【ダイヤモンドS】3000m以上で複勝率100% テーオーロイヤルのスタミナを信頼

貴シンジ

ダイヤモンドステークスの主な種牡馬別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は2月17日(土)に東京競馬場で行われるダイヤモンドSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行なっていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった10頭を検討対象とし、過去10年分のデータを使用する。


重要データ:勝ち馬が出ていないディープインパクト産駒

ダイヤモンドSの種牡馬別成績(一部),ⒸSPAIA


ダイヤモンドSは東京芝3400mという特殊な条件で実施される超長距離レースだ。従って好走する産駒にも偏りが出やすい。最も多くの勝ち馬を輩出しているのはハーツクライ産駒で【3-1-2-10】で単勝回収率58%、複勝回収率61%だ。今回の出走予定馬にはハーツイストワールがいる。

ほか、オルフェーヴル産駒が【1-2-1-3】、キングカメハメハ産駒が【1-2-0-10】とそれぞれ好調で、いずれも複勝回収率が100%を超えている。今年はキングカメハメハ産駒の出走予定はないが、オルフェーヴル産駒はヒュミドールが登録している。昨年の2着馬だけに軽視はできない。

注目したいのはディープインパクト産駒。成績は【0-2-3-21】で複勝率19.2%、複勝回収率53%。出走頭数はかなり多いが勝ち馬を輩出できておらず、ハーツクライ、オルフェーヴル、キングカメハメハと比べれば好走率も低い。今年はグランスラムアスク、サリエラと2頭が登録。サリエラは上位人気が想定されるが、割引が必要なデータだ。またレース全体の牝馬は【0-0-1-8】と好走例が少なく、その点においてもディープインパクト産駒の両頭はマイナスだ。

【ハーツクライ、オルフェーヴル産駒の出走予定馬】
・ハーツイストワール
・ヒュミドール

【ディープインパクト産駒の出走予定馬】
・グランスラムアスク
・サリエラ

前走の敗因:ステイヤーズSのテーオーロイヤル

テーオーロイヤルの前走はステイヤーズSで2着。このレースはアイアンバローズとアフリカンゴールドが後続を離して逃げたがそれでもスローペース。テーオーロイヤルは上がり最速33.9秒で追い込んだが、それでも2馬身半届かなかった。中間のラップも考慮すれば向正面ですでに勝負は決しており、アイアンバローズは勝つべくして勝ったというレースだった。テーオーロイヤルは展開負けの印象もあり、3000m以上の長距離レースではダイヤモンドS1着、天皇賞(春)3着、ステイヤーズS2着で【1-1-1-0】。複勝率100%と安定感が光る。

血統解説:テーオーロイヤル、ハーツイストワール

・テーオーロイヤル
日本での牝祖は祖母アルペンローズ。競走馬としての実績はないが牝祖としては優秀。本馬の半兄には帝王賞、かしわ記念勝ち馬のメイショウハリオ(父Pyro)、叔父には2015年アルゼンチン共和国杯2着のメイショウカドマツ(父ダイワメジャー)などがいる。芝ダートに関わらずKris S.譲りのスタミナ豊富な馬が多いのが特徴だ。

本馬は母父マンハッタンカフェで、よりスタミナに磨きがかかっている。リオンディーズは母の特徴を引き出しやすい種牡馬で、テーオーロイヤルもスタミナタイプのステイヤーに出た。マンハッタンカフェを母父に持つ馬らしく、ストライドは大きく、東京競馬場の直線も問題ないだろう。展開が向かなかった前走から改めて。

テーオーロイヤルの血統表,ⒸSPAIA


・ハーツイストワール
日本での牝祖は3代母ウインドシアー。米国牝系でFappianoなどの影響が強くスピードタイプのファミリーだったが、ブライアンズタイム、キャプテンスティーヴ、ハーツクライとつけられ、パワーとスタミナに振れたタイプに出た。札幌日経OPを勝利しているようにベストはパワーとスタミナを要する条件だろう。時計勝負になると苦しいところがあり、馬場状態次第で勝負したい一頭だ。

ハーツイストワールの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではテーオーロイヤルを推奨

今回はテーオーロイヤルを推奨する。リオンディーズ産駒の本レース実績はテーオーロイヤル自身の22年1着しかない。しかし好相性のキングカメハメハの後継種牡馬で、テーオーロイヤル自身はかなりスタミナに自信があるタイプで問題ないだろう。前走の内容は決して悲観するものではなく、今回も勝ち負けになる。サリエラは割引要素も多く、今回は見送り。ハーツイストワールも時計勝負にならなければチャンスあり、侮れない存在だ。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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