【CBC賞】斤量データでアネゴハダ、テイエムスパーダ無印 「前走1着」勢い乗るカリボール重賞ゲットだ

門田光生

CBC賞のレース間隔別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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軽ハンデは苦戦傾向

2022年7月3日に小倉競馬場で行われる第58回CBC賞。CBCは「中部日本放送株式会社」の略称であり、本来は中京競馬場の代表的なレースの一つ。今年は京都競馬場の改修工事の影響で日程変更があり、昨年と同様に小倉競馬場で試行される(2020年は阪神競馬場)。

いつもと競馬場が違うと使いづらいデータも出てくる。そのあたりを注意しながら、今回も過去10年の成績を参考にデータ検証していきたい。

CBC賞出走馬の所属,ⒸSPAIA CBC賞出走馬の性別,ⒸSPAIA CBC賞出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別と年齢
美浦1連対(1勝)、栗東19連対(9勝)と大きな差がついている。そもそも、ここ10年で美浦所属馬は17頭しか出走していない。しかも、今年も美浦所属馬にとって長距離輸送となる小倉競馬場。そういった理由からか、昨年に続いて関西馬のみの争いとなる。ちなみに、美浦所属馬で唯一勝ったのは2016年のレッドファルクス。次走のスプリンターズSでGⅠ初制覇を果たした。

性別では、牡馬・セン馬が12連対(7勝)、牝馬8連対(3勝)。連対率に大きな差はないが、勝率だと牡馬・セン馬が少し上回っている。ここ5年で見ても、牡馬が4勝しており、勢いでも牡馬・セン馬がやや有利とみたい。「夏は牝馬」の格言は、もっと暑さが本格化してからのようだ(今でもたいがい暑いが)。

年齢別では、13連対(8勝)の5歳馬が断トツ。続いて4連対(2勝)の6歳馬。この2世代からしか勝ち馬が出ていない。牝馬は特にこの傾向が顕著で、連対した8頭中、6頭が5歳馬だった。

CBC賞出走馬のハンデ,ⒸSPAIA


☆ハンデ
ハンデは性別ごとに分けて検証していこう。まず牡馬・セン馬だが、最も連対馬を出しているのはハンデ56キロ。成績は【3-1-3-19】で勝率も10%を超えており悪くない数字。ハンデ57.5キロは【1-2-0-1】と優秀な成績を残しているが、今年は該当馬なし。

一方、55キロ以下の馬は目立っておらず、牡馬・セン馬はハンデを背負った方が好走確率は高くなっている。ただし、ハンデ57キロだけは別。8頭が該当して、なぜか1頭も連対馬がいない。牝馬も同様の傾向で、軽ハンデの部類に入る50キロ以下は【0-1-0-11】と苦戦の傾向。54キロ以上だと【1-3-2-9】と連対率が25%を超える優秀なものとなっている。

CBC賞出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA CBC賞出走馬の前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
「夏は牝馬」の格言はちょっと早かったようだが、「夏は上がり馬」はどうだろうか。前走3勝クラスから2頭、オープンから5頭の1着馬が出ている。半分以上が重賞以外だから、格下にも十分チャンスがあるといえる。ただし、リステッド(L)だけは【0-0-0-10】で、全く結果が出ていない。重賞組では、GⅡ組が勝率15%、連対率30%を上回っている。

最も多く連対馬を出している前走レースは、安土城Sと高松宮記念で、それぞれ3頭ずつ。ただし、安土城Sはリステッドに昇格してから1頭も連対馬を出していないことが気になる。

CBC賞出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走1着馬は19頭出走して、4勝、2、3着が1回ずつ。20%を超える勝率が目立っている。しかし、これが2~4着となると【0-2-5-24】で勝ち馬がいなくなる。前走5着以下【6-7-4-85】勝率5.9%、連対率12.7%に負けており、厳しいと言わざるを得ない。

CBC賞におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。まずプラスデータだが、前走で1番人気に支持されていた馬は勝率20%、連対率26.7%と好走確率が高い。これはほかの重賞でもよく見られる傾向だが、このCBC賞は前走で5番人気に支持されていた馬も【2-2-1-7】と、これまた好成績を残している。

一方のマイナスデータはどうか。まずは出走間隔。中2週以内で挑んできた33頭中、連対したのは2016年の2着ラヴァーズポイントだけ。約9か月ぶりの実戦で勝利した昨年のファストフォースは極端な例としても、基本的に間隔が詰まるより、空いたほうが走る傾向にあるようだ。

また、前走で1.5秒以上負けて馬券に絡んだ馬はいない。最後に、前走馬体重が438キロだった小柄な馬も馬券に絡んでいないが、中京より馬場が軽いとされる小倉開催なので、これは参考程度としておく。

今年も小倉、運も味方?

CBC賞のデータをまとめていこう。まず好走パターンはA「牡馬・セン馬」B「5歳」C「牝馬でハンデ54キロ以上」D「前走1着」E「前走1番or5番人気」。

好走率が低くなるのはF「3歳、または7歳以上」G「牝馬でハンデ50キロ以下」H「前走2、3、4着」I「中2週以内」。連対がないのはJ「牡馬・セン馬でハンデ57キロ」K「前走リステッド」L「前走で1.5秒以上負けた」、そしてM「前走馬体重438キロ以下」(参考記録)となる。

今回の注目馬はカリボール。好走確率の高い「前走5番人気」「前走1着」の牡馬。マイナスデータに一つも該当しないのも大きい。中京は【0-0-0-3】と不得意だが、小倉は新馬戦(2000m)で走り2着。来年は中京競馬場に戻る予定なので、運も味方している。

ファストフォースはプラスデータがAの「牡馬」しかないが、こちらもマイナスデータがない。今回は登録馬の半分以上が、連対のないJ、K、Lに該当しているので自然と浮上してくる。

スティクスはプラスデータもマイナスデータもない。これが3番手。ロードベイリーフは前走着順で、アンコールプリュは年齢で引っかかるが、その他に大きな減点はなく押さえが必要。

前走1着のアネゴハダとテイエムスパーダの2頭も魅力なのだが、2勝クラス(旧1000万下)からCBC賞へ挑んで馬券に絡んだ馬は、20年さかのぼってもいない。加えて、好走率が低い50キロ以下のハンデ。というわけで今回はノーマークとした。

◎カリボール
◯ファストフォース
▲スティクス
△ロードベイリーフ
×アンコールプリュ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
この原稿を書いている月曜日、関東甲信、中部、九州南部で梅雨明け宣言が出ました。この調子だと、近畿も今週中に宣言が出るかも。雨は取材の天敵なのでありがたいものの、水不足で取水制限が出なければいいのですが。

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