【青葉賞】1番人気は複勝率90.0% 有力なのは2400m経験馬ウインマクシマム、ショウナンラプンタ

勝木淳

2024年青葉賞に関するデータ,ⒸSPAIA

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少ないキャリアと2400mの経験

青葉賞組からダービー勝ち馬が出ていないが、この2レースの相性が悪い理由はいくつかある。

ローテーションも難局かもしれないが、メンバーレベルもダービーとはかなり異なる。かたや皐月賞上位の優先組と、皐月賞は敗れたがそこまで一連のトライアルを勝ち抜いた馬たち、そこに各ダービートライアルの勝ち馬が加わる、まさに選ばれし18頭。一方の青葉賞は中1週になる皐月賞組は不在、一連のトライアルで敗れて皐月賞に出られなかった馬たちと、そもそも皐月賞に間に合わなかった遅めの馬たち、そして最初からダービー一本の素質馬たちが顔を合わせる。

昨年の勝ち馬スキルヴィングのようなダービー照準の好素材が強い傾向にあり、それだけダービーよりメンバーレベルが劣る。当然、流れやレースレベルも異なり、そのギャップが相性の悪さの要因だ。裏を返せば、皐月賞上位を越えられる馬があらわれるとき、この歴史も終止符を打つだろう。今年もその一点を楽しみにしよう。データは過去10年分を使用する。

青葉賞の人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【3-3-3-1】勝率30.0%、複勝率90.0%と圧倒的。さすがにチャンピオンコースの芝2400mでダービーへの切符を懸けた一発勝負。期待馬の準備は並大抵ではない。体調が原因で敗れることはまずなく、展開の紛れがあったとて、優先出走圏内をはずすことはない。以下、6番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%までが圏内で、7番人気以下の伏兵はないことはないが、少し苦しい。

青葉賞のキャリア別成績,ⒸSPAIA


キャリアでみると、3戦【3-3-1-23】勝率10.0%、複勝率23.3%から6戦【2-1-1-13】勝率11.8%、複勝率23.5%がゾーンといえる。3~6戦のうち、前走2400m1着【5-1-2-8】勝率31.3%、複勝率50.0%。アドミラブル、プラダリア、スキルヴィングなどがこのパターンで青葉賞を勝った。今年はウインマクシマム、ショウナンラプンタなどが該当する。

近年不振の大寒桜賞

明らかにダービーを意識した2頭のほかに、2000mのフリージア賞を勝ったマーシャルポイントも当然、狙いはダービー一本。ほかに重賞で敗れたトロヴァトーレ、パワーホール、コスモブッドレア、大寒桜賞を勝ったシュガークンなど、皐月賞組を除いたなかではベストに近い組み合わせになった。

青葉賞の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別では、まず前走GⅡ【2-1-0-15】勝率11.1%、複勝率16.7%、GⅢ【1-2-1-15】勝率5.3%、複勝率21.1%に注目。まずは皐月賞に向けた重賞に出走していた既成勢力に注目していこう。

青葉賞の前走重賞、レース別成績,ⒸSPAIA


好走馬を出したのは京都2歳Sを除き、3歳1~3月の重賞ばかり。特に関東の重賞が並ぶ。上記コスモブッドレア、パワーホールなどが合致する。重賞4着以内【2-3-1-9】、5着以下【1-0-0-21】。2頭ともこれをクリア。今度こそクラシック出走をつかんでほしい。

青葉賞の前走1勝クラス、距離別成績,ⒸSPAIA


重賞組に対抗するのは前走1勝クラス【6-6-7-66】勝率7.1%、複勝率22.4%だろう。その距離別成績は2400m【4-2-3-16】勝率16.0%、複勝率36.0%が断然。早めに2400mを経験したアドバンテージは大きい。前走1勝クラス2400m1着は【4-1-3-8】勝率25.0%、複勝率50.0%。当然、ウインマクシマム、ショウナンラプンタは有力だ。

一方、2200mの大寒桜賞は【1-3-1-8】。19年1着リオンリオン以降、注目度が上昇したが、それ以降は【0-0-0-6】と結果を残せていない。キタサンブラックの弟シュガークンはチーム・キタサンブラックが手掛けており、がぜん注目を集めるだろうが、最近の傾向を踏まえるとそう飛びつけない。

2024年青葉賞に関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。

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