【中山馬場】今週もダートは逃げ天国?中山の馬場を読み解くカギは「先行力とパワー」

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中山牝馬Sは雨予報
先週末、中山競馬場では皐月賞トライアルの弥生賞ディープインパクト記念が行われた。勝利したサトノフラッグは、父ディープインパクトをほうふつとさせる走りで、重馬場にも適性があることを証明してくれたので、本番でもどのような走りを見せてくれるのか楽しみにしたい。
今週は3月14日(土)に中山牝馬S(GⅢ・芝1800m)が、15日(日)にはアネモネS(L・芝1600m)が行われる。馬場適性から好走できそうな馬はどの馬か、先週末の馬場傾向をもとに分析していく。

まずは芝コースから見ていこう。土曜日は良馬場でレースが行われたが、日曜日は雨が降り続き、稍重と重馬場での競馬となった。やはり道悪になると時計はかかっていたものの、良馬場で行われた重賞、オーシャンS(1200m)では1:07.4と好タイムが出ていた。ただし、良馬場でも上がりは少しかかる傾向にあり、オーシャンSを勝利したダノンスマッシュが使った上がりは34.0だった。

4角の通過順位から見える傾向としては、9レース中7レースの勝ち馬が4角5番手以内を追走しており、先行馬の活躍が目立っている。しかし、雨が降って馬場が悪化すると差し馬も台頭していることは頭に入れておきたい。

加えて今回は3着以内に入った馬が直線でどのコースを通ったのかについても調べてみた。
内中外と満遍なく分かれているが、雨が降った後はやや内目を空けて走っている馬が多かったので、どこまで痛みが進んでいるのかがポイントになりそう。
これらのデータを踏まえて、今週末の芝コースの馬場傾向を予想すると、14日(土)は再び雨が降る予報となっており、雨量次第では時計、上がりともにかかる馬場となるだろう。しかし、4角では先週同様に好位につけた馬が有利になるはず。中山牝馬Sでは、道悪を得意としており好位からもレースができるメイショウグロッケ、エスポワールに向いた馬場となると考える。
15日(日)は天候が回復する見込み。馬場も乾いてくるが、パンパンの良馬場にはならないので、パワーも必要な馬場になるだろう。桜花賞トライアルのアネモネSの注目馬として、先行力と中山コースへと適性があるクリノプレミアムを取り上げておく。
日曜日は7レース中6レースが逃げ切り

続いてダートコースについても見ていこう。こちらも土曜日は良馬場だったが、日曜日は稍重でスタートし、後半は重馬場へと変わった。しかし、時計面では重馬場でも極端に時計が速くなることはなく、1800mのオープン総武Sでも1:52.9という決着となっていた。
これは上がりタイムでも同様の傾向にあり、3着以内に入った馬で上がり36秒台を使った馬はゼロ。上がりはかかる馬場と言うことができるだろう。

脚質面では、面白い傾向が見られた。2日間を通じて15レースが行われたが、勝ち馬は14レースが4角3番手以内、残る1レースも4角5番手(16頭立て)と先行力がないと勝負にならない馬場だった。
加えて、雨が降った日曜日は7レース中6レースで逃げ馬が勝利するという珍しい結果に終わっている。今週も土曜日は雨予報となっているが、引き続き逃げ馬が勝ち星を積み重ねるのか、要注目だ。

