【中山馬場傾向】芝・ダートともに「パワー」が必要 もう一つの欠かせない要素とは?

三木俊幸

3月20・21・22日の中山競馬場馬場傾向インフォグラフィックⒸSPAIA

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今週末も外が伸びる?

今週末の競馬は金、土、日の3日間開催。中山競馬場では20日(金)に3歳牝馬による重賞フラワーC(GⅢ・芝1800m)、22日(日)には皐月賞トライアルのスプリングS(GⅡ・芝1800m)が行われる。そんなレースを占ううえでカギを握る馬場状態について、分析していく。

3月20・21・22日の中山競馬場馬場傾向インフォグラフィックⒸSPAIA


先週末、14日(土)と15日(日)の中山競馬場の芝コースでは、10レースが行われた。しかし土曜日は朝から雨が降り、午後からは雪へと変わる予想外の天候となり、メインレースの中山牝馬Sが行われる頃には、不良馬場にまで悪化した。これは2014年に馬場改修が行われて以降、初の事例だった。

日曜日は天気が回復したものの、稍重で行われた東風Sの勝ちタイムは1:34.1、上位3着までに入った馬の上がりは36.3、36.3、36.1とパワーが要求される馬場でのレースとなった。

3/14・15中山芝コースの通過順位ⒸSPAIA

3/14・15中山芝コースの直線で通ったコースⒸSPAIA


通過順位を見ると、雨の影響を受けた土曜日と重馬場で行われた日曜日の前半2レースは差し馬の台頭が見られたが、稍重に回復して以降の3レースでは、差し馬も馬券に絡みはしているものの、勝ち馬の4角通過順位は先頭、4番手、4番手と先行馬が残る傾向にあったと言える。

しかし、馬場へのダメージは大きかった。勝ち馬が直線で通ったコースを調べてみた結果、内から5頭目より外を通った馬が10レース中7頭と最も多く、内側の馬場状態が悪くなってきていると考えられる。

今週末は晴れ予報となっているので、先行馬の活躍は先週よりは増えるが、少しずつ外差しも決まる馬場になるのではないかと予想する。そうしたことからも、「パワーと瞬発力を兼ね備えている馬」が活躍するとみて、フラワーCではシーズンズギフト、スプリングSはヴェルトライゼンデを推奨馬として取り上げておく。

パワー型の先行馬が有利

続いてダートコースについても見ておこう。

3/14・15中山ダートコースの上がりⒸSPAIA


土曜日に稍重からスタートした馬場は、重→不良→重へと変わっていった。水分を含んだ馬場らしく1200m戦では3歳1勝クラスで1:10.9、4歳以上2勝クラスで1:10.5と速い時計がマークされていたが、その一方で1800m戦においては4歳以上1勝クラスで1:52.4と、重馬場だということを考えると平凡なタイムの決着が多かった。

この傾向は上がりタイムからも同様のことが言え、1200m戦では重馬場で35秒〜36秒台の決着だったのに対し、1800m戦では37秒〜38秒台と上がりがかかるレースが目立った。

3/14・15中山ダートコースの通過順位ⒸSPAIA


脚質別の成績では、逃げが4勝、先行が5勝、差しが3勝、追込が1勝という内訳となっており、良馬場時に比べると差しが決まりやすい傾向にあったと言える。しかし今週末は乾いた馬場状態となることが予想されるので、「パワー型の先行馬」有利の馬場となるだろう。

中山競馬場馬場インフォグラフィックⒸSPAIA

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