはこれまで京都で【1-1-0-0】、小倉で【3-0-0-0】、新潟で【0-1-0-0】の戦績。直線平坦のコースでは一度も馬券圏内を外していない。今回はマイルへの短縮となるが、母ニホンピロアンバーが現役時代1000~1400mで活躍したという背景もあり、そうマイナスに捉える必要はないだろう。馬券はニホンピロキーフから、セリフォスとソウルラッシュへの馬連とワイド。もしコレペティトールも残ればヒモに入れて各3点で勝負したい。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴13年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮崎敏郎。

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