【注目2歳馬】エリカ賞はサトノヘリオスが2戦連続レコードV クラシック候補に名乗りを上げる

三木俊幸

エリカ賞を勝利したサトノヘリオス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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1:59.7のレコード

12月11日(土)の阪神9Rに行われたエリカ賞(2歳1勝クラス・芝2000m)。2歳1勝クラスのレースながら過去にはアドマイヤベガ、クロフネ、アドマイヤグルーヴ、キングカメハメハ、エイシンフラッシュなど錚々たるメンバーが勝ち馬として名を連ねている。

そして今年もまた一頭、将来有望な馬が現れた。岩田望来騎手に導かれて勝利したのはサトノヘリオス(栗東・友道康夫厩舎)。父エピファネイア、母エアマグダラという血統だ。

レースはジャマン(栗東・高橋康之厩舎)が12.7-10.9-12.1-12.1-11.9(59.7)と軽快なラップを刻み、2番手以下に5馬身ほどのリードをつける形で縦長の隊列となった。

サトノヘリオスは6番手からレースを進め、3〜4角中間地点で後続各馬が動いて前との差がなくなってきたところでも手応え抜群で、じっと我慢していた。直線では内から3頭目の狭いところを割ってくるややリスキーな進路取りとなったが、突き抜けてくる脚は一頭だけ違っていた。

ゴール前は最内から伸びたヴェールランス(栗東・藤岡健一厩舎)をクビ差交わし、1:59.7で駆け抜けた。9月の中京開催での未勝利戦に続き、これで2戦連続のレコードタイムをマークする圧巻のレースぶり。

新馬戦は東京スポーツ杯2歳Sを勝利したイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)から大きく離された4着だったが、3着も阪神JFを制したサークルオブライフ(美浦・国枝栄厩舎)と超ハイレベルの新馬戦だったことを考えると、これくらいの結果は当然かもしれない。

また今回2着のヴェールランスが新馬戦で2着に負かしたテンダンス(栗東・中竹和也厩舎)も東京スポーツ杯2歳Sで3着と健闘しており、その比較でも、この勝利で来年のクラシックでも活躍が期待できるだけの素質を証明したと言えるだろう。

エリカ賞を勝利したサトノヘリオス,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

セリフォスvsジオグリフ

先週末の阪神JFに続き、今週末は2歳マイル王者を決める朝日杯FSが行われる。新潟2歳Sとデイリー杯2歳Sを連勝中のセリフォス(栗東・中内田充正厩舎)はデビュー戦からずっと追いかけてきた。

この馬のために土曜日に中京へと向かい、新馬戦の勝利を見届けすぐにセントレアへ。そして日曜日のために札幌へと向かうハードスケジュールだったが、そんな苦労を厭わないくらいマイラーとしてトップクラスの素質があると思っている。

そんなセリフォス最大のライバルはジオグリフ(美浦・木村哲也厩舎)だろう。東京芝1800mの新馬戦は上がり33.3の末脚で楽勝。続く2戦目は洋芝の札幌芝1800mで行われた札幌2歳Sに出走し、3角から徐々に進出すると後続に4馬身、0.7秒差をつけて完勝した。鞍上の指示にすぐさま反応できる点を含め、クラシック上位候補と言ってもいい逸材だ。

能力ではこの2頭が抜けていると考えており、どのようなレースになるのか楽しみでならない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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