【JBC】キングズソードがJBCクラシック制覇 JBC4競走を振り返る
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
4馬身差の快勝
11月3日(祝・金)、大井競馬場と門別競馬場でJBC競走4レースが行われた。JBC2歳優駿を除く3レースが行われた大井競馬場は今開催から本馬場の砂が変更され、オーストラリア産のいわゆる”白い砂”でレースが行われた。
まずは、日が沈み始めた17:00に発走となったメインレースのJBCクラシック(JpnⅠ・ダート2000m)から振り返る。勝利したのはJ.モレイラ騎手騎乗で4番人気のキングズソードだった。
森泰斗騎手に乗り替わったノットゥルノが逃げ、2番手にテーオーケインズという隊列となり、キングズソードはそれを見る形で道中3番手の外を追走。1000mを1:01.5で通過し、その後も淡々としたペースでレースは流れていった。
前3頭が横並びとなって直線に向き、残り250m地点でキングズソードが外からあっさりと交わし去ると、そのまま4馬身差でGⅠ級初制覇を飾った。勝ちタイムは2:05.1、2着ノットゥルノ、3着テーオーケインズと上位はいずれも先行勢で決着した。
モレイラ騎手は「最後の1ハロンで先頭に立って2馬身ほど引き離したときに、馬が集中力を切らすのではないかと一瞬心配しましたが、集中力を切らさないように最後まで走りました。強い勝ち方でしたので、先頭に立ったところは気持ちよかったです」と振り返った。
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また管理する寺島良調教師は「この馬のお兄さん(キングズガード)で初めての重賞を勝たせてもらって、またその全兄弟で大きいレースを勝たせてもらえたので本当に良かったと思います」と喜びを口にした。
春にアンタレスSで3着となった後はオープン特別を連勝、そして今回大舞台での勝利となったが成長著しい4歳馬。「この1年くらいで一気に良くなってきた感じで今回勝たせてもらって、さらにここから良くなると思います」その言葉通り、今後の更なる飛躍を期待したい。
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ダート転向3戦目でのJpnⅠ制覇
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JBC競走の幕開けを飾ったJBCレディスクラシック(JpnⅠ・ダート1800m)は、前走レディスプレリュード組が中心となるメンバー構成だったが、地方初参戦となった1番人気のアイコンテーラーが勝利した。
アイコンテーラーはレース前半は2番手を追走。前半1000mを1:01.9で通過したところで後方にいたテリオスベルが捲って先行集団へと取りついた。アイコンテーラーの鞍上松山弘平騎手はテリオスベルが捲り切るのを許さず先頭へ。直線に向いたところでテリオスベルを振り切ると、そのまま後続を突き放して4馬身差をつけた。
勝ちタイムは1:52.9、2着には道中中団を追走していたグランブリッジ、3着は4角7番手から運び大外から伸びたアーテルアストレアという決着だった。
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先週の日曜日に負傷した武豊騎手からの代打騎乗で結果を残した松山騎手は「キックバックは得意ではないかなと思っていたので、スムーズに自分の競馬をしたいなと考えていました」とコメント。
また管理する河内洋調教師はGⅠ級競走初制覇。「馬の状態も良かったので、なんとか頑張ってくれと祈っていました」と語り安堵の表情を浮かべた。今後については東京大賞典も含め、状態をみて考えるとのことだ。
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「やっと勝てたという思いです」
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続く10Rに行われたJBCスプリント(JpnⅠ・ダート1200m)は兵庫所属のイグナイターが勝利し、悲願のGⅠ級競走初制覇を飾った。
ゲートが開くと同時にダンシングプリンスが落馬するという波乱のスタートとなったなか、横に広がり先行争いが繰り広げられたが、イグナイターは道中2番手を追走。前半600m通過34.4、その後のラップが12.6-12.1と落ち着いたことで前は混戦となり、再び5頭が横に広がって直線へと向いた。
イグナイターは残り200mで先頭に立つと、大外から追い込んできた単勝1.2倍と断然の支持を集めていたリメイクに1馬身半差をつけ、勝ちタイムは1:12.0だった。
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イグナイターには4回目の騎乗となった地元大井所属の笹川翼騎手、今回は自信を持って挑んだ一戦だった。道中については「手応え抜群で思っていたより1列前で運べたので、仕掛けだけ早くなりすぎないように馬のリズムを大切にして、最後まで必死でした」と道中について振り返った。
そして2022年のNAR年度代表馬に育て上げ、5度目の挑戦でGⅠ級競走を制した新子雅司調教師は「やっと勝てたという思いです」と口にした。今後の予定については決めていないとのことだが、海外も視野に入っているようだ。
「一番になったからには、この座を譲りたくないので頑張ります」地方競馬の雄、イグナイターの挑戦はまだまだ続く。
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後方3番手追走から豪快に差し切る
門別競馬場で行われた2歳馬たちによる戦い、JBC2歳優駿(JpnⅢ・ダート1800m)。制したのは坂井瑠星騎手騎乗のフォーエバーヤングだった。
レースはフォーディアライフが主導権を握るも、向正面でインテンシーヴォとパッションクライ、サンライズジパングが並びかける形。フォーエバーヤングはキックバックを嫌がる素ぶりも感じさせ、後方3番手を追走した。
最後の直線はサンライズジパングが抜け出しを図ったところ、上がり最速となる38.2の末脚を繰り出し、外から豪快に差し切り1馬身半差をつけた。勝ちタイムは1:54.3だった。
フォーエバーヤングは京都ダート1800mの新馬戦を、4番手追走からラスト12.8-12.2と加速ラップで4馬身差の完勝。今回のレース内容をみてもかなりの能力を秘めていることは間違いない。新たに整備されたダートクラシック路線はもちろん、サウジやドバイといった海外挑戦もあるのか。矢作芳人調教師と藤田晋オーナーが今後どのような選択をするのかという点にも注目が集まる。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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