【注目2歳馬】こうやまき賞はソリタリオが勝利! 古馬2勝クラスと遜色ないタイム、マイル路線で期待

三木俊幸

こうやまき賞を制したソリタリオ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ゴール前はウナギノボリの追撃を凌ぎ切る

中京競馬場・芝1600mが舞台に争われるこうやまき賞は、2013年に後のオークス馬ヌーヴォレコルト、2016年には翌年の皐月賞2着となるペルシアンナイトなどクラシックでも活躍する馬を輩出している。

今年このレースを制したのはモーリス産駒のソリタリオ(栗東・西村真幸厩舎)。6月の東京開催でデビューして2着、8月新潟開催の未勝利戦では後に白菊賞を勝利するルージュラテールの2着。そして前走10月9日の新潟芝1600mで3戦目にして初勝利をあげ、挑んだ一戦だった。

ゲートの駐立が悪く、伸び上がるような形でスタートを切ったが、大きく遅れることはなく、9頭立ての5番手で最初の2角を通過。その後は内でやや折り合いを欠く馬もいる中、3角手前から3頭横並びの3番手外までポジションを押し上げていく。

最後の直線に向いて残り200mの標識を過ぎたところで先頭へ躍り出ると、ウナギノボリ(栗東・音無秀孝厩舎)の猛追をクビ差凌ぎ切ってそのまま押し切り、オープン入りを果たした。

前半4ハロンは12.9-11.5-11.9-12.0(48.3)と速くはなかったが、ラスト3ハロンは11.5-11.6-12.1(35.2)と減速。2着ウナギノボリは4角8番手、3着レッドラマンシュ(栗東・庄野靖志厩舎)は4角7番手と差しが届きやすい流れを押し切った内容は評価できる。

さらに勝ちタイム1:35.3は数字だけを見ると地味だが、こうやまき賞の直後に行われた3歳以上2勝クラスの中京日経賞の1:35.1と遜色ないタイムでの決着だった。クラシックを狙うというよりはマイル路線を歩んでいきそうなタイプに映る。マイル路線での活躍が期待できそうだ。

こうやまき賞を制したソリタリオ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

2歳女王に輝くのは

今週末は阪神競馬場でいよいよGⅠ・阪神JFが行われる。6月から注目の2歳馬を追いかけて全国を飛び回ってきただけに、来週の朝日杯FS、年末のホープフルSとともに非常に楽しみにしている。

デビュー戦を撮影することができた縁のある馬で期待しているのは、新潟芝1600mの新馬戦、ラスト11.5-10.5-11.3(33.3)の流れを32.7の末脚で差し切ったステルナティーア(美浦・木村哲也厩舎)、新馬戦は東京スポーツ杯2歳Sを勝ったイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)の3着、その後アルテミスSを勝利したサークルオブライフ(美浦・国枝栄厩舎)、デビュー戦はセリフォスの2着、前走のアルテミスSも2着だったベルクレスタ(栗東・須貝尚介厩舎)、そして札幌記念の前日にデビューし、前走のファンタジーSを勝利したウォーターナビレラ(栗東・武幸四郎厩舎)の4頭。

ステルナティーアとサークルオブライフは末脚を活かすタイプ。対するベルクレスタ、ウォーターナビレラは先行できるタイプ。展開を味方につけられるのはどちらのタイプか、レースまでじっくり考えていきたいところ。

もう一頭、個人的にはまだ実際の走りを見ていないものの、新馬戦でラスト10.8-10.7をマーク。続く赤松賞でも上がり33.0で楽に差し切ったナミュール(栗東・高野友和厩舎)もかなりの逸材だと見ており、今年の2歳牝馬も“素質馬揃い”。ハイレベルな一戦を制し、2歳女王に輝くのはどの馬か、非常に楽しみだ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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