【注目2歳馬】11.3-11.2の加速ラップで差し切る瞬発力 エピファネイア産駒ゼーゼマン
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ロスがありながら上がり最速33.3
11月25日(土)の東京芝1600mの新馬戦は、エピファネイア産駒のゼーゼマン(美浦・林徹厩舎)が勝利。母系は曽祖母ビワハイジから祖母アーデルハイト、母ロッテンマイヤーと「アルプスの少女ハイジ」を連想させる馬名が受け継がれている血統で、同馬もそれにちなんだ名前を受け継ぎ競走馬としてのスタートを切った。
レースではやや出遅れたが、すぐに巻き返して道中は12番手あたりのインを追走。馬群は一団となり、前半800mが48.5というペースで流れた。直線に向いて前がずらっと横に広がる形になると、鞍上のT.マーカンド騎手は後方を振り返りながらジワジワと外へ持ち出す。残り250mほどの地点でようやく進路が開くと、豪快なアクションと右ムチに応えて一気に差し切り、後続には1.1/4馬身差をつけた。
1:34.9は平凡な勝ちタイムだが、上がりはメンバー中最速の33.3。ロスがありながらもラスト2F11.3-11.2と加速ラップで差し切った瞬発力は素晴らしかった。ストライドも大きく、広いコースが合っていそうな印象。また、母ロッテンマイヤーは現役時代に忘れな草賞を勝利しており、血統的に2000m前後まで距離が延びても問題ないだろう。
葉牡丹賞に注目
中山、阪神、中京の3場へと開催が変わる今週末のレースでピックアップするのは、12月2日(土)の中山9Rに組まれている葉牡丹賞。10月の新馬戦を後方追走から上がり33.2の末脚で差し切り勝ちしたショウナンラピダス(美浦・国枝栄厩舎)が出走を予定している。
9月の中山開催で2:01.6の好タイムで新馬勝ちしたトロヴァトーレ(美浦・鹿戸雄一厩舎)、百日草特別で僅差の2着だったマーゴットソラーレ(美浦・伊坂重信厩舎)など有力馬の登録がある中で、中山コースにどこまで対応するのか注目だ。
新馬戦では、3日(日)の中京芝1400m戦で、J.モレイラ騎手が騎乗予定のハーツクライ産駒インクルージョン(美浦・堀宣行厩舎)に期待。1週前は美浦Wコースで6F83.5-66.0-50.4-36.1-23.0-11.3を計時しており、能力を秘めていそうだ。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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