【ジャパンC】イクイノックスは枠順次第で消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週のマイルCSでは消去条件を免れたナミュールが勝利した。しかし、推奨馬4頭のうち好走したのは1頭のみ。特注としたダノンザキッドも差し脚及ばず、掲示板に載るのが精一杯だった。
今週は11月26日に東京競馬場で行われるジャパンC(GⅠ)を予想する。今回は登録馬20頭から絞り込みを行う。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走JRA重賞以外』×『JRA・GⅠ勝利実績なし』 ★0.0%★
過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち29頭は、前走でJRAの重賞を使っていた。それ以外の馬は【0-1-0-40】(複勝率2.4%)と全く結果を残せていない。
馬券に絡んだ唯一の例は凱旋門賞からの帰国初戦で臨んだジャスタウェイ(14年2着)だが、当馬はJRA・GⅠで2勝の実績があった。JRA・GⅠでの勝ち鞍がなかった馬に限ると成績は【0-0-0-38】(同0.0%)と、1頭も好走馬が出ていない。
このデータには外国調教馬として唯一の参戦となるイレジンも該当する。フランスでGⅠ・2勝を挙げている実績馬だが、日本の高速馬場への対応が容易ではないことはデータが示している。また、当馬の実績も道悪に偏っていることから、力を発揮することは難しいと判断する。
【今年の該当馬】
・イレジン
・ウインエアフォルク
・クリノメガミエース(除外対象)
・スタッドリー
・パンサラッサ
・フォワードアゲン
『前走JRAのGⅡ、GⅢ』×『前走2着以下』 ★8.7%★
前走でJRAのGⅡあるいはGⅢを使っていた馬は【3-3-3-49】(複勝率15.5%)と、相手強化を苦にせず多くの馬が結果を残している。だがこれを前走での着順別に見ると、1着だった馬が【2-2-1-7】(同41.7%)と好成績であるのに対して、2着以下だった馬は【1-1-2-42】(同8.7%)と複勝率が大きく落ち込む。
この組からはヴェルトライゼンデ(22年3着)、シャフリヤール(21年3着)と2年連続で好走馬が出ているが、2頭はそれぞれ同コースで行われる日本ダービーでの好走歴があった。また、この組からの唯一の勝利馬であるシュヴァルグラン(17年)には、昨年の当レースで3着の実績があった。
古馬王道路線を歩むトップクラスの面々が集うレースであり、GⅡやGⅢで勝ち切ることができなかった馬の巻き返しは難しい。このデータには回避表明済みのテーオーロイヤルを含めた7頭が該当。日本屈指のステイヤーであるタイトルホルダーも含まれる。注目を集める一頭だが、瞬発力が要求される東京芝2400mでは分が悪いとみて消去対象とする。
【今年の該当馬】
・インプレス
・タイトルホルダー
・チェスナットコート
・テーオーロイヤル(回避表明済み)
・ディープボンド
・トラストケンシン
・ヴェラアズール
『前走JRA・GⅠ』×『前走6番人気以下』 ★9.1%★
当レースで馬券の中心となるのは前走でJRA・GⅠを使っていた面々で、成績は【7-6-7-48】(複勝率29.4%)と抜群だ。しかしこれを前走で6番人気以下だった馬に絞ると、【0-2-1-30】(同9.1%)まで好走率が下がる。
ここから馬券に絡んだ3頭のうち、キセキ(18年2着)、トーセンジョーダン(13年3着)にはGⅠでの勝利実績があった。残る1頭はラストインパクト(15年2着)で、GⅠタイトルこそなかったが、GⅡ・2勝の実績を有していた。
今年のメンバーからはエヒト、ショウナンバシットの2頭が該当するが、それぞれ前走のGⅠで2桁人気の評価で惨敗している。データを覆して好走した面々ほどの実績もなく、今回は消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・エヒト
・ショウナンバシット
『父キングマンボ系』×『前走2着以下』 ★5.3%★
次は血統面から絞り込みを行う。父キングマンボ系の馬は【3-2-1-20】(複勝率23.1%)と好成績なのだが、これを前走での着順別に見ると興味深いデータが浮かび上がる。前走で1着だった馬は【3-1-1-2】(同71.4%)と好走率が高いが、前走で2着以下だった馬は【0-1-0-18】(同5.3%)と凡退している。
このデータには人気馬も多く含まれており、レイデオロ(19年1番人気11着)、エイシンフラッシュ(13年3番人気10着)のダービー馬2頭も、それぞれ人気を裏切って惨敗を喫している。
該当するのは7頭。スターズオンアースは能力やコース適性に疑いの余地はないが、今回は約半年ぶりのレースであり状態面に不安が残る。同じくコース実績のあったダービー馬2頭を沈めているデータに抗うことは難しいと判断し、今回は軽視する。
【今年の該当馬】
・スターズオンアース
・(エヒト)
・(タイトルホルダー)
・(テーオーロイヤル)
・(パンサラッサ)
・(フォワードアゲン)
・(ヴェラアズール)
『6~8枠』×『前走初角5番手以内』 ★0.0%★
ここまでに消去条件を免れたのは4頭。最後は枠にまつわるデータでこの4頭を絞り込む。
東京芝2400mは内枠有利の傾向が強く、外枠の馬はうまく内に潜り込めないと大きな距離ロスを強いられる。1~2枠は【6-3-5-22】(複勝率38.9%)であるのに対して、6~8枠は【1-2-3-65】(同8.5%)と振るっていない。さらにこれを前走初角5番手以内だった馬に限定すると、【0-0-0-19】(同0.0%)と厳しいデータが浮かび上がる。
残った4頭のうち、前走初角5番手以内はイクイノックス、ドウデュースの2頭。ともに前走は相当なハイペースとなった天皇賞(秋)で先行策を取っており、そこから2ハロンの延長となる今回は折り合い面での不安も付き纏う。実力は申し分ないが、不利な外枠に入った場合には割り引きたい。
【該当候補馬】
・イクイノックス
・ドウデュース
全ての条件を終えて、凡走データに該当しなかったのはダノンベルーガ、リバティアイランドの2頭。中でも注目はリバティアイランドだ。牝馬三冠の中で最も強い競馬をしたのがオークスであり、東京芝2400mへの適性は高い。古馬の牡馬と比べて4kgの斤量差がある点は大きく、直線での瞬発力勝負になれば、世界最強馬が相手でも十分勝負になるはずだ。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、より「予想」にフォーカスした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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