【ダービー卿CT】パラレルヴィジョン、ディオに割引データあり 推奨は中山マイルがベストのクルゼイロドスル
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は3月30日(土)に中山競馬場で行われるダービー卿CTについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」
除外対象のショウナンマグマも含めて特別登録のあった17頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
重要データ:好調な昇級組
今回は前走クラス別成績を取りあげる。特徴的なのは前走3勝クラス、OP・L組の好走が目立つ点だ。なかでも3勝クラス組は【4-1-1-9】で単勝回収率146%、複勝回収率104%と妙味もある。OP・L組は【2-4-5-44】で単勝回収率70%、複勝回収率86%。レース全体の回収率が単62%、複66%であることを考慮すればOP・L組も悪くない。
OP・L組をもう少し詳しく見ると、2着以下に負けている馬の方が成績が良く、前走1着馬が【0-1-0-10】と結果が出ていない。上位人気が予想されるディオは東風S勝ち、パラレルヴィジョンはニューイヤーS勝ちといずれも割引するべき「前走OP・L勝ち馬」に当てはまる。
一方、GⅢ組は【4-3-3-59】で好走馬こそ多数輩出しているが、単勝回収率55%、複勝回収率47%だ。GⅡ組は【0-2-0-15】でさらに低調。今年はインダストリア、エエヤン、タイムトゥヘヴンが前走GⅡ組に該当する。
GⅢ組についても登録馬が多いのでもう少しデータを見てみる。距離短縮にあたる場合は【0-0-1-12】、今回はアルナシームが該当している。また好走している馬は4、5歳に偏っており、6歳以上は【1-0-0-32】となっている。ダディーズビビッドがこの割引データに該当している。
【前走3勝クラスからの出走予定馬】
・クルゼイロドスル
・ニシノスーベニア
・レイベリング
【割引データに該当した出走予定馬】
・アルナシーム(前走GⅢで距離短縮)
・インダストリア(前走GⅡ)
・エエヤン(前走GⅡ)
・グランデマーレ(前走OP・Lで1着)
・タイムトゥヘヴン(前走GⅡ)
・ダディーズビビッド(前走GⅢで6歳以上)
・ディオ(前走OP・Lで1着)
・パラレルヴィジョン(前走OP・Lで1着)
前走の敗因:京都金杯のセッション
セッションは前走の京都金杯で2着。この日の京都競馬場は最内だけが伸びるような馬場状態だった。セッションは最内を先行しての2着なので馬場の良いところを通っていた。
ただ、このレースは前後半3F33.7秒-37.1秒で前半かなり飛ばしたラップ構成。差し馬にとって有利な展開だった。勝ったコレペティトールは最内を上手く差してきて、馬場状態、レース展開も含めてハマった感のある内容。セッションは2番手追走して厳しい流れのなかコレペティトールから0.1秒差だった。前後半のラップ差を考えれば十分に健闘したといえる内容で、勝ち馬と同等かそれ以上の評価ができる。
血統解説:クルゼイロドスル、レイベリング
・クルゼイロドスル
日本での牝祖は祖母ダイアゴネル。欧州を中心に繁栄しているファミリーで近親にはGⅠ・4勝のDubai Millenniumがいる。ほか、従姉妹にはファルコンS3着のローゼンクリーガーもいる。ダイアゴネルが父Darshaan、母父Sadler's Wellsという血統らしくタフなタイプの芝馬を多数輩出した。
本馬は父にファインニードルを迎えて芝適性やタフさを維持したままスピード性能が高くなったようなタイプだ。NHKマイルCの出走取消以降、出世に時間がかかったが昨年の冬に本格化。明け4歳でキャリア9戦しかしておらずフレッシュで、今年の飛躍に期待したい。ジュニアCを勝っている通りタフなパワーマイラーなので中山マイルはベストコースだ。
・レイベリング
英国産馬でファミリーは祖母Bellaridaを根幹として繁栄している。仏1000ギニー(GⅠ・芝1600m)勝ちのTeppal、ロートシルト賞(GⅠ・芝1600m)勝ちのWith Youなど多くのGⅠ勝ち馬が名を連ねる活力ある一族だ。
本馬は愛メイトロンS(GⅠ・芝1600m)2着のLily's Angel(父Dark Angel)の半弟という血統で、この一族らしい質の高い末脚を持っている。父にはFrankelを迎え、朝日杯FSを好走した通りパワーは十分。血統は決して早熟タイプではなく、むしろ古馬になってから良くなりそうなタイプ。徐々にパフォーマンスを上げてきているので初重賞でも中山マイルなら狙いやすい。
Cアナライズではクルゼイロドスルを推奨
今回はクルゼイロドスルを推奨する。近走のレースレベルが高く、前走では12着馬のコンクシェルがその後初音S、GⅢ中山牝馬Sと連勝。2走前は差し有利な展開を逃げてタイム差なしの2着だが、勝ち馬ボルザコフスキーが阪急杯5着と重賞で通用し、続く六甲Sを勝った。3走前もタイム差なしの2着だったが勝ち馬クロミナンスはAJCC3着、日経賞2着と重賞で連続好走中だ。
本馬も重賞レベルのポテンシャルは持っており、中山マイルなら昇級戦でも本命に推奨したい。相手筆頭には前走で展開が向かないながらも踏ん張ったセッションを挙げる。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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