【注目2歳馬】新馬戦としては破格の1:51.2を記録 サンダースノー産駒ナルカミが大差勝ち

三木俊幸

2024年11月9日の京都4Rを圧勝したナルカミ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ダート路線の主役候補へ

11月9日(土)の京都4Rに組まれていたダート1800mの新馬戦は、坂井瑠星騎手騎乗のサンダースノー産駒ナルカミが勝利。来年の3歳ダート路線で主役になれそうな予感さえ漂う圧巻のレースを披露した。

ややバランスを崩し気味ながらも好スタートを切ると、そのままトモジャシックとの先行争いを制してハナを奪う。1角の400m通過地点から3角手前の1000m通過地点までのラップは12.8-13.1-12.7と際立ってハイペースというわけでもなく、1000m通過1:02.6。先行集団は一団となる展開だった。

その後、2番手以下は4角で鞍上の手が動き始めたのに対して、ナルカミは楽な手応えで、直線に向くと後続を引き離しての独走状態。上がり36.3(11.8-12.1-12.4)は上がり2位の馬を1.8秒上回り、2着プリンセッサを2.0秒ちぎっての大差勝ちを果たした。

勝ちタイム1:51.2は、2017年のもちの木賞でビッグスモーキーが記録した2歳レコードと0.2秒差。そのレコードは重馬場でのものであり、今回はゴール前含水率4.0%という良馬場だった。良馬場発表ながら時計が出やすいコンディションであったことは否めないが、同日2Rの2歳未勝利戦より4.4秒、6Rの3歳以上1勝クラスより0.4秒速く、翌日の10Rに組まれていたラッキーライラックC(3勝クラス)と同タイムという点からも新馬戦としては破格と言っていい。

2着のプリンセッサも3着ミライヘノカギにはさらに1.0秒差(6馬身)をつけており、こちらも通常であれば好タイムで勝利できているレベルだろう。

本馬の父サンダースノーは現役時代にドバイワールドCを連覇、芝でもクリテリウムアンテルナシオナルとジャンプラ賞を勝利。引退後は日本で種牡馬入りし、初年度産駒のテンカジョウがJpnⅢのマリーンCを制している。

ナルカミはダーレー・ジャパンの生産で、馬主はゴドルフィン。来春はUAEダービーなど海外挑戦の可能性も十分考えられそうだが、国内の3歳ダートクラシックを目指す場合でも注目を集める存在となりそう。まずは次走もしっかりと結果を残すことが重要ではあるが、どこまで大きく羽ばたいていくのか楽しみだ。

ナルカミのデータ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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2着に3馬身差をつける快勝

10日(日)の京都9Rには、芝2000mの黄菊賞(1勝クラス)が行われた。2021年には後のGⅠ馬であるジャスティンパレスが制している。今後に向けても注目の一戦は、1番人気に推されたリオンディーズ産駒のミュージアムマイルが勝利した。

1頭が競走除外となって8頭立てとなったレースは、人気の一角ヤマニンブークリエが逃げる展開となり、1000m通過は1:01.7のスローペースとなる。2番枠からスタートしたミュージアムマイルは6番手の外目から運んだ。

4角では抜群の手応えで3番手の外まで進出を開始し、直線ではC.デムーロ騎手の檄(げき)に応えてあっさりとヤマニンブークリエを振り切ると、3馬身差をつけた。比較的時計の出やすい馬場状態であったとはいえ、2:00.0という好タイムをマーク。今後、さらに上の舞台でも十分戦っていけそうな印象もあり、特に勝負所での機動力は強みになっていくはずだ。

ミュージアムマイル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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