【アンタレスS】前走OPクラスで好成績の馬に注目 阪神コースでオール連対中のハギノアレグリアスを推奨

貴シンジ

アンタレスS、前走着順別成績,ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は4月14日(日)に阪神競馬場で行われるアンタレスSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった19頭のうち除外対象のテイエムアトム、マリオロード除いた17頭を検討対象とし過去10年のデータを使用する。

重要データ:前走4着以内の馬が好成績

前走着順別成績,ⒸSPAIA


アンタレスSはレース全体の単勝回収率が35%、複勝回収率が47%と堅い部類の重賞だ。

そんな中で妙味を見出すデータが前走着順別成績。前走1着馬は【6-3-2-21】で単勝回収率51%、複勝回収率58%となっていて好走率はかなり高く、回収率もレース全体の水準よりもやや高い値となっている。

つぎに前走2着馬が【1-5-3-10】で単勝回収率39%、複勝回収率100%。前走3着馬は【1-1-2-7】単勝回収率110%、複勝回収率146%。前走4着馬も【1-1-0-6】で単勝回収率91%、複勝回収率78%。着順上位の馬はいずれも期待値の高い成績となっている。

一方、前走5着以下だった馬の成績は【1-0-3-84】で単勝回収率15%、複勝回収率17%。好走率も回収率も5着から一気に低調となっているので、5着より悪い着順だった馬はクラスに関わらず割引データと考えていい。上位人気が予想されるミッキーヌチバナはこのデータに該当している。

また、前走3勝クラスの馬の成績は【0-0-1-10】となっており、前走1着の馬だったとしても3勝クラスからの昇級馬は除外したほうが良いだろう。

【前走1~4着の出走予定馬】※昇級馬は除く
・ヴィクティファルス
・スレイマン
・テーオードレフォン
・ハギノアレグリアス

前走の敗因:ダイオライト記念のハギノアレグリアス

ハギノアレグリアスの前走はダイオライト記念3着。このレースでは道中2~3番手の好位を追走していたが、4コーナーでは手応えが苦しくなっていてセラフィックコールに差し切られ、逃げたテリオスベルは捕まえられずの3着だった。

内容から言えばセラフィックコール、テリオスベルに完敗の内容だが、2400mという距離がこの馬にとっては適性外だった点と、船橋コースの適性は低かった可能性が敗因として挙げられる。

対照的に阪神ダートコースは【3-2-0-0】でオール連対と完璧な成績だ。今回は上積みが見込めるだろう。

血統解説:スレイマン、ハギノアレグリアス

・スレイマン
日本での牝祖は母ドナブリーニ。ドナブリーニは競走馬としてチェヴァリーパークS(GⅠ・芝6F)を勝利している。繁殖としてはさらに優秀で、本馬の半姉には重賞2勝のドナウブルー(父ディープインパクト)、三冠牝馬のジェンティルドンナ(父ディープインパクト)が出ている。

Lyphardの影響が強く粘り強さがあるのがこのファミリーの特徴。父にキングカメハメハを迎えた本馬はドナブリーニにスピードとLyphardの粘り強さを上手く引き出していて、半姉たちとは舞台は違えどOPクラスで活躍している。

前走は展開に恵まれたとはいえ、OPで0秒7差の完勝。阪神ダートコースも【0-1-1-1】だが、機動力があるタイプだけに前走の小倉よりは適性面でやや割引が必要だ。


スレイマンの血統表,ⒸSPAIA


・ハギノアレグリアス
日本での牝祖は3代母タニノシーバード。叔父にはダービー馬タニノギムレットがいる血統だ。

スタミナ豊富なファミリーだが、本馬は父がキズナ、母父がジェネラスでパワータイプに出ていて長距離よりは中距離が良いタイプ。1800~2000mがベストで、前走の2400mは距離が長すぎた。

7歳となっており状態面に大きな上積みは望めないかもしれないが、阪神ダートコースはオール連対中。みやこS2着、シリウスS勝ちと重賞でもしっかりと結果を出していて適性は抜群。ここも期待したい。


ハギノアレグリアスの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではハギノアレグリアスを推奨

今回のCアナライズではハギノアレグリアスを推奨する。

恐らく上位人気になるだろうが、アンタレスS自体がかなり堅いレースなので、その傾向に従って狙っていく。阪神コースは得意で、距離短縮も好感。前走からの上積みが見込めるだろう。

相手には前走好成績をおさめたヴィクティファルス、スレイマン、テーオードレフォンを挙げたい。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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