【阪急杯】「前走阪神C組が6連対」も意外な傾向が!データから導き出された本命馬は?

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高松宮記念にむけて重要な一戦
先週行われたフェブラリーSだが、勝ったモズアスコットの強さばかりが目立ったレースだった。何だか根岸Sが終わった後にも同じようなことを思った気がするが、ともかく今回の一戦でFrankel産駒の評価を改めた方がいいのかもしれない。それにしても、展開予想が外れるとこうも見当違いの予想になるのか、といういい(悪い?)例だった。
今年初めての阪神開催が始まる。阪神競馬場の最寄り駅は仁川。阪急の今津(北)線にある駅である。この今津(北)線は西宮北口~宝塚を結ぶ路線で、西宮(北口)、甲東(園)、仁川、逆瀬川、宝塚(南口)と、阪神競馬場で行われるレース名となっている駅が多い。レース名がないのは門戸厄神と小林(おばやし)だけ。門戸厄神は固有名詞だから仕方がないとして、いつの日か小林特別なるレースができるのかと思っていたりする。
その阪急杯(3月1日・阪神競馬場)だが、1着馬に高松宮記念の優先出走権が与えられる。また、過去にはロードカナロアやミッキーアイルなどの大物が始動戦として選択。本番を占う上において重要な一戦といえるだろう。
脚質は不問

ロードカナロアもミッキーアイルも、ここへ出走したのは脂の乗った5歳時。ここ10年では5歳馬が半分以上の6勝と断然の数字。2着の数では4歳馬だが、勝率、連対率とも5歳馬が優勢で、迷ったら5歳馬をチョイスするのがお勧めだ。

また、前走で香港を使った馬が2戦2勝。今年も外国帰りの馬がいれば積極的に狙いたかったところだが、残念ながら出走はなし。ただ、前走で重賞を使った馬とオープンもしくは条件戦を使った馬に差があり、オープン、もしくは条件を使った馬は1勝2着0回と成績が芳しくない。例え強い勝ち方をしてきた馬でも、それが重賞でなければ割り引いた方が無難だ。

また、開幕週で行われるレースということで、逃げ馬が3勝とまずまずの成績。しかし、前有利かといえばそうでもなく、連対した20頭中、差し馬は10連対。展開次第だがどの脚質にもチャンスがありそうだ。

ここ5年、阪神芝1400mの成績が最もよかったのはダイワメジャー。16勝、2着17回と他馬を圧倒している。2位はディープインパクトだが、3位はサンプル数がほかより少ないながらロードカナロアがディープと同じ12勝を挙げている。4、5位にはハービンジャー、ステイゴールドの長距離砲がランクイン。ちょっと意外だが、内回りだと距離に関係なく成績がいいようだ。
中心不動!ダイアトニック
このレースは阪神C組が6連対と最大派閥となっている。ただ、連対したのは全てその阪神Cで3着以下だった馬ばかり。同じ阪神1400mなのに不思議である。となると、阪神Cからは前走2着のフィアーノロマーノより、大敗して人気を下げそうなマイスタイルの方に妙味を感じる。好走したマイルCSの後だったということで、阪神Cでの上積みはそれほどなかったか。立て直した効果に期待したい。
続いて4頭の連対馬を出しているのがシルクロードS。7着だったジョイフルは外を回ったにせよじりじりとしか足を使えず伸び負けの格好。実績通り阪神の方がよさそうで、条件変わりで一変する可能性を秘めている。
京都金杯組は3頭が連対。2着のダイアトニックはプラス12キロだったが全く関係なし。阪神は1戦1勝で、父が阪神芝1400mで好成績を挙げているロードカナロア。舞台に不足なしだ。
クリノガウディーは東京新聞杯で見せ場十分だったが、この距離は初めて。マイルで持ち時計があるとはいえ、開幕週の時計勝負が合うタイプとも思えない。
問題はステルヴィオ。一昨年のマイルCS勝ち馬で実績が抜けているのは間違いない。最近はぶっつけでのGIを勝つ馬が増えているが、今回はあくまで前哨戦。クリノ同様に初距離でもあり、今回は評価を下げたい。
まとめると、本命はダイアトニック。距離実績があり、強いデータが出ている「5歳」「ロードカナロア」産駒。前走は勝ち馬に完敗とはいえ、相手が次走で重賞を連勝するサウンドキアラなら仕方なし。軸として一番ふさわしいのはこの馬だ。
対抗はマイスタイル。相性のいい阪神C組で、しかも大敗から巻き返すパターンが多いことからもデータにぴったり当てはまる。人気的にも妙味十分で、不振の6歳馬ということには目をつむりたい。
面白いところではレインボーフラッグ。同条件の2走前がスムーズならと悔やまれるレース内容。前走も外伸びの馬場で内を突いたのが裏目に出ただけ。過去に洛陽Sから勝ち馬が出ており狙いは十分立つ。
押さえに実績馬のフィアーノロマーノとステルヴィオ、阪神に変わってジョイフルを。
◎ダイアトニック
○マイスタイル
▲レインボーフラッグ
△フィアーノロマーノ
×ステルヴィオ
×ジョイフル
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
