【桜花賞】エリカエクスプレスは消し!アルマヴェローチェも枠次第 ハイブリッド式消去法

八木遊

桜花賞の消去法データ,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今回は日曜に阪神競馬場で行われる牝馬クラシック第1弾の桜花賞を予想する。いつも通り、過去10年のデータを使って、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。

今回は登録24頭のうち、除外対象の6頭(スリールミニョン、ミストレス、ムイ、ルージュラナキラ、エストゥペンダ、ロヴィーサ)を除く、出走予定の18頭を対象に進めていきたい。

『前走4着以下』×『父ディープインパクト系以外』★0.0%★

まずは前走で4着以下に負けていた馬を取り上げる。過去10年の成績は【0-2-2-42】(複勝率8.7%)と、このデータだけで複勝率は消去対象の10%未満だ。ただし、ハイブリッド式では精度を高めるため別の条件を掛け合わせる。

今回は血統データから父がディープインパクト系以外という条件を採用した。過去10年で34頭がこの組み合わせに当てはまっていたが、桜花賞ではそろって馬券圏外に沈んでいた。

今年は以下の3頭がこの条件に当てはまった。3頭は重賞もしくはリステッドを勝利しており、その能力は世代牝馬の中でも上位。ただし、いずれもベストの距離は1400mか。今回はまとめて消去する。

【今年の該当馬】
・ダンツエラン
・ナムラクララ
・ランフォーヴァウ

『美浦所属馬』×『4月以降生まれ』★0.0%★

続いては東西別データを取り上げたい。関西馬の【6-8-6-95】(複勝率17.4%)に対して、関東馬は【4-2-4-53】(複勝率15.9%)と、両者に大きな差はない。ただし馬券に絡んだ関東馬の10頭には1~3月生まれという共通点があった。

4月以降に生まれた関東馬に絞ると【0-0-0-18】(同0.0%)。2015年には1~2番人気のルージュバックとココロノアイが、それぞれ9着、10着と大敗を喫するなど苦戦が続いている。

今年はブラウンラチェットとプリムツァールの2頭がこの条件に当てはまった。前者は前走の阪神JFで1番人気に推されるも16着に惨敗。京都への長距離輸送で大幅馬体減も影響したか。今回も阪神への輸送が控えており、ここはより舞台設定が合うオークスへのたたき台とみる。

【今年の該当馬】
・ブラウンラチェット
・プリムツァール

『キャリア4戦以上』×『前走が人気を上回る着順』★1.9%★

3つ目はキャリア4戦以上の馬を取り上げる。過去10年の成績は【5-4-6-115】(複勝率11.5%)と振るわない。特に前走着順が人気順を上回っていた馬は【1-0-0-53】(同1.9%)とサッパリだった。

今年は大挙9頭がこの条件に当てはまった。2月のクイーンCを快勝したエンブロイダリーは、鞍上にJ.モレイラ騎手を迎えてかなり人気を集めそう。ただし、唯一右回りを経験したサフラン賞で5着に敗れている点が気掛かり。ここは思い切って消去したい。

【今年の該当馬】
・ウォーターガーベラ
・エンブロイダリー
・クリノメイ
・ショウナンザナドゥ
・(ダンツエラン)
・チェルビアット
・ボンヌソワレ
・マピュース
・ヴーレヴー

『前走470kg未満』×『前走4角4番手以内』★2.3%★

続いては馬格に注目した。前走を470kg未満で走っていた小型~中型馬は【6-5-5-110】(複勝率12.7%)と苦戦傾向。特に前走4角を4番手以内の前目で通過していた馬は【1-0-0-42】(同2.3%)だった。やや馬格に欠ける馬を狙うなら差しタイプがベターだろう。

今年は以下の5頭がこの条件に当てはまった。エリカエクスプレスはキャリア2戦目で勝利したフェアリーSが好内容だったこともあり、桜花賞では1番人気を争うことになりそう。ただし、自慢の先行力は直線の長い阪神外回りコースではマイナス要素になる可能性もある。同じく人気を集めそうなビップデイジーらとともに消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・エリカエクスプレス
・(クリノメイ)
・トワイライトシティ
・ビップデイジー
・(ボンヌソワレ)

『前走上がり1位』×『今回4枠以内』★6.7%★

ここまで4つのデータを終えて18頭中16頭を消去した。最後は前走の上がり3F順位と枠順を掛け合わせて絞り込みを図りたい。

取り上げるのは前走上がり1位だった馬。過去10年の成績は【4-3-1-38】(複勝率17.4%)と思ったほど成績は良くない。特に桜花賞で1~4枠の内目の枠に入ると【0-1-0-14】(同6.7%)。唯一馬券に絡んだ18年の2着馬ラッキーライラックも1番人気を裏切ってのものだった。

残っている2頭で、アルマヴェローチェは前走の阪神JFで上がり1位をマークしていた。もし1~4枠に入れば消去する。

【今年の該当候補】
・アルマヴェローチェ

すべての条件を終えて、確実に残るのはリンクスティップだけとなった。まだ1勝馬の身だが、牝馬には先着を許していない。デビュー戦はミッキーゴールドにアタマ差、前走のきさらぎ賞は3馬身差をつけられたが、勝ったのは皐月賞で有力視されるサトノシャイニングだった。鞍上予定のM.デムーロ騎手に久々のGⅠ勝利を期待したい。

馬券はリンクスティップの単複と、アルマヴェローチェが外枠に入れば、2頭の馬連とワイドを押さえる。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<大阪杯>
◎デシエルト(7番人気、14着)
◯ヨーホーレイク(8番人気、3着)
▲ボルドグフーシュ(12番人気、8着)
※単勝、複勝、ワイド、馬連→不的中

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