【フィリーズレビュー】阪神芝1400mはそこまでペースが速くならない!京大競馬研はカリオストロの逃げ切りと予想

京都大学競馬研究会

フィリーズレビューインフォグラフィックⒸSPAIA

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道中で緩みが起こりにくいコース

日曜の阪神メインレースはフィリーズレビュー(GII 芝1400m)。例年フルゲートで行われるが、実力が抜けた馬がおらず高配当になることが多い。今年も例にもれず本命馬不在で難解なレースになりそうだ。

過去5年 2・3歳牝馬限定重賞データ

さて、現行行われている中央競馬の芝1400mのコースは6個(新潟、東京、中京、京都内・外、阪神)あるが、これらのコースのうち東京・京都外の芝1400mは他に比べレースの上り3Fが速い傾向にある。逆に阪神芝1400mは上り3Fがそこまで速くないことが多い。阪神内回りのコースの特徴は3コーナーから直線にかけて下りが続くこと、直線が長くないことであり、これにより道中のペースに緩みが発生しにくくなる(逆に東京、京都外は直線の瞬発力勝負になることが多い)。阪神芝1400mの予想を考えるときには、よどみないペースに対応できる馬を探すことが重要である。

◎カリオストロ
阪神芝1400mで2戦しており、いずれも最初の3F34秒台前半の速めのペースをスピードで押し切る形で勝利した。この舞台がベストなのは間違いないだろう。前走は開幕週の馬場がこの馬にとってかなり有利に影響したため、2着馬を5馬身離したパフォーマンスをそのまま捉えるのはやや過大評価だろうが、今回も逃げまたは好位から他馬にあまり絡まれない形ならば押し切り十分だろう。

○ヤマカツマーメイド
阪神JFでの上位組は、そのままチューリップ賞でも上位を独占した。5着に入ったヤマカツマーメイドもそれなりに力を評価していいだろう。また現状はマイルよりも1400mの方が合いそう。馬群の中からでも競馬できるという点では、この馬が一番安定感がありそうだ。

関東馬の関西輸送は減点材料

過去5年の2・3歳牝馬限定重賞データ

まず一般的にこの時期、この路線の牝馬は関西馬の方が強い。2・3歳牝馬限定重賞の成績を見ても、関西馬のほうが関東馬より勝率・連対率・回収率ともに高い傾向にある。さらに、美浦から関西の競馬場への輸送の場合は過去5年で単勝回収率24%複勝回収率24%と極端に悪い。ただでさえ関西馬の方が強いのに、さらに輸送のロスがあるため(若馬のほうが影響が大きいと言われている)ここまで成績が落ちる。今回は、ある程度人気が予想される馬の中でアヌラーダプラ、ケープコッドが関東馬である。

この2頭についてもっと過去のレース結果から考察していこう。アヌラーダプラは前走人気を背負ったが案外の負け方。2連勝の内容がいずれも溜めて速い上がりを使って勝つというものだったので、先述のようにペースの緩みが生じにくいこの舞台はあまり向いていないかもしれない。また過去に負かした相手もそれほど強い馬はいないので、前走は過剰に人気していたと捉えるのが自然だろう。ただ今回は距離短縮でスタミナが持てば、一気の差し切りもありうる。

ケープコッドはこれまで1戦を除きすべて1200mを使われてきた馬だが、2走前のファンタジーSでもそれほどバテてはいなかったので1400mもこなせるだろう。ただファンタジーSを除けば出走したレースレベルは高くなく、特に前走はハナ差ギリギリの勝利だったため、さらにここで勝ち切るまでの力はないと見る。その他印を回す馬を記す。

▲マテンロウディーバ
前走のゴール前で一番速い脚を使えており、ラスト1Fのレースラップもそれほど落ちていなかったため評価できる。

×フェアレストアイル
前走の敗因が時計のかかる馬場だったとすれば、巻き返しがあってもいい。

×エヴァジョーネ
血統的には芝で走れてもおかしくなく、さらに気性に改善が見られれば。

▽フィリーズレビュー予想▽
◎カリオストロ
○ヤマカツマーメイド
▲マテンロウディーバ
△アヌラーダプラ
×フェアレストアイル
×エヴァジョーネ

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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