早生まれは不利?騎手の世界の意外な事実!こんなにも偏る誕生月の謎

高橋楓

2019年現役中央競馬騎手サマリーⒸSPAIA

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騎手も早生まれは不利?

騎手誕生月別インフォグラフィック

昔から、『プロスポーツ選手は4月~6月生まれが多い』という言葉がある。

自身の小中学生時代の部活動を思い出して欲しい。野球やサッカーなど、体格の大きな子が優先してレギュラーで使われている事が多かったのではないだろうか。

特に小学生の時などは義務教育である以上、体が出来ていない子に無理をさせる訳にはいかない。才能ではなく、身体的な話でもあり難しい問題である。

『相対年齢効果』とは?春生まれが断然有利!?

一説によるとアスリートの誕生月は春生まれ(4月~6月)と早生まれ(1月~3月)では『3:1』の差がでていると報告している有識者や学者もいる程だ。

これは『相対年齢効果』という考え方が影響していると考えられる。才能が劣っているわけではなく、埋める事の出来ない同学年の中での実年齢の体格差が大きく影響を及ぼしてしまっているという事である。体格の大きい子が優先的にレギュラーで試合に出場できたり、起用されている子どもの方が当然成長スピードも早い。その結果、どんどん同学年の中で差が出来てしまう。

では、ジョッキーの世界で当てはめて考えるとどうだろうか。大人になれば身長差は関係なくなり、アスリートと同じ様な「春生まれ」優位の結果が出るのだろうか。はたまた、「早生まれ」の体格の小さな騎手が多いのだろうか。

今回は、誕生月から見る騎手界の生まれた月による分布を考察していきたい。

騎手の世界はアスリートの格言と真逆の結果が出た

誕生月別成績

・春生まれ(4月~6月) 21名(15.2%)
・夏生まれ(7月~9月) 29名(21.0%)
・秋生まれ(10月~12月) 38名(27.5%)
・冬、早生まれ(1月~3月) 50名(36.2%)

騎手は圧倒的に後から生まれた騎手の方が多い。

冒頭にも書いたが、アスリートは早く生まれた方が有利である、実際に多くのスポーツやアスリートに当てはまっている。しかし、騎手は15歳の段階で入学する生徒が多い事が影響しているのか、早生まれの方が騎手になれる人が多い。 ただ、最終的に平均身長は12月生まれが一番大きく、2月3月生まれの方が全体の上位に来ているのは面白い傾向である。

7月生まれの騎手に注目だ!

数値化をしていくと、時に満遍なく成績をあげているスポットを見つける事がある。今回で言うと、7月生まれのコンスタントな活躍ぶりである。

7月生まれ 成績一覧

戸崎圭太騎手を筆頭に9人中6人が重賞制覇を達成している。勝ち星でも、戸崎騎手(104勝)池添騎手(65勝)西村騎手(55勝)内田騎手(50勝)松岡騎手(22勝)北村騎手(20勝)柴田善騎手(16勝)と実に7名が2ケタ勝利をあげている。

中でも今年は「西村淳也」騎手に注目をしたい。デビューした2018年に13勝、2019年には一気に55勝をあげる活躍であった。本年も9勝をあげ連対率15.6%、3着内率23.8%を記録している。馬券的には1番人気2番人気で取りこぼしが目立っているため、単勝回収率・複勝回収率ともに冴えない結果になっているが、3番人気・4番人気の際には27回騎乗し、(5-4-3-15)の成績で単勝回収率126.3%・複勝回収率89.6%の成績となっている。頭に入れていても面白いデータかと思う。

4月3日生まれの石橋修騎手から3月30日生まれの畑端省吾騎手まで、当然いつ生まれたかで騎手になれるなれないが決まるわけではない。しかし、騎手の世界は誕生月に面白い傾向がでたのも一つの事実である。

《ライタープロフィール》
秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。
一口馬主やPOG関連の記事を中心に執筆している。

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