【アーリントンC】関西主場のマイル組が狙い目 中心はオフトレイル、ディスペランツァ

勝木淳

2024年アーリントンカップに関するデータ,ⒸSPAIA

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キャリア2戦以内全滅

4月に移りトライアルとなって6年、NHKマイルC本番で前走アーリントンCは【1-0-5-21】。勝ち馬こそ22年ダノンスコーピオンしか出ていないが、3着を6年で5頭も出した。9、7、6、18、3番人気と穴馬がやたら目立つ。

アーリントンC3着以内に入り権利をとった馬に限ると【1-0-4-13】なので、NHKマイルCを的中させるためには見逃してはいけない。21年は全滅だったが、それ以外は毎年好走馬を送るレースだ。データは過去6年分を使用する。

アーリントンCの人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【4-0-0-2】勝率、複勝率66.7%と強力で、誤魔化しの利かない阪神マイルのトライアルとなれば確固たる実績がものをいう。ただ、残る2勝は5、12番人気と極端。7番人気以内で決まるケースが多いものの、1番人気が崩れるようなら波乱もある。勢力図が定まっていない年は注意が必要で、今年はそんな予感もある。

アーリントンCのキャリア別成績,ⒸSPAIA


キャリア2戦以内は【0-0-0-10】と全滅。ワールズエンド、ジュンヴァンケット、シヴァースはこのデータにハマってしまう。この内訳は前走新馬、未勝利、1勝クラスで計8だが、GⅢも2頭いる。19年シンザン記念を勝ち2戦2勝だったヴァルディゼールも8着に敗れた。

好走ゾーンは3戦【1-0-2-12】勝率6.7%、複勝率20.0%から5戦【3-1-2-17】勝率13.0%、複勝率26.1%の間にある。積みすぎずなさすぎず。それなりにキャリアを重ねた馬を狙いたいところだ。


前走京都阪神のマイル戦、勝利が条件

今年は4戦オフトレイル、5戦ディスペランツァあたりが前走を勝っており、勢いも感じる。ディスペランツァは中距離の重賞で揉まれ、マイル戦で2勝目をあげた。マイルへの転戦で息を吹き返した感じもあり、買いたくなる。

アーリントンCの前走クラス別成績,ⒸSPAIA


好走ゼロの2戦以下を省き、ここからはいずれもキャリア3戦以上に絞ってデータを見る。

前走クラス別成績を出すと、前走GⅠが【4-0-0-0】と目立つ。ただし、朝日杯FS2、3着【2-0-0-0】、6~9着【2-0-0-0】で、今年は15着アスクワンタイム1頭。このデータは継続するだろうか。

アーリントンCの前走距離別成績,ⒸSPAIA


朝日杯FS組を除くと残るは一長一短で、とりたてて目立つものはない。そこで前走距離別成績を出す。前走マイルは【4-2-2-30】勝率10.5%、複勝率21.1%なので、やはり前走でマイル戦を経験した馬は良好。しかし朝日杯FSを除くと【0-2-2-30】とトーンダウン。とはいえ、上記オフトレイル、ディスペランツァ、ポッドテオら勝ってきた馬も多く、注目せざるを得ない。

アーリントンCの前走1600mでの着順別成績,ⒸSPAIA


朝日杯FS以外の前走1600m組で着順別成績を出す。前走1着【0-2-1-13】複勝率18.8%、2着【0-0-1-3】複勝率25.0%に対し、前走3着以下【0-0-0-14】。マイル戦連対が条件になる。前走フローラルウォーク賞3着タガノデュード、中山の平場3着グローリーアテインはやや劣勢だ。

前走マイル戦をもう少し別角度から。前走が京都か阪神だと【0-2-2-8】、東京か中山か中京なら【0-0-0-22】なので、関西主場のマイル戦出走がポイントになる。前走東京だったポッドテオが消え、オフトレイル、ディスペランツァが残る。京都【0-1-1-1】、阪神【0-1-1-7】なので、確率でいえばオフトレイルだろう。

こぶし賞はマイルといっても内回りで行われる。直線が短いコースで2位に0秒4差をつける上がり33.7を叩き出し、一気に差し切った。外回りの差し比べなら見劣らない。こぶし賞といえば、近年ではスタニングローズ、モズメイメイと重賞ウイナーが並び、少し前ならカレンブラックヒル、メイショウマンボも勝った出世レースだ。

2024年アーリントンCに関するデータ、インフォグラフィック,ⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬中心の文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。

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