【中山金杯】ハイブリッド式消去法で上位人気馬は全滅危機 明け4歳はやはり低レベル?

八木遊

中山金杯データ

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

暮れのグランプリ『有馬記念』は、最終的に消去を免れたクロノジェネシスとサラキアがワンツーフィニッシュ。◎-×で馬連を的中した。ただし、消去したフィエールマンが3着に粘り、3連系の馬券は的中ならず。

今週、このコーナーで取り上げるのは『中山金杯』の方。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、“消去”できそうな馬を1頭でも多く取り上げたい。

※1月1日時点で除外対象の4頭は省く。

『7歳以上』×『前走から騎手乗り替わり』★0.0%★

中山金杯は高齢馬の苦戦が顕著だ。過去10年で7歳以上の馬は【1-0-2-59】(複勝率4.8%)。この時点で7歳以上は全て消去してもいいが、ハイブリッド式ではもう一つ別の条件を掛け合わせる。今回は『前走から騎手乗り替わり』がそれに当てはまる。この2つの条件に合致した馬は過去10年で【0-0-0-37】。自信を持って、該当馬を消去したい。

出走予定17頭のうち明け7歳以上の馬は5頭いる。このうち4頭の鞍上が乗り替わり予定だ。1年前の中山金杯で2着に入ったウインイクシードとトップハンデ58kgを背負うカデナは最初の条件で消去対象となってしまった。

【今年の該当馬】
・ウインイクシード
・カデナ
・マウントゴールド
・ロードクエスト

『今回斤量54kg(牝馬52kg)以下』×『前走馬体重480kg未満』★0.0%★

続いては、斤量に注目した。ハンデ戦の中山金杯では基本的に軽ハンデの馬が苦戦している。斤量54kg以下(牝馬52kg以下)は過去10年で【0-1-2-40】(複勝率7.0%)。馬券圏内に好走したのは3頭だけで、その3頭には前走馬体重480kg以上という共通点があった。つまり、前走480kg未満は全て4着以下だったということ。この条件に当てはまった馬の過去10年の成績は【0-0-0-20】。2つ目にも複勝率0%のデータを採用したい。

今回この条件に当てはまったのはショウナンバルディとリュヌルージュの2頭。前者は、昇級初戦の前走・中日新聞杯で4着と好走した実力馬だが、やむなく消去する。

【今年の該当馬】
・ショウナンバルディ
・リュヌルージュ

『母父ND系』×『前走距離2000m以外』★0.0%★

3つ目の条件は、母父血統に注目した。中山金杯に弱い母父は、ずばりノーザンダンサー(ND)系だ。過去10年の成績は【1-0-1-38】(複勝率5.0%)とさっぱりだ。馬券圏内に入った2頭に共通していたのが、ともに前走で2000mを走っていたという点。つまり、前走2000m以外を走っていた馬は【0-0-0-19】で、全て4着以下に沈んでいる。

このデータに当てはまったのは3頭。うち2頭が人気を集めそうな明け4歳馬だ。ダーリントンホールは皐月賞と日本ダービーに出走。ディープボンドは3冠レースに皆勤し、10着、5着、4着と好走している。ただし、この2頭はともに古馬とは初対戦。あっさりワンツーを決めても不思議はないが、今回は見送りが妥当と見る。

【今年の該当馬】
・ダーリントンホール
・ディープボンド
・ロザムール

『SS系』×『前走と同斤量or斤量減』★4.2%★

4つ目のデータは、同じ血統でも種牡馬に注目した。取り上げるのはサンデーサイレンス(SS)系だ。SS系の過去10年の成績は【5-4-3-74】(複勝率14.0%)。この条件に組み合わせるのは、前走からの斤量の変動だ。前走から斤量が増え中山金杯に臨んだ馬は【5-2-2-6】(複勝率60.0%)と非常に高いが、前走と同斤量、もしくは前走から斤量減で出走した馬は【0-2-1-68】(複勝率4.2%)と苦戦している。

今回この条件には6頭当てはまったが、5頭はすでに消去済み。新たに該当したのは、ヒシイグアスだった。自己条件2連勝中の上がり馬で、上位人気になりそうだが、思い切って消去したい。

【今年の該当馬】
・(ウインイクシード)
・(カデナ)
・(ディープボンド)
・ヒシイグアス
・(マウントゴールド)
・(ロードクエスト)

『馬番10番から外』×『前走4着以下』★3.7%★

過去10年の馬番別成績を見ると、10番枠より外の2桁馬番は【2-3-3-60】(複勝率11.8%)と苦戦している。1桁馬番は【8-7-7-67】(複勝率24.7%)なので、複勝率は2倍以上とその差は歴然。ただし、2桁馬番でも前走3着以内なら【1-2-3-8】(複勝率42.9%)と十分勝負になっている。かたや前走4着以下の馬が2桁馬番に収まった時は【1-1-0-52】(複勝率3.7%)と信頼度は一気に落ちる。

最後の条件は、枠順が決まってからの判断となる。現時点で残っている7頭のうち前走4着以下は次の3頭だ。もし10番枠より外に入った場合は消去したい。

【今年の該当候補】
・アールスター
・テリトーリアル
・マイネルサーパス

5つの消去データを経て、確実に消去を免れるのは、ココロノトウダイ、シークレットラン、バイオスパーク、ヴァンケドミンゴの4頭。最終的な印と買い目は、出走15~20分前にツイッターに掲載する予定だが、2021年は調教の動きやパドックの気配を重視したい。そのため、ここで消去した馬も最終的な買い目に入れる可能性はある。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載予定。


《関連記事》
【中山金杯】波乱の余地あり 穴候補は「前走3勝クラスないしGⅢ」「芝2000m以下出走の6歳馬」
【京都金杯】「500キロ以上の大型馬」「前走1400m」「前走後方」など 中京マイルで覚えておきたいデータとは
年度代表馬はどっち? コントレイルとアーモンドアイの2020年をデータで振り返る

おすすめ記事