【全日本2歳優駿】牝馬のミリアッドラヴが3連勝でJpnⅠ制覇 距離延長も早め先頭から押し切る
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
国内外での活躍を期待
全日本2歳優駿(JpnⅠ・ダート1600m)は2022年にデルマソトガケ、2023年にフォーエバーヤングが勝利するなど、近年は国内外で活躍する馬たちを輩出している注目の一戦。今年は西村淳也騎手騎乗の牝馬ミリアッドラヴが勝利し、デビューから3連勝でのビッグタイトル獲得となった。
9月の中京ダート1400mの新馬戦は、1:23.9と2歳レコードに0.3秒差まで迫る好タイムで勝利。続く牝馬限定重賞のエーデルワイス賞も後続に2馬身半差をつけて快勝した。いずれも強さを見せる内容。今回は更なる相手強化、距離延長という未知な面もある中での参戦も、そんな不安を打ち消す快勝だった。
ミリアッドラヴはスタート直後に外にヨレる場面が見受けられた。レースはそのあおりを受けながらもホーリーグレイルが一気にハナを奪い、800m通過は49.7(12.7-11.0-13.0-13.0)と、中盤に差しかかっても極端にペースが落ちることなく流れた。
ミリアッドラヴはホーリーグレイルから3馬身ほど離れた単独の2番手から運んだ。3〜4角を迎えたところで先頭に立ち、ラストは13.6-13.6と上がりを要する展開となったが、直線でも後続の追い上げを許さず3/4馬身差。勝ちタイムは1:42.4(良)での決着となった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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前走のエーデルワイス賞を勝利した後から、来年2月のサウジダービー参戦を視野に入れるコメントが出ていたが、今回のレースぶりはそれが現実のものとなりそうな勝ち方。新谷功一厩舎はこれまでクラウンプライドやリメイクなどで海外遠征し、結果を残してきた。ミリアッドラヴも厩舎の先輩に続くような国内外での活躍が期待できそうだ。
1番人気ナチュラルライズは4着
2着に入ったのは、前走で兵庫ジュニアグランプリを制しての参戦だったハッピーマン。スタートで出遅れたが、1周目のスタンド前で一旦外に持ち出した後、内に進路を切り替えるという坂井瑠星騎手の好判断で道中は3番手のインで脚を溜めた。
勝ち馬を前に見ながら勝負所でも追いかけ、最後の直線は徐々に迫ったが及ばず。それでも出遅れた以外は文句なしのレースぶりだったという印象。力は出し切ったと言えるだろう。
3着はJBC2歳優駿を勝利して挑んだホッカイドウ競馬所属のソルジャーフィルド。道中は中団を追走し、直線では伸びたが2着に1馬身半及ばなかった。コースにもしっかり対応し、強敵相手にも健闘した内容は評価できるとともに、距離はもう少し長くてもよさそうだ。
前走カトレアSを勝利し、単勝1.4倍の1番人気だったナチュラルライズは、ソルジャーフィルドとハナ差の4着。スタートで出遅れ、1角では頭を上げる場面も見られた。コーナーの回り方もスムーズではなく、小回りコースに対応できなかったという印象は拭えない。次走以降、広いコースに戻ればしっかりと巻き返してくるはずだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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