【TCK女王盃】馬の力を信じた好騎乗 川田将雅騎手がグランブリッジを勝利に導く

三木俊幸

TCK女王杯優勝馬グランブリッジ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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福永祐一騎手からバトンを受け継いでの勝利

日本列島に大寒波が押し寄せ、栗東トレセンなど雪に見舞われた場所もあったが、快晴の大井競馬場を舞台に行われたTCK女王盃(JpnⅢ・ダート1800m)は川田将雅騎手騎乗のグランブリッジが勝利し、3つ目の重賞タイトルを獲得した。

好スタートからヴァレーデラルナが先頭で1周目のゴール前を通過。しかし、1角に差しかかるところで出ムチを入れて上がっていったテリオスベルがハナを奪い切り、2番手以下のヴァレーデラルナ、グランブリッジに3馬身ほどのリードをつけた。

ペースは遅く1000m通過は1:03.5。前の隊列は変わらずそのまま直線に向いたが残り200mでヴァレーデラルナが交わして先頭へ。押し切りを図ったが、ただ一頭外から差を詰めてきたグランブリッジがあっさりと交わし、最後は1馬身差をつけ、勝ちタイムは1:53.9(良)だった。

川田騎手はレースについて「初めて競馬で乗せていただくのでリズムの良い競馬をしながらどれほどの脚が使えるのか、馬の力を信じてやってみたところ、とても良い走りで強い目の前の馬を捕まえきってくれましたので本当にいい内容で走り切れたと思います」とグランブリッジを称えた。

さらに調教師転身が決まっている福永祐一騎手からバトンを受け継いだ点にも言及し、「祐一さんがつくりあげたグランブリッジ号をより良い舞台で良い走りができるように継続してやっていきたいと思います」とも語った。

勝ち馬の目標にされた結果

2着ヴァレーデラルナも2番手からスムーズに運んだが、素晴らしいレースを披露した勝ち馬に目標にされてしまった。さらに2馬身離れた3着となったプリティーチャンスは道中5番手を追走、展開が向かなかっただけで決して力負けではないだろう。

TCK女王杯2着馬ヴァレーデラルナ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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TCK女王杯3着馬プリティーチャンス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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JBCレディスクラシックは初対戦となったヴァレーデラルナが勝利したが、昨夏以降の牝馬路線においては4着テリオスベルも含めて、毎回勝ち馬が変わるなど上位争いは拮抗していた。

安定感のある走りに加えて、川田騎手という新たなパートナーを迎えたグランブリッジが中心となりそうにも感じるが、今後も引き続きこのような状態は続いていきそうだ。

2024年からは開催時期、名称が変更

2024年からはダートグレード競走の体系整備によって、このレースは4月に移設。園田競馬場のダート1870mを舞台に、兵庫女王盃という名称に変更される。

サンビスタ、マルシュロレーヌなどの活躍馬を輩出したTCK女王盃というレース名がなくなる寂しさはあるが、今後もダート牝馬路線の主役たちが活躍するレースとして歴史を積み重ねていくことだろう。

優勝レイをかけられたグランブリッジ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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