【川崎記念】初の小回りコースも全く苦にせず 横山和生騎手騎乗のウシュバテソーロがGⅠ級連勝

三木俊幸

川崎記念を制したウシュバテソーロと横山和生騎手(中央)。左は2着のテーオーケインズ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ロスなく完璧な立ち回り

ドバイ遠征や国内の大舞台を見据えつつも、ダート中距離路線の強豪が集結した川崎記念(JpnⅠ・ダート2100m)は2番人気のウシュバテソーロが勝利。東京大賞典に続いてGⅠ級のレースで連勝を飾った。

大外10番ゲートからライトウォーリアが先頭に立ち、2番手にノットゥルノ、並んでテーオーケインズという隊列で1周目のスタンド前へ。しかし、勢いよく捲っていったテリオスベルが途中からハナを奪う展開となる。

中団で脚をためていたウシュバテソーロは、勝負どころでも慌てず内から進出を開始。逃げていたテリオスベルのすぐ外(内から2頭目)を回って4角から直線に向くと、テーオーケインズの追撃を封じた。初めての小回りコースも全く苦にしないウシュバテソーロもさることながら、ロスなく完璧に立ち回った横山和生騎手の騎乗も見事だった。

これでダート転向後は6戦5勝。未だに底を見せておらず、弱点も見当たらない。オメガパフュームやチュウワウィザードといったこの路線を引っ張ってきた馬たちが引退した今、主役としての活躍を期待できそうだ。

4角での進路が仇となる

1番人気のテーオーケインズは、ウシュバテソーロと1/2馬身差の2着。勝負所では3番手のインにいたが、4角で大外を回してしまい、そこを勝ち馬に通られたことが響いてしまった。

川崎記念で2着に入線したテーオーケインズと松山弘平騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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これまで強いレースを披露してきただけにモヤモヤした気持ちも残るが、本来の力はこんなものではない。また次走以降に期待したい。

7歳でGⅠ級初挑戦だったニューモニュメントは2着から4馬身差の3着。展開に左右されやすい脚質ながらも近走は堅実に駆けており、ここでもそれなりに走れることを見せてくれた。

東京大賞典では2着だったノットゥルノは、2周目向正面で手応えが悪くなり8着に終わった。中京芝の未勝利も含め、日本テレビ盃7着、チャンピオンズC8着、と左回りでは結果を残せていない。

陣営が大井コースの帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典を目指すと語るように、右回りでなおかつ広いコース向きがベストの舞台なのだろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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