【フィリーズレビュー】前走人気と4角位置から好走馬を分析 京大競馬研の本命はバウンシーステップ

京都大学競馬研究会

フィリーズレビューの前走人気別複勝率

ⒸSPAIA

前走人気に着目

3月10日(日)にフィリーズレビュー(GⅡ・芝1400m)が阪神競馬場で行われる。阪神JF3着馬コラソンビート、5着馬シカゴスティング、8着馬ドナベティに、ファンタジーS勝ち馬カルチャーデイ、春菜賞勝ち馬オメガウインクなど注目のメンバーが揃った。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。

フィリーズレビューの前走人気別成績,ⒸSPAIA


まず、過去10年のフィリーズRにおける前走人気別成績を調べた。前走1~3番人気の馬は【7-3-5-57】で勝率9.7%、連対率13.9%、複勝率20.8%と優秀な成績。コラソンビート、オメガウインク、バウンシーステップなどが該当する。

前走4~5番人気【2-1-3-26】勝率6.3%、連対率9.4%、複勝率18.8%もまずまずの好成績(ポエットリー、セシリエプラージュ)。前走6~9番人気の馬は振るわず、【1-2-0-38】で連対率は7.3%だ。カルチャーデイ、キャンシーエンゼルなどが該当する。

前走10番人気以下の馬は【1-3-2-24】で複勝率20.0%と数は少ないながらも比較的健闘している。馬券に絡んだ馬はいずれも前走阪神JFで、レベルの高いGⅠでは不人気だった馬がその後、条件を改めて好走していることが分かる。今回であればドナベティ、シカゴスティングが該当する。

差し追込馬が好走傾向

フィリーズレビュー好走馬の4角位置と上がり3F順位,ⒸSPAIA


次に過去10年のフィリーズRで好走した馬の4角位置と上がり順位を調べた。すると、このレースでは差し追込馬の好走が目立つことが分かった。

好走馬の多くは中団から後方で競馬を進めた、もしくは上がりをそれなりに使った馬である。馬券に絡んだ30頭のうち23頭、連対20頭のうち18頭は、4角6番手以下または上がり5位以内の馬だった。

このような傾向が見られる理由として、桜花賞を目指すにあたり1600m適性の高い馬はチューリップ賞に行くため、このレースには1200m~1400m向きの馬がこぞって参加し、ペースが流れてしまうからだと考えられる。

勿論、実際のレースにおいてどの馬が中団から後方で競馬を進めるか、速い上がりを使うかを読むのは難しいが、この評価軸を意識した分析を進めていきたい。

好走条件を満たす馬を中心に予想

◎バウンシーステップ
1400mの良馬場では3戦全てで上がり最速と素晴らしい末脚を持っており、このレースに向く馬だ。つわぶき賞は後方から差し切って2着に0.4秒差を付ける圧勝。連対を外した2戦は稍重、重の条件で、良馬場で出来そうな今回は力を十分に発揮できるだろう。

カルチャーデイやシカゴスティング、オアシスドールなど前に行きたい馬がいることからスローは考えにくく、例年の傾向通りある程度差しは決まると想定。状態面も良さそうだ。重賞戦線で戦ってきた馬たちと比べても地力で劣っているとは思わない。ほどよい人気になりそうな今回は狙い目だ。

◯コラソンビート
1400mを走った2戦はともに中団~後方から鋭い脚を使えていることから、このレースには合うだろう。阪神JFは好メンバー相手に3着と地力の高さを証明する走りを見せた。前走の最後に脚が若干鈍っていることや、チューリップ賞をあえてスルーしてここに向かってきたことからもベストは1400mで、距離短縮は間違いなくプラスに働く。実際、京王杯2歳SはのちのクロッカスS勝ち馬ロジリオンを破る好内容だった。関東馬ではあるが、前哨戦の今回から栗東滞在での調整を進めていることも好感が持て、輸送によるリスクがほぼないというのはプラスだ。

本番がここではなく、賞金も十分にあることから100%の状態で出てくるとは思えないが、能力は明らかに抜けている。加藤士津八厩舎も先週の弥生賞を勝利して勢いに乗っているはずだ。

▲ロゼフレア
前走以外の1400m戦ではどれも上がり3位以内と優れた末脚を持っている。前走は“ヨーイドン”の競馬になったことや使い詰めの影響があってか4着に敗れたものの、2着馬セキトバイーストがチューリップ賞でも2着に入るなどレベルはそれなりの一戦であり、まだ見限れない。2走前の万両賞ではその後1勝クラスを圧勝したソンシに勝利した点からも地力は上位。前走と比べればペースが流れて末脚が生きそうで、間隔を空けたリフレッシュ効果にも期待したい。

△ドナベティ
前走は阪神JFで13番人気と好走条件を満たす。1400m以下のレースでは3戦とも上がり2位以内だ。阪神JFは適性外の1600mかつ大外枠で参考外にしていい一戦ではあるが、それでも3着と0.7秒差の8着なら十分に評価できる。距離を短縮して適条件に戻った今回は期待がかかる。

×シカゴスティング
前走の阪神JFは逃げて5着。展開は苦しくなりそうだが、地力でカバーできれば。

×エトヴプレ
1200mでの内容を見る限り距離は延びていい。

買い目は◎◯から印を打った馬への3連複流しで勝負する。桜花賞へはなかなか繋がりにくいが、単体として面白そうなレースではある。何とか的中させたい。

▽フィリーズR予想印▽
◎バウンシーステップ
◯コラソンビート
▲ロゼフレア
△ドナベティ
×シカゴスティング
×エトヴプレ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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