【ジャパンC】強データそろうマスカレードボールを信頼 相手にはアドマイヤテラが浮上
門田光生

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天皇賞(秋)経由が王道
30日に東京競馬場で行われる第45回ジャパンカップ。当初は未知の海外馬に日本馬が挑戦という構図だったはずが、2005年を最後に外国馬が勝っていない事態に陥っている。
「どんな馬がきても、今年も地元馬が勝つだろう」という気持ちは、もしかしたら凱旋門賞における、欧州勢の思いと同じなのかもしれない。日本馬に勝ってほしい半面、強い外国馬を見たい願望も残っているが、果たして今年はどんな結果が待っているのか。
そんなジャパンカップの傾向について、過去10回の成績を基にして検証していきたい。なお、2024年は2着同着となっている。
☆所属
美浦3勝(7連対)、栗東7勝(14連対)。勝率、連対率、複勝率のいずれも栗東所属が上回っている。外国馬は25頭出走して3着以内は1頭もいない。

☆性別
牡馬・セン馬が7勝(16連対)。牝馬は3勝(5連対)だが、各種好走率は牝馬が大きく上回っている。

☆年齢
馬券に絡む確率が最も高いのは3歳だが、勝ち馬は1頭だけ。4歳は連対馬が最も多いのが勝率、連対率、複勝率でトップの項目はない。5歳は勝率がトップだが、馬券に絡む確率は3、4歳と比べて一番低い。よって、年齢による加点はなしとする。
一方、6歳以上は50頭が走って1頭も馬券に絡んでいない。

☆前走クラス
勝ち馬は前走で国内GⅠかGⅡを走っていた組に限られる。3着以内まで広げても、前走で海外レースだった馬が加わるだけだった。

☆主な前走
勝ち馬6頭、連対馬9頭を出している天皇賞(秋)からの参戦が王道ローテーション。また、3歳牝馬なら秋華賞組が好成績だが、今年は参戦がない。

☆前走着順
前走1着、3着が好成績。5着や10着以下からは勝ち馬が出ていない。

☆前走人気
前走1番人気と2番人気が好結果。一方、3番人気、6~9番人気は勝ち馬なし。4番人気、10番人気以下からは連対馬が出ていない。

☆前走着差
まずは前走で勝ち馬から。着差をつけた方が好成績で、0.3秒以上だと連対率が50%を超える。
一方で負けた馬は、0.3秒以上離されていると勝率が1%台になり、1秒以上差だと勝ち馬がいなくなる。

☆前走距離
前走で1800m以下、もしくは2200mを走っていた馬からは連対馬が出ていない。

データからの有力候補は4頭
ジャパンCのデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは下記の通り。
【好走率アップ】
A「栗東所属」
B「牝馬」
C「前走天皇賞(秋)」
D「前走1着、3着」
E「前走1番人気、2番人気」
【勝率ダウン】
F「前走が0.3~0.9秒差負け」
【勝ち馬なし】
G「前走海外」
H「前走5着or10着以下」
I「前走6~9番人気」
J「前走1秒差以上負け」
【連対馬なし】
K「外国馬」
L「6歳以上」
M「前走GⅢ以下」
N「前走4番人気or10番人気以下」
O「前走1800m以下or2200m」
最初にプラスデータを勝率順に並べてみる。

「勝ち馬なし」以下のマイナスデータ「G~O」を持たない馬は、アドマイヤテラ(AE)、サンライズアース(AE)、タスティエーラ(CE)、マスカレードボール(CDE)の4頭のみ。
このうち、アドマイヤテラとタスティエーラは、勝率ダウンとなるF「前走0.3~0.9秒差負け」に該当。よって、本命候補からは外す。
最多3つのプラスデータを持つマスカレードボールだが、「C、D、E」はいずれも勝率上位の3データ。文句なしの本命とする。
残るサンライズアースについてだが、該当する「A、E」はプラスデータ内では勝利がやや低い。いったん評価は保留として相手探しに移る。
次はプラスデータを連対率順に並べてみる。

相手探しでは、勝ち馬が出ていない「G~J」該当馬も評価対象とする。プラスデータを複数持つのは、アドマイヤテラ(AE)、サンライズアース(AE)、タスティエーラ(CE)3頭のみで、先ほどと変わらず。
この中で、最も連対率がいいE「前走1番人気」に該当するアドマイヤテラを相手筆頭とする。ほか2頭はいずれもE「前走2番人気」が共通。もう一つのデータ比較では、C「前走天皇賞(秋)」の方がA「栗東所属」よりも上なので、▲タスティエーラ、△サンライズアースとする。
◎マスカレードボール
◯アドマイヤテラ
▲タスティエーラ
△サンライズアース
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
動物園でシマウマを見たとき、気になるのは腹回り。「太め残しだな」と思ってしまいます。パドック解説をしていることも影響しているようです。これも一種の職業病ですね(笑)
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