【ジャパンC】GⅠ連勝を狙うマスカレードボール中心 クロワデュノール、ダノンデサイルは複勝率4.3%条件に該当
貴シンジ

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は11月30日(日)東京競馬場で行われるジャパンカップについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった19頭のうち除外対象のサンストックトンを除いた18頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。
重要データ:前走GⅠ、GⅡで好走した馬に注目

ジャパンCは秋古馬三冠の第二関門。天皇賞(秋)の東京芝2000mや有馬記念の中山芝2500mと比べると、東京芝2400mは最もクセが少なく、上位人気馬が非常に強い。
レース全体の単勝回収率は27%、複勝回収率は34%となっており、過去10年で1番人気が6勝している。さらに6番人気以下の馬は0勝、まずは上位人気馬から軸と本命を探すのが良いだろう。
重要視したいデータは前走クラス別成績。条件戦、OP・L、GⅢ、地方からは好走馬が一頭も出ておらず、今回は割愛する。
GⅡ組(国内)は【3-3-3-46】で勝率5.5%、複勝率16.4%。対してGⅠ組(国内)は【7-6-6-43】で勝率11.3%、複勝率30.6%となっている。
また前走海外組は【0-2-0-28】となっており、昨年同着で2着だったシンエンペラーとドゥレッツァしか馬券に絡んでいないため積極的には狙いづらい。
前走海外重賞を連対している馬が14頭もいながら、2頭しか馬券に絡んでいないというのが海外組の現状だ。そのためカランダガン、クロワデュノール、ダノンデサイルなどの上位人気が予想される馬にとっては厳しいデータだ。
もう少しデータを深掘りすると、前走国内GⅠ、GⅡで3着以内だった馬は【8-6-5-25】で勝率18.2%、複勝率43.2%まで率が上昇。かなり絞り込むことができる。
【前走GⅠ、 GⅡ(国内)で3着以内の出走予定馬】
・サンライズアース
・ジャスティンパレス
・ディープモンスター
・マスカレードボール
・ヨーホーレイク
前走内容;天皇賞(秋)のマスカレードボール
マスカレードボールの前走は天皇賞(秋)1着。この日の東京競馬場の馬場状態は非常に良く、時計がかなり出ていた。
レースは前半5Fが1分2秒0、後半5Fが56.6秒と後傾5.4秒の超スローペース。上がり最速のシランケドが3Fで31.7秒を記録するようなレースとなり、前々で運んだ馬にかなり有利な展開で切れ味勝負の一戦だった。
マスカレードボールは中団馬群を追走していたが、向こう正面で馬体の接触があり、少し減速しかけたため、追いなおすロスがあった。ポジション的には決して有利な位置ではなかったが、上がり32.3秒の末脚で2着のミュージアムマイルに3/4馬身差をつけて快勝した。
これだけスローペースだと着差が付きにくいのは当然で、得意ではない上がり勝負でも勝ち切ったことがこの馬の強さの証明となった。
血統解説:ジャスティンパレス

・ジャスティンパレス
母パレスルーマーが米国産馬のため日本での牝祖は母。ジャスティンパレスはステイヤー色が強いファミリーの一頭だ。
兄にはベルモントS(GⅠ・ダート2400m)とメトロポリタンH(GⅠ・ダート1600m)を勝利したPalace Malice(父Curlin)と、ステイヤーズSを勝ち、阪神大賞典2着があるアイアンバローズ(父オルフェーヴル)がいる。
スタミナ十分なファミリーなのは言わずもがなだが、操縦性が高いこともポイントだ。本馬は父にディープインパクトを迎えたことで、スピード性能の高さと切れ味を補ったような配合。23年の天皇賞(秋)2着以降は長らく馬券に絡んでいなかったが、2走前の宝塚記念と前走の天皇賞(秋)で3着と復調している。
特に前走は苦手な上がり勝負でやや掛かり気味のなか、直線もスムーズではなかったがしっかりと伸びた。ブリンカーが上手くハマっているような印象で、今のジャスティンパレスなら再びの好走があっても不思議ない。
Cアナライズはマスカレードボールを推奨
今回のCアナライズはマスカレードボールを推奨する。前走の勝ち方を見る限り、秋になって成長しているのは明らかで、実力はすでに国内トップクラスだ。距離延長は歓迎で東京芝2400mであれば実力を十分に発揮できる。
そしてもう一頭注目するのが、血統解説で挙げたジャスティンパレス。上位人気が予想される馬たちが前走海外という割引データに該当しており、他で探すなら本馬だ。ブリンカーを着用した効果が如実に表れており、過去の戦績や前走の上がり勝負にも対応した姿を見ると面白い存在だ。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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