【高松宮記念】ナムラクレア、トウシンマカオは消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の阪神大賞典では4頭が消去対象から外れたが、その中からの好走は3着のブローザホーンのみだった。特注としたサヴォーナは直線で伸びを欠き6着に敗れ、悔しい結果となった。
今週は3月24日に中京競馬場で行われる高松宮記念(GⅠ)を予想する。登録馬23頭の内、除外対象となる5頭(アサカラキング、キミワクイーン、クリノガウディー、グランデマーレ、モリノドリーム)を除いた18頭から絞り込みを行う。過去10年(14~23年)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走1600m』×『1200mGⅠ連対実績なし』 ★0.0%★
前走で1600mを走っていた馬は【0-1-0-9】(複勝率10.0%)と振るっていなかった。この中で唯一好走を果たした18年2着レッツゴードンキには、前年の高松宮記念、スプリンターズSでそれぞれ2着に好走した実績があった。1200mのGⅠで連対した経験がなかった馬に限ると【0-0-0-9】(同0.0%)と1頭も好走馬が出ていない。
今年は前走1600mだった馬が3頭いるが、いずれもスプリントGⅠ実績はおろか1200m戦への出走経験が1度もない。スプリント路線のトップクラスが集まる当レースで好走を期待するのは酷と判断する。
【今年の該当馬】
・ウインカーネリアン
・シャンパンカラー
・ディヴィーナ
『前走6着以下』×『前走初角6番手以下』 ★2.6%★
前走着順別の成績を見ると、1~5着だった馬が【9-9-7-79】(複勝率24.0%)と馬券圏内のほとんどを占めていた。対して、前走で6着以下に惨敗していた馬は【1-1-3-70】(同6.7%)と結果を残せていない。
この組をさらに前走初角位置別に分類すると、6番手以下だった馬が【0-0-1-37】(同2.6%)と極端に成績を落としていた。中京芝1200mは先行有利の舞台だけに、中団より後ろでレースを進める馬の巻き返しは難しいようだ。
このデータには新たに4頭が該当し、メイケイエールも含まれる。能力こそ一線級だが常に気性面のリスクが付きまとう。また、一昨年のセントウルSで勝利して以降は7戦連続で馬券圏外に敗れており、能力のピークを過ぎた印象も否めない。ラストランを応援したい気持ちはあるが、買い目には入れられない。
【今年の該当馬】
・シュバルツカイザー
・マテンロウオリオン
・メイケイエール
・ロータスランド
・(シャンパンカラー)
『前走馬体重480kg以下』×『前走上がり2位以下』 ★1.8%★
前走馬体重で見ると、480kg以下だった馬は【1-2-3-64】(複勝率8.6%)と低調だ。さらに、前走上がり2位以下に限定すると【0-0-1-54】(同1.8%)とほとんどの馬が凡走している。
この中には人気馬も多く含まれており、19年1番人気のダノンスマッシュでさえも4着に敗れている。また、唯一の好走例は20年3着のダイアトニックだが、これは上位入線馬が降着して繰り上がったもの。実際は4着で入線していた。
このデータには5頭が該当し、ウインマーベル、トウシンマカオ、ナムラクレアといった面々も含まれる。好走例が繰り上がりの1頭のみで他54頭が全て凡走という極端なデータだけに、有力馬であっても消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・ウインマーベル
・ソーダズリング
・トウシンマカオ
・ナムラクレア
・モズメイメイ
『前走オーシャンS』×『栗東所属馬』 ★3.1%★
前走レースを見ると、オーシャンSに出走した馬は【1-2-4-54】(複勝率11.5%)と苦戦気味だった。この組の中でも美浦所属馬は【1-1-4-23】(同20.7%)と結果を残せていたが、栗東所属馬は【0-1-0-31】(同3.1%)とほとんどが凡走していた。
オーシャンSからの転戦は間隔が中2週と非常にタイトなローテーションだ。特に栗東所属馬は中山への長距離輸送を経ての参戦となる。コンディションの維持は容易ではないはずで、この影響が成績にも明確に反映されている。
このデータに該当するビッグシーザーは、昨秋から長期休養を挟まずコンスタントに出走を重ねている。今回が休養明け6戦目。中2週である点と併せても状態面に不安が残る。また、重賞勝ち鞍がなく実績面からも物足りないため、今回は軽視して良いだろう。
【今年の該当馬】
・ビッグシーザー
・(マテンロウオリオン)
『父ノーザンダンサー系』×『5歳以上』 ★0.0%★
ここまで5頭が消去条件を免れているが、最後は血統に関するデータで絞り込みを行う。ノーザンダンサー系の種牡馬を父に持つ馬は【1-0-1-28】(複勝率6.7%)と振るっていない。また、好走している2頭はいずれも4歳馬で、5歳以上だと【0-0-0-21】で好走馬なしだった。
このデータには新たに3頭が該当し、昨秋のスプリンターズSで連対したママコチャ、マッドクールの2頭も含まれる。昨今の短距離路線は群雄割拠といえる状況で、2頭とも実績ほどに実力が抜けた存在とは言い切れない。血統面から厳しいデータが出ていることからも、今回は勇気を持って消去したい。
【今年の該当馬】
・ビクターザウィナー
・マッドクール
・ママコチャ
・(シュバルツカイザー)
全ての条件を終えて消去データを免れた馬は、ルガル、テイエムスパーダの2頭となった。中でも今回はルガルを推奨する。
前走のシルクロードSは先行勢のほとんどが馬群に沈む展開だったが、ルガルは番手から脚を伸ばして快勝。スタートを含めた完璧なレース運びを差し引いても、短距離重賞で2着に3馬身差を付けた点は高く評価するべきだ。
また、父キングマンボ系は過去10年で【2-2-2-13】(複勝率31.6%)と好相性で、血統面からも強調できる。執筆時点で週末が雨予報である点も道悪やダートの実績がある当馬にはプラスに働きそうだ。
初のGⅠ挑戦で相手は一気に強くなるが、秘めているポテンシャルは引けを取らない。“王”を意味する馬名の通りに、混迷としたスプリント路線の頂点に立つ快走を期待したい。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、よりデータを活かした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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