【根岸S】後方有利で末脚が重要なレース 東大HCの本命はギルデッドミラー

東大ホースメンクラブ

過去19年の根岸S・前走脚質別成績,ⒸSPAIA

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フェブラリーSへの最重要ステップ

今週日曜、東京競馬場を舞台にGⅢ・根岸ステークスが行われる。武蔵野Sを勝ったギルデッドミラー、同2着レモンポップ、すばるSで強敵ドライスタウトを倒したバトルクライ、昨年覇者テイエムサウスダン、マイルCS南部杯2着馬ヘリオスなど粒ぞろいのメンバー構成だ。

今年最初のJRA・GⅠフェブラリーSへの最重要ステップレースながら、本番より1ハロン短い条件とあって馬券にはひと工夫加えたいレース。今週も過去のデータを参考に狙いを考えていく。

顕著に後方有利のレース

 根岸S・前走脚質別成績,ⒸSPAIA


<根岸S・前走脚質別成績>
逃げ【0-2-2-21】勝率0.0%/連対率8.0%/複勝率16.0%
先行【6-7-5-67】勝率7.1%/連対率15.3%/複勝率21.2%
差し【7-6-6-83】勝率6.9%/連対率12.7%/複勝率18.6%
追込【6-2-5-50】勝率9.5%/連対率12.7%/複勝率20.6%
マクリ【0-2-0-2】勝率0.0%/連対率50.0%/複勝率50.0%
※2004年以降

根岸Sは末脚が重要となるレースで、東京競馬場改修後の19レースでは前走で後方から競馬をした組の台頭が目立つ。前走上がり3ハロン3位以内だった馬は【13-7-8-74】と過半数の勝利を挙げており、単勝回収率も131%と黒字域。今年の出走メンバー中で条件を満たすのはギルデッドミラー、セキフウ、デンコウリジエール、バトルクライ、レモンポップの5頭。まずはここから検討したい。

前走上がり3ハロン3位以内だった馬のうち、前走重賞組が【10-2-2-21】と勝ち切る傾向にあり、さらに距離短縮組に限ると【5-2-0-6】連対率53.8%まで好走率が上がる。5、6歳馬なら【4-1-0-1】とほぼパーフェクトで、レモンポップとギルデッドミラーは素直に上位とみなしたい。

前走上がり3ハロン4位以下、または前走地方・海外組については全体の複勝率が14.8%と好走率が格段に落ちる。とはいえこの組からも目下12年連続で馬券圏内に入った馬が出ており、無視はできないところ。

この12年間で3着以内に入った20頭中、3番人気以内だった馬が10頭、4番人気以下だった10頭中5頭が前走勝ち馬、さらに残る5頭中4頭には中央のダート重賞勝ち鞍があった。今年のメンバーなら中央ダート重賞勝ち馬のテイエムサウスダン、ケンシンコウ、エアアルマスが候補となる。

フェブラリーSに向けて

◎ギルデッドミラー
芝で頭打ちとなってのダート転向が奏功。2走前のグリーンチャンネルCではデシエルトが1分33秒5の猛時計で走破する中、ただ1頭食らいついて0秒1差の2着。武蔵野Sではレモンポップの勝ちパターンを強引に差し切った。このレースでは道中かかるしぐさを見せていたことから、1400mへの距離短縮もプラスとみる。

6歳牝馬とあってクラブ規定による引退が間近ながら、昨年暮れのレースを使わずにここに照準を合わせてきた本気度も買いたい。東京にひと雨ありそうな予報も、軽いダートに強いオルフェーヴル産駒の同馬には追い風だろう。確実に賞金を加算してフェブラリーSへ向かいたい。

◯レモンポップ
キャリア9戦で未だに連対を外していない安定感抜群の5歳牡馬。前受けからしぶとく脚を伸ばすスタイルを上級条件でも貫き、型を確立した印象だ。武蔵野Sは完璧なレース運びだったが、ギルデッドミラーの急襲に屈し2着。久々のマイル戦とあって最後に脚が止まった形だが、重賞初挑戦で歴戦の猛者相手に堂々たる競馬だった。

東京ダート1400mは【4-0-0-0】のパーフェクト。1分22秒台の勝ち時計をコンスタントに出しており、ここでも十分に主役を張れる計算が立つ。本番での評価は保留としたいが、前哨戦のここは崩れないだろう。

▲テイエムサウスダン
昨年覇者にしてフェブラリーS2着馬。左回りワンターンダート戦で国内最強のカフェファラオに食らいついた内容には一定の評価をしたい。昨年の根岸S以降は勝利がないが、かしわ記念はタフな船橋の馬場で最後の脚が鈍ったもの、東京盃は相手がスピードスター・レッドルゼルで、JBCスプリントは極端に内有利な馬場で13番枠を引いてしまい、道中外々を回る苦しい展開と、いずれも情状酌量の余地がある。

今回はルメール騎手への手替わり。根岸Sでは2020年のモズアスコットの勝利をはじめ【1-2-1-3】と過半数の騎乗馬で複勝圏内に入っている。上位評価が妥当だ。

以下バトルクライ、セキフウ、エアアルマスに印を回す。馬券は◎から印へ流す馬連とする。

▽根岸S予想▽
◎ギルデッドミラー
◯レモンポップ
▲テイエムサウスダン
△バトルクライ
×セキフウ
×エアアルマス

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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