C.ルメール騎手は31勝でトップを堅守 月間15勝の戸崎圭太騎手が4位にランクイン【2月終了時の騎手リーディング】

三木俊幸

2024年2月終了時点のリーディングジョッキーの顔ぶれ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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川田将雅騎手はJRA通算2000勝達成

2月は4週にわたって8日間の開催があり、最終週はサウジカップデーにリーディング上位騎手がこぞって参戦。それでも上位3人に順位変動はなく、2月全体を通じても活躍が目立った。その一方で混戦だった4位以下の争いは、最終盤に順位の入れ替わりが見られた。

リーディングジョッキーたちのデータ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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1月に17勝をあげて好発進したC.ルメール騎手は重賞勝利こそなかったものの、サウジアラビアへの遠征で騎乗しなかった最終週を除いて3→3→1→2→3→2と6日すべてで勝ち星を掴んだ。14勝を上積みし、合計31勝。特に東京芝コースでは10勝、勝率34.5%、連対率51.7%、複勝率62.1%という素晴らしい成績を残した。また1月終了時は賞金ランキング3位だったが、507,627,000円でトップに浮上している。

2位の坂井瑠星騎手は3→0→1→0→1→3→0→0で月間8勝、年間成績では24勝としている。期間内にJRAでの重賞勝利はなかったが、サウジカップデーに行われたサウジダービーではフォーエバーヤングを勝利に導いた。直線外からジリジリと差を詰めて、内で粘るアメリカのブックンダンノをギリギリ捉える見事な騎乗だった。

3位は月間6勝、合計23勝とした川田将雅騎手。後半2週はカタールとサウジアラビアに遠征したためJRAでの騎乗は前半4日間のみだったが、クイーンズウォークでクイーンCを勝利。さらに11日の東京12Rをハードワイヤードで制し、史上9人目、現役では4人目となるJRA通算2000勝を達成した。

JRA通算2000勝達成した川田将雅騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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4位の戸崎圭太騎手は、1月終了時点ではトップ5圏外の7勝にとどまっていたが、ジャスティンミラノとのコンビで共同通信杯を制するなど、月間最多となる15勝をマーク。特に最終週は土曜日に2勝、日曜日に5勝の固め打ちで合計22勝まで勝ち星を積み重ね、一気に順位を押し上げた。

ジャスティンミラノとのコンビで共同通信杯を制した戸崎圭太騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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5位は19勝の鮫島克駿騎手。こちらも1月終了時で10勝とトップ5圏外だったが、2月に入り6勝を加算して迎えた最終週、土曜日に中山競馬場で2勝、日曜日は小倉競馬場で1勝をあげてランクインした。2月終了時点では小倉16勝と勝利数トップに立っている。冬の小倉開催は残り1週。このまま開催リーディング獲得なるか注目だ。


横山典弘騎手は最年長重賞勝利記録を再更新

リーディングトップ5には入っていないが、鮫島駿騎手と同じ19勝ながら2着数の差で6位だった松山弘平騎手が賞金ランキングでは381,514,000円で5位にランクイン。2月はウインマーベルで阪急杯を勝利し、今年の重賞初制覇を飾った。

18勝で7位につける武豊騎手はソーダズリングで京都牝馬Sを制し、1987年のデビューから38年連続のJRA重賞勝利を達成。5勝で40位の横山典弘騎手はマテンロウスカイで中山記念を勝利、1月の京成杯から約1ヶ月でJRA最年長重賞勝利記録を更新するという話題もあった。

マテンロウスカイで中山記念を勝利した横山典弘騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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また2月は別れの季節でもあり、秋山真一郎騎手、川島信二騎手、高野和馬騎手、藤井勘一郎騎手が引退。3月から調教師に転身する秋山騎手は、レースでの騎乗最終日となった25日の小倉3Rで勝利し、JRA通算1059勝でステッキを置いた。川島騎手は、JRAでは25日の阪神8Rが最後の騎乗に、そして27日の名古屋8Rが現役最後の騎乗となった。今後は庄野靖志厩舎の調教助手として第二の人生をスタートする。

3月から調教師に転身する秋山真一郎騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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主に障害戦で活躍してきた高野騎手は引退後に栗田徹厩舎で調教助手になる予定。2022年の落馬事故で大怪我を負った藤井騎手は、自身のキャッチフレーズで何事にも諦めず挑戦し続ける「FUJIIチャレンジ」の気持ちを強く持ってリハビリに励んできたが、復帰は叶わなかった。騎手人生はここで幕を閉じることとなったが、海外を渡り歩いた豊富な経験と語学力を武器に、藤井騎手にしかできない新チャレンジを私たちに見せ続けてくれることだろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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