【浦和記念】4歳馬が近10年で5勝と好相性 ロードクロンヌが“5度目の正直”で初タイトルへ

菊池敬太

浦和記念のピックアップデータ,ⒸSPAIA

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年末の大一番へ向けた戦い

26日(水)に浦和競馬場で浦和記念(ダート2000m・JpnⅡ)が実施される。前走のシリウスステークスで重賞初Vを飾ったホウオウルーレットをはじめ、重賞戦線で上位争いを続けるロードクロンヌ、国内外で重賞4勝のクラウンプライド、前哨戦の埼玉新聞栄冠賞を勝ったスレイマン、大井所属の3歳ナイトオブファイアなどJRAと地方から実力馬が集結した。

まずは予想に入る前に、過去10年のレース傾向を振り返ってみよう。

過去10年の優勝馬一覧,ⒸSPAIA
人気別成績(過去10年),ⒸSPAIA


人気別成績では、1番人気が【2-2-2-4】複勝率60.0%。2番人気は【3-1-1-5】50.0%で、3番人気が【1-5-1-3】70.0%といずれも好成績。連対馬20頭中19頭が5番人気以内だった。

所属別成績(過去10年),ⒸSPAIA

所属別ではJRAが15連対(栗東12、美浦3)とリード。地方は船橋が2連対、大井、川崎、浦和が各1連対ずつとなる。

年齢別成績(過去10年),ⒸSPAIA

年齢では4歳馬が7連対でトップ。3歳馬が5連対、6歳馬が3連対と続く。以下、5歳馬と7歳馬が各2連対、8歳馬は1連対となる。

実績面では連対馬20頭中16頭にダートグレードでの連対歴があった。前走データでは、連対馬20頭中14頭が前走JpnⅠ・GI経由、もしくは前走1着経由だった。

ほか、脚質では【逃げ2 先行13 差し4 追込1】と小回りコースらしく先行馬の好走が目立つ。

浦和記念のピックアップデータ,ⒸSPAIA

4歳ロードクロンヌが重賞初制覇を決める

◎ロードクロンヌ
栗東所属で、過去10年の勝率は27.8%と好相性の4歳勢。ダートに転向後は破竹の4連勝でオープン入りを果たし、直近4戦は重賞で3着→2着→2着→3着とあと一歩の競馬が続いている。

浦和コースは初めてだが、小回り向きの器用さがあり、休み明けをひと叩きされて上積みも十分。昨年の勝ち馬アウトレンジなど前走JRAのダート組が10年で3勝を挙げている点や、前述の好データ「ダートグレードでの連対歴」がある点も好材料だ。5度目の正直で重賞初制覇を決める。

◯クラウンプライド
栗東所属の6歳馬で、GⅠ・JpnⅠで2着3回の実績を持つ。秋初戦のマイルチャンピオンシップ南部杯は少し距離が忙しく、自分の競馬ができなかった。

戦歴からも2000mに距離が延びるのはプラスで、遠征競馬も経験豊富。ローテ面では、「前走がJBC以外の地方ダートグレード組」は過去10年で3勝含む8連対を誇っている点も心強い。JpnⅡのメンバー構成なら好勝負が可能だ。

▲ホウオウルーレット
前走のシリウスステークスで重賞初制覇を達成した美浦所属の6歳馬。後方からの脚質的に小回りが懸念材料だが、地方のコースを熟知している岩田康誠騎手が手綱をとる点は頼もしく、ゆったり運べる2000mの距離は合っている印象だ。

また、近年の連対馬20頭中7頭が該当する「前走1着」である点もプラス。仕掛けのタイミングひとつで上位に加わってくる。

ほか、大井のナイトオブファイアは4月の羽田盃で2着と好走し、3歳ダート世代ではトップクラスの実力を示してきた。今回は年長馬と初対決になるが、小回りの左回りコースは2走前に対応済みで、さらに別定54キロで出走できるのもプラス材料。3歳馬は過去10年で連対率50%と好成績を残しており、自分の競馬ができれば上位をにぎわす存在になりそうだ。

同じく大井所属のスレイマンは、転入初戦となる前走の埼玉新聞栄冠賞で重賞初制覇を飾った。過去10年で7歳以上は、最高着順が2着3回と勝利していない点は割引材料だが、過去にはテレ玉杯オーバルスプリントで2着に好走しており、コース適性は高い。ここでも大崩れは考えにくい。

大井のマルカンラニは3連勝で前走の東京記念を圧勝した。前走が地方限定の重賞組からの好走は2021年タービランス(2着)だけだが、今の充実ぶりなら上位に加わってもいい。デルマソトガケは2歳時にJpnⅠ勝ち、2023年にはブリーダーズカップクラシックで2着に入った実力の持ち主。長らく勝ち星がないが、転厩2戦目での変わり身に注意を払いたい。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。
近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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