【注目2歳馬】アスター賞はプルパレイが逃げ切り勝ち レース経験の差と格の違いを見せつける
三木俊幸
ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)
後半に加速ラップを刻める確かな力
秋競馬の開幕週、9月11日(土)の中山9Rに行われたのはアスター賞(1勝クラス・芝1600m)。2015年の勝ち馬は後に阪神JFとNHKマイルCを勝利したメジャーエンブレム、2017年1着のノームコアは古馬になってヴィクトリアマイルをレコード勝ち、また香港Cを勝利し海外GⅠ制覇を飾るなど、活躍馬を輩出している出世レースだ。
今年は出走8頭のうち4頭が未勝利馬というメンバー構成だったが、勝利したのは1.8倍の1番人気に推されたイスラボニータ産駒、プルパレイ(栗東・須貝尚介厩舎)だった。
好スタートからじわっと先頭に立ったプルパレイ。2角まではシナモンロールと並走する形だったが、向正面に入ると単独先頭となり、前半4ハロンのラップは12.8-12.0-12.8-12.8(50.4)。人気を分け合っていたハイアムズビーチが折り合いに苦労していたのを尻目にマイペースでラップを刻んでいく。
その後レース後半に差し掛かり、5ハロン目は12.1にペースアップ。持ったまま抜群の手応えで直線へと向いた。直後にいたハイアムズビーチが必死に追って差を詰めてきたが、残り200mの標識手前で鞍上のデムーロ騎手が軽く仕掛けると、そのまま最後まで差を詰めさせず1馬身3/4差で逃げ切った。
勝ちタイムは1:36.2。2015年メジャーエンブレムが勝利した際の前半4ハロンのレースラップが50.1、勝ちタイム1:36.5だった。今回はそれよりも0.3秒速い決着。開幕週で前が止まらない馬場状態だったということもあるが、ラスト3ハロンで11.4-11.2-11.1(33.7)と加速し続けたレース内容は高く評価できる。
新馬戦では新潟2歳S2着馬アライバルの2着、次走は新潟芝1600mの2歳レコードタイム1:33.3で勝利。ハイレベルなレースを経験してきただけのことはあると思わせる今回の内容だった。世代のトップクラスと対戦しても、互角の勝負をするだろう。
注目は素質馬揃いの中京芝2000m
今週末は3日間開催。中日となる9月19日(日)の中京5R、芝2000mの新馬戦に注目馬が出走予定。ディープインパクト産駒、トゥデイイズザデイ(栗東・池江泰寿厩舎)だ。9月2日の調教は栗東CWコースで3頭併せを行い、真ん中から抜け出し先着するという好内容だった。ノースヒルズ生産馬でPOGでも注目を集めている馬が、武豊騎手を背に新馬戦を迎える。
このレースには他にもアリストテレスの半弟でドゥラメンテ産駒のソクラテス(栗東・音無秀孝厩舎)がルメール騎手で、ハーツクライ産駒のソリダリティ(栗東・中内田充正厩舎)が川田将雅騎手で出走予定。素質馬揃いの一戦となりそうだ。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。
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