【クイーン賞回顧】ダイアナブライトが接戦を制する 笹川翼騎手はダートグレード競走初V

三木俊幸

2021年クイーン賞を勝利したダイアナブライト,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

南関東勢のワンツー

12月1日(水)、船橋競馬場ではクイーン賞(JpnⅢ・ダート1800m)が行われた。勝利したのは、このレースがJRAから南関東への移籍初戦となった6番人気のダイアナブライトだった。

好スタートからすんなり逃げたのは1番人気だったサルサディオーネ。しかし、JRA勢の楽な競馬はさせたくないという意図も感じられ、ペースを落とすことはできず。11.9-11.0-12.2-12.1-12.4(59.6)でレースは流れていく。

そうした中でダイアナブライトは前5頭からやや離れた6番手のインを追走。3角から徐々に前との差を詰めにかかり、4角ではサルサディオーネの直後までポジションを押し上げる。

直線に向いてからやや外にヨレて最内で粘るサルサディオーネとは内外離れての追い比べ。ゴール前で撮影していても最後までどちらが勝つか分からない大接戦となったが、最後の最後でクビ差捉えて重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1:51.4(不良)だった。

ダイアナブライト53kgに対し、トップハンデ56.5kgを背負いながら厳しいマークにもあったサルサディオーネ。結果は2着だったが、先行勢が早々と失速するなかで最後までしぶとく粘る競馬はさすがといった印象。

クイーン賞2着のを勝利したサルサディオーネ,ⒸSPAIA


そこから5馬身離れた3着にはJRA勢で唯一中団からレースを進めたプリティーチャンスが入るという結果に終わった。

クイーン賞3着のを勝利したプリティーチャンス,ⒸSPAIA

「一発狙っていた」

レース後、騎乗していた笹川翼騎手は「一発狙っていたので、嬉しい気持ち」と開口一番に語った。そして、初騎乗だったものの「これまでのレースを見たなかで、しっかりとイメージを働かせながら、ほぼ考えていた通りに乗れた」とも振り返った。

もちろん着実に力をつけてきたダイアナブライトあってのものだが、連覇を狙ったサルサディオーネやJRA勢を負かすために道中ロスなく立ち回るしかないという意図を感じられ、それを実際にやってのける騎乗は見事だった。

次走以降の予定について、管理する内田勝義調教師は「持ってきた当初から次はTCK女王盃かなと思っていたが、30日のレース(東京シンデレラマイル)もありますし、馬とオーナーと相談」と語った。

この勝利が嬉しいダートグレード競走初勝利となった笹川騎手とダイアナブライトのさらなる活躍を期待したい。

2021年クイーン賞を勝利したダイアナブライト,ⒸSPAIA


2021年クイーン賞を勝利した笹川翼騎手


ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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