【注目2歳馬】国枝厩舎から大物牝馬が現る! 好時計で勝利したサリエラに兄姉を上回る活躍を期待

三木俊幸

2歳新馬戦を制したサリエラ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

兄はサリオス

今年の東京開催最終日、国枝栄厩舎から大物牝馬2頭が出現した。1頭目は東京4R、芝2000mを逃げ切ったウィズグレイス。勝ちタイム1:58.5は2019年の葉牡丹賞でグランデマーレがマークした2歳レコードを0.4秒上回るものだった。切れるタイプというよりは持続力に長けたタイプで、広いコースのオークス向きだろう。

もう一頭は、東京6Rの芝1800mの新馬戦を勝利したサリエラ。五分のスタートからスピードの違いで先頭に立ち、そのままレースの主導権を握る。前半5ハロンまでのラップは13.5-11.6-12.2-12.3-12.1(61.7)で新馬戦としては流れていた。

レース後半に差し掛かり、3番手にいたムーア騎手騎乗のサイルーン(美浦・堀宣行厩舎)が並びかけてきて2頭が並走状態で11.6へとペースアップ。4角から直線に向いたあたりで鞍上の手が動くサイルーンに対し、サリエラのルメール騎手の手は動かず。そうした中でラスト3ハロン目のラップは10.7までペースアップしていた。

直線に向いてからも、しっかり追われ始めたのは残り300mを通過したあたり。見応えあるデッドヒートが続いたが、残り200mで徐々にサイルーンは苦しくなり、徐々に差が広がる。サリエラ自身はラスト1ハロン11.9かかったが、最後は余裕を持ちながら33.9でまとめて3馬身の差をつけてゴール。勝ちタイム1:47.2は新馬戦としてはかなり優秀なものだった。

馬体重424kgと小柄で、もう少し成長を期待したいところではあるが、兄のサリオスは朝日杯FSを制し、皐月賞と日本ダービーはコントレイルの2着。姉のサラキアはGⅠ勝ちこそなかったが、府中牝馬Sを制した後にエリザベス女王杯ではラッキーライラック、有馬記念ではクロノジェネシスの2着となっている。兄や姉を上回る活躍を期待したい。

2歳新馬戦を制したサリエラ,ⒸSPAIA



土曜日の阪神芝1800mの新馬戦は良血馬揃い

今週末は2歳重賞がないものの、中山では芝2000mの葉牡丹賞が行われる。注目はこちらも国枝厩舎のレッドランメルト。新馬戦は3着に敗れたものの、2戦目の未勝利戦は同じレースに登録のある良血馬コリエンテス(美浦・堀宣行厩舎)に0.5秒差をつけて勝利している。先行力があり、開幕週も味方につけられそうだ。

新馬戦では土曜日の阪神5R、芝1800m戦に楽しみな馬が集結しそう。マリーナドンナ(栗東・安田隆行厩舎)は父ロードカナロア、母ジェンティルドンナという超良血馬。鞍上は福永騎手を予定しているとのこと。またダノンジャッカル(栗東・中内田充正厩舎)はダノンプレミアムの全弟で、兄の主戦だった川田騎手が騎乗予定となっている。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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