【エルムS】血統&年齢がカギ 3つの関門を完全突破!データが導く注目馬

逆瀬川龍之介

エルムS好走馬の共通点と注目馬,ⒸSPAIA

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一筋縄ではいかないレースの突破口は?

エルムステークスは一筋縄ではいかないレースだ。直近4年の勝ち馬の単勝人気は4→9→6→5と波乱傾向。一方で18年と20年は3連単が4桁配当に落ち着いている。

そこで頼るべきはデータだ。15年以降、直近10回のエルムSのうち函館開催の21年を除いた9回を徹底チェック。好走馬に共通する傾向を見つけ出し、今年の注目馬をピックアップしよう。

(1)血統:父ストームキャット系
近年のダート戦ではいわゆる“米国血統”のエーピーインディ系とストームキャット系産駒が幅を利かせている。では、エルムSではどうかというと、前者が【0-0-0-8】と大苦戦しているのに対し、後者は【2-3-2-6】勝率15.4%、複勝率53.8%の好成績。回収率も単勝が224%で複勝でも203%と優秀だ。

とりわけ近3年の活躍は目覚ましく、22年は1着フルデプスリーダー(9番人気)→2着ウェルドーン(6番人気)、23年は1着セキフウ(6番人気)→2着ワールドタキオン(4番人気)で、ともに2頭出しでのワンツー。さらに昨年もテーオードレフォン(10番人気)が3着だから、凄いと言うしかない。

今年は大挙6頭が登録しているので、再び上位独占があるかも。該当馬は下記の通りだ。

<該当馬>
・ショウナンライシン
・ジョーメッドヴィン
・テーオードレフォン
・ハビレ(除外対象)
・ペリエール
・ワールドタキオン

(2)年齢:4、5歳
芝に比べると高齢馬の活躍が目立つダートだが、エルムSには当てはまらない。年齢別の成績を見ると、4歳【3-2-0-15】勝率15.0%、複勝率25.0%で5歳【6-3-3-20】勝率18.8%、複勝率37.5%となり、ともにアベレージを大きく上回っている。

一方で、6歳は【0-2-5-29】勝率0.0%、複勝率19.4%、7歳以上は【0-2-1-32】の勝率0.0%、複勝率8.6%となっており、ともに2着まで。少なくとも馬単や3連単のアタマでは買わないようにしたい。

<該当馬>
・ショウナンライシン
・ジャスティンアース(除外対象)
・ジョーメッドヴィン
・トロヴァトーレ
・ドゥラエレーデ
・ハビレ(除外対象)
・ブライアンセンス
・ペリエール
・ロードクロンヌ

(3)ローテーション:前走マリーンS、大沼S
エルムSの王道ローテといえば、函館ダート1700mを舞台とするオープンの2鞍、マリーンSと大沼Sだ。実際に両レースをステップに挑んだ馬は【6-3-4-35】の勝率12.5%、複勝率27.1%と好成績。全ての年で少なくとも1頭は馬券に絡んでいるので、絶対に軽視できない。

さらに前走の着順別成績を見ると、3着以内だった馬が【6-2-2-14】の勝率25.0%、複勝率41.7%と優秀だ。この中には22年に9番人気で1着のフルデプスリーダー、23年に6番人気で制したセキフウ、24年に10番人気で3着に健闘したテーオードレフォンも含まれるので、人気薄でも迷わず買いたい。

<該当馬>
■前走3着以内
・ジャスティンアース(除外対象)
・テーオードレフォン
・ペリエール

■前走4着以下
・ハビレ(除外対象)
・ショウナンライシン
・ワールドタキオン

前走で復活果たしたペリエールで勝負

本命はペリエールだ。登録17頭の中でただ1頭、3つの関門を完全突破。「ストームキャット系」ヘニーヒューズ産駒の「5歳」。そして「前走が大沼S(函館ダート1700m)で1着」だから、文句のつけようがない。

前走は番手から直線に向いて先頭に立ち、危なげなく2馬身半差の完勝。一時期は勝ち切れないレースが続いていたが、完全復活とみていいだろう。ここで23年のユニコーンS以来となる重賞2勝目を期待しよう。

相手はショウナンライシン、テーオードレフォン、ロードクロンヌ、ワールドタキオンの4頭に加え、除外対象ながら出走してくれば狙いたいジャスティンアース、ハビレの計6頭。単勝&馬連&3連複流しで勝負したい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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